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『危いことなら銭になる』の原作。ちょーど、読んでる時にガラスのジョーを演じたエースのジョーの訃報を聞いちゃったわ。
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紙幣づくりに使われる紙が大量に強奪された。
これが意味するものをいち早く察知し動き出した近藤だが、ライバルの土方も同じく動き出していた。
二人はある家の前で鉢合わせ。家の主人は坂本という老人で、彫金の名人である。
というはじまり。
軽やかに男や女が金を目当てに入り乱れて、誰が追って誰が追われているのやら、その間にもふざけた会話が飛び交って、まぁまぁの死人も出るというのにコミカルな仕上がり。ただし、書かれた1978年という時代を反映して風俗を表す言葉が古くてよくわからないのが難。映像で見るとちょっとしゃれた軽いノリがかっこよく表現されるのだろうなと思っていたら、どうやら映像化されている模様。
主人公の近藤は、宍戸錠さんだそうです。
近藤、土方、沖田、友子の組合せはなんとなくルパン一味のようだとも思ったのですが、それぞれ敵同士(友子は近藤サイド)というこれもなかなかいいカンジ。
登場人物の名前がなんつーかよくあるなぁと感じていたら、なんとどんぴしゃ、作者先生が「そのころ登場人物の名前を考えるのが面倒だったから」となんとも正直にあとがきに書いていて、笑ってしまった。
プロにもそういうことがあって、そういう時によくある新選組の名前とかって便利なんですねぇ。そうかそうか。おもしろw
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気の効いた小粋なジョーク、ウィットに富んだ会話の応酬でスピーディな展開のギャング小説だった。宍戸錠主演で日活映画化もむべなる哉。
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贋札作りによる大儲けを企んで、一癖も二癖もある悪党どもが入り乱れる笑い満載、スリル満点のサスペンス。とにかく物語の展開がスピーディで、次々起こる思いがけない出来事に振り回され、いったい何が起こっているのか、誰が裏で動いているのかがまったく読めません。そして最後に誰が笑うのか……はまあ、一応主役がいますからねえ。でも油断はできない、と。
しかし読み終えてよくよく考えてみると、かなり凄惨な物語でもあるんですよね。あっさりと描かれているからあまり思わなかったんだけど、実は人死にが尋常じゃない(笑)。普通、笑える話にならないよなあ、って思うんだけど。読んでいると笑えます。悲惨さのかけらもありません。凄い。
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筆者:
昭和四年七月六日、東京に生れる。十九歳のころより、さまざまな筆名で小説を発表。昭和三十一年から昭和三十四年まで、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」日本語版の初代編集長をつとめ、翻訳ミステリの紹介に多大な業績を残す。その著作・評論は、後進の作家に影響を与えつづけている。
おもな著書に、『やぶにらみの時計』『七十五羽の烏』『猫の舌に釘をうて』「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズ、評論集に『黄色い部屋はいかに改装されたか?』『死体を無事に消すまで』など。
「キリオン・スレイの生活と推理」「75羽の鳥」「未来警察殺人課」レベルの出来映えを期待するとガッカリする作品です。気になったのは、作者のあとがきでタイトル名を字数で考えている旨を吐露していますが、どこまで本気なんだか・・
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先に『悪意銀行』を読んだ時は今ひとつのめり込めず仕舞いだったが、こちらの『紙の罠』にはだいぶしっくり来た。
例の贋幣事件の顛末や友子にまつわるくだりなど、スッキリ解決。
物語の始まり方はかなり唐突。
バタバタっと飛び出して行ったが最後、二転三転する事件の渦に雪崩式に巻き込まれていく。
頭が切れて弁が立って格闘もこなせる主役に、度胸にセクシーさに情も備えた美女の相棒、襲いかかる手強い刺客たちは勿論のこと狡猾で冷酷なボスも登場、窮地に加勢する味方…とまさに「定石」のキャラクターが配置される。
そして彼ら彼女らが繰り広げるアクションとコメディとセクシー要素が見事にミックスしたものが一話目「紙の罠」。
二話目「NG作戦」も思わせぶりな開幕に謎の立て籠り事件に爆破予告と短編ながらそそる要素てんこ盛り。
ただ種明かしが拍子抜けというか、いま一歩スッキリ出来なかったのが残念。
p42の「五人を相手に〜十二、三の女だったけれど」の部分、更に前日譚があるのか…?
1刷
2021.9.25
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たまたま何かの小説(たぶん石持浅海作品)の解説に、著者の名前が紹介されていて興味を持ち、図書館で借りて読んでみた。
古めかしくて、「いつの時代?」と思わず書かれた年代を確認してしまうほど。
携帯もUberもない時代、連絡や移動手段の確保が大変そうだな〜なんて現代っ子丸出しの感想を抱く。
まず目次から面白い。
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第一章
ここではとんびが三羽よって
あぶらげのさらいっこをする
第七章
ここでは角砂糖の用途がわかり
近藤は三度目の気絶をおこなう
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といった感じ。どういうこと?と思いながらもワクワクするし、全て読み終わってから目次に戻ると、「確かに」と唸ってしまう。
次から次へと予想できない出来事の連続と馬鹿馬鹿しい展開に、伊坂幸太郎の『陽気なギャング』をうっすら思い出した。
特に、ラストの以外すぎる人物との対決には笑いが止まらなかった。ぶっ飛んでる!
令和のコンプライアンスにがんじがらめなテレビドラマに慣れ切った感覚で読むと、バンバン人が死にまくって不謹慎極まりないし、無駄としか思えないお色気描写など、フェミニストが激怒しそうな表現が盛りだくさんでとても新鮮だった。
感圧の解説で、宍戸錠さんと浅丘ルリ子さんで映画化したと知り、なんとなく納得。
好きか嫌いかで言ったら全然好きじゃないけど、最後までページをめくる手が止まらないほど引き込まれたし、面白い読書体験だった。
普段読まないようなジャンルもたまにはいいな、と思えた。作中に登場するようなレトロ喫茶にふらっと行ってみたくなった。