紙の本
懐かしの時代の、作り手達の葛藤。
2021/01/05 09:12
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投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃、ウルトラシリーズは好きだったのですが。
「怪奇大作戦」は、なんか怖くて少ししか見ていませんでした。
その中で、「ウルトラセブン」から「マイティジャック」そして「怪奇大作戦」への。
作り手さん達の挑戦を解説している本書は、読み応えたっぷりでした。
当時や数年後に出た関連書と共に読んでいくと、さらに色々発見がありましたね。
特撮好きには、ホンマたまらん本でした。
その後の円谷プロの動きも知りたいので。
続編が出たら嬉しいです。
満足の一冊でした。
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1968年9月15日、第1話「壁ぬけ男」の放送で円谷プロの新シリーズ「怪奇大作戦」は幕を開けた。怪獣も宇宙人も登場しない新路線に戸惑っていたのは、視聴者だけでなく、金城哲夫をはじめとするスタッフも同様だった。一方で「マイティジャック」の失敗が、若き才能が集う“梁山泊”の先行きに暗い影を落としていた。それでも彼らは、切磋琢磨の中から、テレビ史に残る珠玉の傑作を送り出していく…。前3作で圧倒的評価を得た著者が挑むドキュメンタリー第4弾。
当然のことながら、第24話の存在はなかったことにされています。
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「怪奇大作戦」は超トラウマドラマでした。ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンを幼少期の主食として育った自分が、キャプテンウルトラによって、アレ、なに、今度のテレビ、ちょっと味が違う、子供っぽい、と思った時に、作っている会社が違うからだ、と気づいたのが円谷ブランドを認識した最初でした。だから、たぶん少年マガジンのグラビアかなんかで、またその次回作が円谷モノになる、ってことは知っていてものすごい期待で日曜日7時の「タケダ、タケダ、タケダ」にチャンネルを合わせたのです。だけど、今度はヒーローも怪獣も出ず、だけどガッカリはせず、怖くて怖くてドキドキし、なんか大人の感じに親の視線が気になり、かぶりつくというより恐る恐る見て、わからないストーリーは翌朝学校へ行って、大人びた友人に聞く、という感じでした。なんだか、今までは子供用の雑誌を読んでいたのに、お父さんの持ってくる週刊誌を開いているような気分になりました。テーマソングのインパクトも凄くてギャー!という叫びも脳に溝を刻んでいます。なので、その後も再放送みたり、また「京都買います」「呪いの壷」のVTRを持っている人に見せてもらったりする、常に気になる作品なのであります。そこに、このマニアック本。テレビ番組を作り出すとはこういうことなんだ!という制作の悶絶が記載されています。オンエアからほぼ半世紀。関係者も消えていく中で、ギリギリこのような本が残されることが「怪奇大作戦」の凄さと幸せなのだと思いました。「怪奇大作戦」の直前の「マイティジャック」の失敗も記述されていますが、ともに挑戦しているのは子供向けだけじゃない特撮。「怪奇大作戦」がオンエアされた1968年はマンガを卒業しない子供たちに向けてビッグコミックが創刊された年です。大人と子供の境目が揺れ始めた時代の記録としても書かれてよかった本です。脚本家の上原正三の成長に光を当てているのもマニアックで、「怪奇大作戦」12話「霧の童話」に出てくる少年とヤギに、去年坪田譲治文学賞を受賞した「キジムナーKids」のペーグァとメェ助をダブらすのも、作者、スゴイ!と思いました。
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ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンの三作品ほどは
残っている資料が多くはないらしいので仕方ないこととは
言え、今までの三冊に比べると内容が薄い気がする。今度
機会を見つけて「大全」の方も読んでみよう。