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六〇年代東宝活劇映画のノリ。よく考えてみれば、都筑氏自身が脚本などで関わっているんだから当然なんだが。異常なまでにドライかつシニカルなスラップスティック・アクション・コメディ。流石に人を選ぶ気はするが、アイデアの乱れ打ちはお見事というしかない。
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一匹狼のトラブルシューター片岡直次郎が活躍する活劇シリーズを集めたもの。片岡直次郎は歌舞伎の題材にもなった江戸時代の実在の悪党と同姓同名で作中でも毎回のように引き合いに出されるが、作品が発表された60年代末とは違い現在ではほとんど忘れ去られた存在であることに時代を感じる。
内容は軽い感じの犯罪活劇といった感じで、割と出だしから思わぬ方向に話が進みがち。ちょっと主人公の片岡直次郎のキャラクターが薄く感じてしまうのは今読むからだろうか?
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推理ものではなくスパイもの。都筑道夫は洒脱なイメージがあったが、流石にレトロな感じは否めません。主人公の設定はやや中途半端と思いました。シリーズが短命に終わったのもうなずけます。シリーズ本編の原型になった短編2作が収録されておりマニア向けの資料的な一冊。
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合法な物から違法なものまで、さまざまなトラブルを解決する片岡直次郎。彼に持ち込まれるさまざまな無理難題が、思いもよらぬ方法で次々と解決されていく、スリリングで痛快な作品集。
読み心地は実にコミカルです。なかなかにシリアスなシーンなはずなのに、どこかしらユーモラス。殺伐とした部分もあるのに全くそう感じさせられません。依頼人の腹黒さもさながら、片岡直次郎もまたかなり悪党めいたところがあるのだけれど、あっけらかんとして全然嫌みがなく、魅力的に感じられます。
どれも予測不能な展開で楽しめる物語ばかり。中でもお気に入りは「俺は切り札」。二転三転の展開にまったく先が読めません。そしてこのラストシーンのあまりのシュールさと滑稽さには目が点になりました。なんてことするんだ!
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お金をいただければ合非問わず引受ける「何でも屋faa 片岡直次郎」
“007”張りの活劇ちょいワルオヤジの短編集
電子機器は一切出てこないのに全く違和感はなく
タイトルも今風
名作は時代を超えるものだなぁと深く感じ入りました
ラストは短編をハードボイルドにしたショートショートでまとめられ、幾重にも濃い作品です
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今読むと昭和レトロな短編連作。一匹狼・片岡直次郎のトラブルシューター活劇。江戸時代に実在した小悪党と同姓同名らしい。大悪党でないところがポイント。基本的に利益優先で、己の不利にならない程度に仕事をこなし、据え膳は食う。犯罪の片棒を担ぐような依頼も受けるし、バレない程度に現金や宝石をくすねるあたり、まさしく小悪党。欲どおしい人たちばかりで、誰が何をしでかすか読めない展開がおもしろかった。