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設定からして犯人探しだと思い込んでしまいました。命日に一日だけ戻ってくる葉子が寄り道ばっかりしてるように見えて、本筋はどうした!と思うこと度々。前もって解説の「死んでから成長する物語」というのを読んでおけば良かった。その視点で読み返せばもっと楽しめるかもしれません。元々サイコな作品を書いている方だそうで、確かにあまり言いたくないような自分の中の悪感情が描写されます。3年目のラストは夢に出そうなくらい怖かった。心理的に不安定な時は読まないほうがいいかもしれません。
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いきなり本人死ぬとこから始まるのでホラーってことになるのかしら。そういう感じでも無いんだけど。自分の命日に、他人に憑依してこの世に戻ってしまうの。で、自分が居なくなって、残された家族が恋人がどんなにか嘆き悲しんでいるかと思えば、恋人と妹が結婚するとか言ってるし。最初は、生きている者たちへの嫉妬みたいのがあるんですが、だんだんに受け入れて行く、死後の成長物語。
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「あなたの大切な一日、私に下さいませんか」―三十五歳の会社員・楠木葉子は、父亡き後、母と妹を養ってきたしっかり者。結婚を考える恋人もいる。そんなある日、葉子は、帰宅途中、胸を刃物で刺されて死亡した。が、一年後、山の手線で別の女性の身体を借りて、この世に戻ってきた。葉子は恋人のことを気にかけながらも、母と妹が住む自宅へと向うが、そこで待っていたものとは…。現代に生きる女性の揺れ動く心情を繊細に描く、切なく優しくサスペンスフルな傑作長篇。
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初めて読んだ作家さんです。実はサイコホラーの名手だそうな。知らないで読んでしまいました。ホラーは苦手なんですよ。幸いこの作品はホラーではありませんでしたが、ちょっとぞくっとするようなところがありました。死んだ人が生きている人に憑依するという設定はよくあると思うけど、死んだ本人、その家族、憑依された人、それぞれの人生を巧みに描いていて、ひきこまれました。自分が主人公になった気持ちで、後半はかなり怖かった!
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ファンタジーめいた物語。死者の魂が他人に乗り移って戻ってくる……といえばホラーっぽいのですが。これはなかなか穏やかな物語。
ただ、穏やかなばっかりではすまないんだなこれが。現実の痛み、というものが描かれている気がする。下手に死後戻ってくるよりはあっさり成仏した方が幸せじゃないか? などと思ったりもするけれど。知ることで良い面もあったのかな。
このラストは……個人的に凄く好きですね。ここで終わらせるか!
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設定が面白くて、読みやすかった。犯人がわからないままだったけれど、それもありかなと思わせる作品。妹は最後まで好きになれなかった…。
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通り魔に殺された女性・葉子が一年に一日、自分の命日の日に別の女性の身体を借りてこの世に戻って来る。自分の家族との葛藤とか恋人への思いなどが伝わって来る。身体を取られた女性たちの人生も描かれている。
重いテーマかと思いきやストレートな読みやすい文章で、読後感は悪くなかった。しっかりものの長女の葉子と自立出来ない妹の夏美の関係を軸に物語が進む。
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読もうと思って以前に購入していたものを正月休みに一日で読了。
感動物語を期待してましたが、残念ながらそういうありきたりなストーリーではなかったです。
こういう切り口も当然あってしかるべきですが、あまり心には響かなかったです。
女性向けですかね。
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通り魔によって殺害された楠木葉子が、毎年命日に生きている人の身体を一日借りて、自分の死後の世界を確認するっていうサスペンスちっくなストーリー。
設定が面白くて、読みやすかったけど、ちょっと期待とは違った展開。
私達が生きている1日の大切さを直接的に語りかけるのではなく、自分がいないとダメだと思っていた世界が、いなければいないでなんとかなる、っていう切ない感じ。
でも、だからこそ自分がどう生きた いかを改めて考えさせられる。
終わりかたが、モヤっとしたけど、これはこれでいいのかもしれない。
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通り魔に殺されちゃった主人公が、
なぜか命日に、誰かの体に乗り移って、一日だけよみがえる。
残された家族のもとへ行き、彼女を待っているのは。。。
家族なりの愛憎、婚約者への想い、体を借りる誰かの人生。
幽霊なのに、生々しく、愛に気づいたり傷ついたり。
じんわりするような、やっぱ死んだらおしまい的な感じもするような。
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数年前に結婚間近のOLが名古屋のトンネルで殺害されるじけがあったけれど、あらすじからその事件を思い出して手に取った一冊。感想としては、後味があまりよくなく、話自体もなんだか中途半端な感じ。福田和子とこととしか思えない人を登場させたりも。どのエピソードも深堀しきれておらず、不完全燃焼。
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主人公は強盗に殺された被害者女性という刺激的な設定で展開が気になるあまりどんどん読んでしまった。良く考えられているお話。残念だったのは登場人物の誰にも共感できなかったこと。「リプレイ」の一変形のようにも思いました。
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殺人事件に巻き込まれ殺された主人公が、命日の日に山の手線で、人の体を使って生き返る。
でも借りてる体が寝るまでの一日限定。
残した家族や、婚約者の元に行き、その後の家族の消息を知る。。。
そこには、衝撃的な事実が
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夜道で殺害された女性が、命日に別の女性にたった一日だけ憑依するという話。最初は一年に一度だけ他人の身体を借りて、自分を殺した犯人を探すミステリかと思ってましたが、死者の視点で生者の姿を見つめる異色のヒューマンドラマ、という印象を受けました。
期待していた内容と微妙に違ってたので、犯人が誰か分かっても溜飲が下がることはありませんでしたが、個人的にはさほど残念な読後感はありませんでした。
「どんな人に憑依したのか」「前回憑依時から家族はどう変化しているか」「時間が止まった死者が、時代やテクノロジーの変化に驚く場面」など、興味を持って読むことが出来たポイントがいくつかあり、楽しんで読むことが出来たと思います。
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家族を守るしっかり者の女性。自分が殺されてしまい犯人は捕まらず、婚約者や家族のその後が気になる思いで、他人の身体を使って命日にだけこの世に戻ることができる。
家族や友人、恋人の本音やその後に傷ついたり悩みながらも生きている人間へのエールに変わっていく心情の描写に注目。
お話の設定はなかなか面白くて良かったのだけど、それぞれのストーリーが浅いままになっちゃったのが惜しい感じがした。