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シリーズものとは露知らず、この『悪意銀行』から読んだので所々過去の出来事の描写に「?」となったが解説を読んで納得。
単体でも十分楽しめるが、素直に順番通り読むが吉。
近藤・土方コンビが登場する「ラクゴシック・スリラー=落語的アクション」小説の表題作。
冒頭シークエンスからユーモアとジョークを織り交ぜつつ、恐ろしい程の速度でストーリーが進行していく。
歯切れ良く軽妙なセリフの応酬の一方で、地下道での銃撃戦はかなり凄惨な大抗争。
パロディ元の「善意銀行」という言葉は初耳。
2作目はスリルとアドベンチャーに憧れる夢想がちな資産家の息子を近藤・土方が矯正する、という一風変わった導入。
なんということもない仕事だった筈が、あれよという間に混沌としていく様に呆気に取られる。
マシンガンのようなテンポで事が進むドタバタ劇。
人間ドラマとかそういうのはさておき、とにかくアクションとチェイスを楽しめる一冊。
1刷
2021.9.25