紙の本
資本主義を見つめ直す第一歩
2022/01/02 20:53
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投稿者:ばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る
100de名著のマルクス「資本論」の話が目から鱗だったので、慌ててテキスト本を購入。
会社の歯車として、「当たり前に」あくせく働いていたことに疑問を投げかけてくれた。
・そんなに成長する必要があるのか
・本当の豊かさとか
・ブルシットジョブとは
など今後深掘りしたい要素が詰まっており、このテキストを手始めに今後学びを深めたい。
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人新生の資本論を読んだ後に読んでしまったからサマリーのような内容だと感じた。
わたしが1番欲しかった「じゃあこれに対してどう動いてる人がいるのか、自治体があるのか、自分でもどう動けるのか」みたいなところまではあまり言及されていなかったので残念!
一人で解決できることではないが故に危機感と焦りと少し絶望のような感情が残った。んーわからん。笑
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「100分de名著」をはじめて見て驚きました。
資本主義社会の中で、働き貨幣を手に入れることが幸せだと思っていた。成長こそが幸福だとも。
どうやら信じていたことはちょっと違うようだ。
資本主義社会は資本家も労働者も、資本の運動からは逃れられない。
そして、今さえよければいいという刹那的な考えのもとで行われる経済活動は環境を破壊していた。
資本家にとって都合のいいように社会の仕組みは整えられているのかもしれない。バカとブスこそ東大へ行け!と阿部寛が言っていた。賢いやつらが賢いやつが得するように世界を作ってるのかもしれない。でも、今は見直す時が来た。
とりあえず、著者の別の本を読んでみます。
社会の仕組みについて疑問を感じる本。
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NHK「100分 de 名著」を見て、「資本論って、こんな内容だったんだ!」
「構想」と「労働」の関係、「資本家と労働者の関係」、「資本主義の行き詰まりの解消」「コモン」(共有)という考え方………
マルクスの「資本論」は有名で、その存在は 社会の教科書にも載っているけど…内容はちゃんとは知らないし、読める気がしない… 敬して遠ざけていた本でしたが、番組を通して(少し)内容が理解できたので、テキストも買ってみました。
ピラミッドの頂点と底辺の経済構造、経済格差を読み解く参考資料になりました。いつの世も「富めるもの」「貧しいもの」は存在するけれど………少しでも 辛い思いをする人が減るといいな。そのために何ができるかな?そんなことを日々考えています。
合わせて、「ブルシットジョブズ ~くそみたいな仕事」(意味のない仕事)という本も、読みたいと思います。
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初めてマルクスの資本論に触れるので100分で名著から。
期待して観ましたが個人的な意見としてこの考え方は嫌いです。
最終的な結果として諸々を公共財として分け与えましょうでは、頑張ったらパクられて頑張らなくても似たような結果が得られるのでイノベーションをわざわざ起こす革命家がいなくなってしまうのではないでしょうか。
本当の持続可能な世界にするのであれば、環境問題含めたイノベーションが必要です。
それにマルクスの時代よりも自然環境面以外であれば仕事面でもだいぶ改善されています。
例として出ていたような過重労働を負っている人の絶対数は間違いなく少なくなっているでしょう。
ただ、ベーシックインカムや上下水道など必須インフラについては公共財とするなどの局所的な議論はとても良いとは思うのでこのエッセンスを少しずつ加えて議論する必要はありそうです。
その上で資本論全体としては極論すぎて資本主義社会でしか生きていない自分と合わないなと考えるのもひとつの思考で、自分なりの答えだと思うので現時点では私とは合わない。そう思います。
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コテンラジオの資本主義シリーズを聞いて興味が出たので読んでみた。
資本主義により技術が発展して、食料は豊富になり、暖かくて丈夫な服が流通し、良い家に住め、病気や怪我になっても治る可能性が高まったのは事実。
しかし、近年は特にワーキングプアや環境問題などな問題が発生しており、豊かになったはずだけどそれにより不幸が生み出されているようにも感じていた。
この本の内容は、なぜそうなっているのか、それを解消するためにはどう考えてゆくべきか、ということのヒントになる。
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全く門外漢の分野だったが、わかりやすく説明されていた。(それでも何度も繰り返し読み返したが)
資本主義の構造を丁寧に詳らかにし、労働問題、格差問題等を資本主義の観点からそのメカニズムを説いて目からウロコだった。
最終章のコモンの再生については、人間がより高い次元の意識を持たなければ達成するのは容易ではないだろう。
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新書「カール・マルクス」に続いての、”「あの本は読まれているか」への道のり”、PART2。
マルクスの思想の現代性みたいなことで、いつも通り分かりやすかったです。
個人的には直前の新書とけっこうお手付きした感もありましたが。
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100分de名著
よくお世話になる番組
そしてこちらは興味深い内容だった
さらに最近読んだ
「現代経済学の直観的方法」
「暇と退屈の倫理学」
この辺りも資本主義がいかに我々に影響を及ぼしているか追究されていた
しかしどう頑張っても資本論は読めないだろうし、読まない…だろう
そこでこちらで解説された斎藤氏の「人新世の資本論」を読む予定なのだが、その前にこちらで復習しておこうと思う
(結構前に見た上、やはりTV番組だとすぐ内容をわすれてしまう)
資本主義がわからない人は恐らくいないだろう
しかし理解しているようで、実は奥の奥の根本を理解できていないのかも…
資本主義のカラクリを、そして奥底を知ることが先ずは大切
なぜ世界の富豪トップ26人の資産総額が人口の半分の資産に匹敵するのか
なぜ働いても働いても豊かさを享受できないのか
なぜ世界的な環境破壊を止められないのか
資本主義のままで良いのだろうか?
だからと言ってほかにどんな主義があるのだ?
世の中の仕組みにマッチし続けてきたから、今もなお世界の殆どの国が資本主義なのではないのか?
そんなことを思いながらさらに素朴な日常の疑問が出てくる
なぜ携帯電話をしょっちゅう変えなくてはならないのか?
壊れてもいないのに…
アプリのバージョンアップも然り
なぜ人はランキングを見て人気のあるレストランへ行くのだろうか
美味しいものを食べたいため?本当に?
誰かに自己顕示したいから?
なぜ就業時間が決まっているの?
テレワークができることがわかったのに出社しなくてはいけない理由は?
有給休暇が全日取得できないのはどうして?
労働者の立場が弱い理由は…?
そうすべて資本主義の仕組みによるものなのだ
社会の「富」が、資本主義社会では次々と「商品」に姿を変えていくとマルクスは言う
例)水道からただで飲める水がペットボトルに入った商品として定着した
資本主義の下では「富」が囲い込まれ商品になる
必要なモノより売れそうなモノ
人間がモノに振り回され、支配されるのだ
そして資本は運動だとマルクスは言う
絶えず価値を増やしながら自己増殖していく運動だと
市場では常に競争が行われ、儲けにこだわり儲け続けていかないと潰されてしまう
人間の欲だけではない、資本家の手からさえ離れた自動運動なのだ
さらに労働者は強制ではなく自由だからこそ、労働者の自発的な責任や向上心、主体性まで生まれる
そして資本家が労働者に求めたものは生産力を上げる技術革新だけではなく、「支配」の強化だと言う
この恐ろしいイノベーションのカラクリはこうだ
本来人間の労働は頭で考えたもの(構想)を自身の身体を使って肉体的労働(実行)するものだった
つまり「構想」と「実行」は統一だった
しかし現代は生産力を高めるだけ効率化を推し進め、構想と実行が分断される
さらに細分化が進み分業化され、作業は単純化されていく
労働者は無気力になり、自分の代わりはいくらでもいると刷り込まれ資本家との主従関係が強化されてしまう
そして資本の掠奪欲は労働者だけではなく自然にも及んでいる
資本主義は価値の増殖を無限に求めるが地球は有限だと斎藤氏は警告する
じゃあマルクスが目指したものは…
資本主義に代わる新たな社会において大切なのは、「アソシアート」(共通の目的のために自発的に結びつき、共同する)した労働者が、人間と自然との物質代謝を合理的に、持続可能な形で制御することだと言う
わかりやすく言えば…
みんなでリンゴを栽培するとき
収穫したリンゴは個人的所有となるが、畑や栽培に必要な道具、栽培方法といった知は共有財産とする
分かち合いや助け合いの相互扶助により、富の持つ豊かさをシェアする
脱成長型経済を目指す
というものだ
以上が描かれている内容である
図書館や給食を資本主義の食い物にしてはいけないし、煽り立てられる宣伝広告、SNSによるモノが先行する市場もどうかと思う
うんざりするほどの労働者の拘束時間、乱立するショッピングセンター
そして環境破壊と異常気象…
資本主義の悪の部分については非常に共感する
そう問題提起するのは簡単だが、じゃあどうすればいいのか
疑問や嫌悪感を覚えつつもそれなりに不自由のない生活をしているのではないか…
しっかり資本主義の恩恵を受けているのでは?
が、それは個人が良ければいいのだろうか?
自分の世代にツケが来なければ良いと心のどこかで感じていないだろうか…
そしてマルクスの理想的な資本主義に代わる社会
そんな理想郷が現実に可能なのだろうか
そこには権力は生まれないのか?
誰もが平等に不満なく暮らせるのか…
その辺りは次なる斎藤氏の書に期待したい部分だ
当たり前に馴染んでいる資本主義に今一度立ち返る時期なのかもしれない
多くのことを考えさせられると同時に、何を変えれば良いのか、どうすれば皆が幸せになれるのか、有限な地球環境や資源を守れるのか…
難し過ぎる問題に直面して唸ってしまった
答えは一つではないし、問い続けることが必要なのだろう
そして今の不安定で何かダブついて違和感のある時代だからこそ読まれるのに相応しい本書なのだろうと感じた
最後に
本書は非常にわかりやすく読みやすい
資本主義の日常で少しでも気になることがある方には是非オススメである
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構想と実行の分断で、より労働者を労働者たらしめる。
自分が持っている労働力のうち、商品として売る領域を制限していく
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「人新生の資本論」が話題になり、まず資本論から知ろうと思いこちらを読了。
結果、驚き!マルクスの資本論は名前だけ知っていたけれど、こんな内容だったとは。生まれてこの方経済成長だけが良きもの、高度経済成長が成し遂げられなければ「失われた10年」とさえ呼ばれる、そんな資本主義モデルしか知らない私達世代(昭和生まれ)に、今とは違う形で豊かな社会があり得ると教えてくれる本。
今後どんな社会、どんな世界で暮らしたいのか、そのためにどのような選択をするのか。。あまりにも壮大なテーマで一朝一夕には回答できないし「資本論」の考え方で全て解決できるわけではないが、資本主義とは違う社会を思い描く想像力、構想する力を取り戻すきっかけにしてほしいとの最終ページに深く頷いたのであった。これから考えていきたい。
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私は大学は経済学科の出身だが、私が大学に在籍していた40年以上前でも、大学の講座で「マルクス経済学」を教えるものは、ほとんどなかったし、私はそういった講座をとらなかったので、「マルクス経済学」については、全く勉強したことがなかった。
最近、資本主義の限界ということが盛んに言われるようになってきている気がする。金融危機、経済の長期停滞、貧困・格差問題やブラック企業、新型コロナウィルスのパンデミック、気候変動の影響による異常気象等、社会の繁栄を脅かすような多くの危機的な状況があり、それは資本主義の限界である、というような言われ方をすることも多い。そして、マルクスの「資本論」を読みなおそうという主張をする書籍がいくつも出てきている。例えば、「人新生の"資本論"」はベストセラーにもなった。
ところで、「資本論」は資本、あるいは、資本主義についての批判的な研究書である。その後のマルクス・レーニン主義や、ソ連での社会主義・共産主義とは、関係がない。「関係がない」とは言い過ぎかもしれないが、少なくとも、マルクスは「資本論」の中で、社会主義や共産主義について、ほとんど何も触れていない。
ソ連や旧東欧諸国の失敗は、マルクス・レーニン主義の失敗であり(ここまでは良いと思うが)、従って、マルクスの主張、特に「資本論」は誤った主張であるというのは、従って、変な話なのである。上記の通り、マルクスは、社会主義・共産主義国家をつくるべき、ということを一言も言っていないのだから。
というようなことは、私自身も誤解していた部分がある。
「資本論」自体は、読むのに難渋するが、現代社会の行き詰まりを考えるヒントになると思う。
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「人新生の資本論」のレビューで何人かの方が、この本を併せて読むとわかりやすいと教えてくださっていたので、読んでみた。
これは、要するに、「人新生の資本論」の要約であり、より一般向けでわかりやすく噛み砕いたものと考えればよいようだ。
「人新生の資本論」の復習としてちょうどよかった。教えてくださった方々、ありがとうございました。
復習していく中で新たなことを思った。
一つは、教育について。
「人材」という言葉が嫌だなと思っていたのだ。人間がをモノ扱いするのが嫌だったのだが、なぜ、モノ扱いするのか、よくわかった。学校で商品を作り上げる発想!
「人材」を作るという発想が蔓延っているのはまさしく資本主義社会だから。大学入試共通テストが、OECD主導の改悪が行われ、資料の読み取りだの、データの比較だのが、国語の問題に入り込むことになったったのもこのせいってわけだ。
教育の場は、商品を作り上げる場ではない。
もう一つ、「経営者目線」について。
そういった目線を内在化してくれるのは、資本家にとって、とーってもありがたいわけだ。なるほど、だからそういう目線を育もうと発破をかけられる。
そういえば、ネトウヨも為政者目線でモノを言う…。
再読は気付きが多いし、理解が深まるだけでなく、全体の構造がみえてくるので、自分の問題意識と有機的に繋がってくる。今回は再読と同じ効果があった。
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気鋭の思想家が、マルクスを読みます。
非常に興味深く読めましたが、私、資本論、読んでないんです、すみません。
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私が大学で経済を学び始めたころには既にソ連は崩壊しており、マルクス経済学は斜陽であった。とはいえそこで使われている用語や経済思想に触れる機会はあり、いつかは読みたいなあと思ってはいた。が、流石に今更原典に当たるのは躊躇していたところ、ちょうどよくEテレで取り上げていたのでテキストを購入。今の日本経済の諸問題をマル経的観点で批判的に考察している。何とか読了して、マルクス経済学の考え方や道具としての分析の仕方、用語は有用だとは思う。でも、やはりどこまでも自分は資本主義経済の学徒であり、自由主義経済にシンパシーを感じているのだなとよくわかった。