投稿元:
レビューを見る
ホームレスは常に飢えに苦しんでると思ってました。
しかし実際は炊き出しや自治体のサービス等のセーフティーが充実しており、意外と生きていくには困らないようになっていて
自分の思ってるホームレス像とだいぶ違う印象を受けました。
普通に暮らしているとホームレスに対して可哀想とか感動ポルノとかそっちに繋げたくなりますが本書ではそんな部分は無く、ただただリアルなホームレスを感じれます。
最後の章にも少し出てきましたが、どこにいっても「情報弱者」は良い事無いので気をつけようと思いました。
投稿元:
レビューを見る
薄々わかっていたのだ。やはり真に困窮した路上生活者は刹那的にしか存在していないと言う事実。
不潔さや匂いや世間体や他人の視線や自尊心の葛藤。そんなことに多少耐性があればむしろ快適で栄養過多で持て余す時間を抱えた自由な暮らしである。
社会的に言えばセーフティネットはもちろん必要でこれを無くしてしまえばわずかばかりとはいえ確実に困窮している人たちを救うことはできないだろう。
そしてそういうシステムには必ず余剰が生まれ、そこには喜怒哀楽を伴った社会的な共同体が生まれてしまう。いや悪いことではない。筆者の言うように、ここまで養生があるセーフティネットを整備できる日本は確かに成熟した国なのだと思う。
自由とか幸せとは一体何だと言う究極的な問いも内包している。
投稿元:
レビューを見る
これこそノンフィクション、いや敢えてルポルタージュと言おう。社会の最底辺と思っていたホームレスの驚くべき生活・実態が赤裸々に綴られている。もっていたイメージが崩壊する衝撃に言葉もない。これぞルポの醍醐味。
投稿元:
レビューを見る
自分が何に惹かれてこの本を手に取ったのか。
それを問い直すところからはじめたい。
路上生活、つまりはホームレスへの関心は長いことある。坂口恭平の3万円モバイルハウスからはじまり、お金のこと、家のことを考えるときに、そもそも、それらは必要なのかを省みるときに、いつだってホームレスの存在があった。
不潔とは思わなかったが、その路上にいて、普通の人間生活ならざる、佇まいがいつだって僕の脳裏に焼き付いていた。
フィクションよりはノンフィクションに興味はある。ある現実を、ある偏見をもったひとりの人間が描き出す。それを見るのが面白い。観察する対象だけでなく、それを書く人もまた観察する対象になる。
内容のボリュームや筆致は思っていたほど鋭くはなかったが、日記調で書かれており、スピーディーに読むことができた。1時間ほどでもよめるだろう。
いつかみたキリスト教系の上野公園の炊き出しの風景を思い出す。あの景色のなかに、本で登場した人が僅かにでもいるかもしれない。
ホームレスは自由だ。
僕はまだそう思っている。
現実は制度や人の恩恵にあずかっているだろうが、それでも生きていける。そのエッジに住む人たちえの関心はまだ続いていくだろう。
投稿元:
レビューを見る
〈ホームレスは果たしてどんな状況に置かれているのか?〉
2021年、東京の路上で約2ヵ月間をホームレスとして過ごした
ドキュメント。
生活保護を受給し、炊き出しに並ぶ。
アルミ缶を山のように積み上げ
自転車で移動するホームレスの姿。
ここには、本当のホームレスが書かれている気がした。
読んでいて(え?どういうこと?)が頭の中を占めていく。
生活保護も炊き出しも、本当に困っている人を助けるための制度。
國友さんも書いているが
〈不正をする人のことをメインで考えていたら、救いたい人を救えない〉
もう「ホームレス」と一括りでは言えない気もする。
投稿元:
レビューを見る
案外食べるものには困ってないんだなというのが驚き。以前はもっと近所にもたくさんいて、近くの河川敷にも家があったけど、河川敷の工事やらでいつの間にかいなくなったなぁ…。
投稿元:
レビューを見る
2021年の日本経済は、前年に続きコロナ禍で大荒れだ。
その煽りで、どうしようもなく路上生活、いわゆるホームレスになった者もいるだろう。
著者は、ホームレスの実態がどうなのか、自ら東京の各地で2021年7月23日〜9月23日までの約二か月間をホームレスとして過ごした。
どうやったら暑さを凌いで、少しでも快適に路上生活できるか、どこで炊き出しをやっているのか、どの地区が雨風凌げるのか…などなど。
やはり、これも情報がないと何も分からず、食べものにもありつけないということ。
そして、ホームレスであってもコミュニティーがなければ、上手く生活できないのだろうということ。
なりたくてなっているわけではないが、抜け出せない人。
すべてを諦めている人。
確かに一括りにして、ホームレスはこうである…とは
言えない。
投稿元:
レビューを見る
読んでビックリだった。
自分がイメージしていたホームレス生活
とは違っていたから。
食事に困ってる人はほぼいないし、
あえてホームレスを選んでいる人も
いるらしいこと。
いままでなら不憫な眼差しで観ていたような
気がするけど、そんな目でみなくて
良いのだと思った。この生活を選択したんだと。
それは性善説に基づいて、宗教団体や
ボランティアの方々が彼らの生活を
支援してくださっているからなのだけど。
ホームレスの方々に貧困ビジネスには、
ひっかからないようにして!と思った。
投稿元:
レビューを見る
新宿西口、上野駅前、荒川河川敷など。ホームレスの生活を実際に体験する2ヶ月のルポルタージュ。
オリンピックが開催されている頃、ホームレスを体験する。炊き出しや無料シャワーなどの支援もありつつ、一方では生活保護者を食い物にする貧困ビジネス。
出身が西新宿なのでホームレスはある意味身近な存在。公的機関のほか、ボランティアによる支援がことの他充実している。
投稿元:
レビューを見る
2021年夏、オリンピックの年。東京でホームレスとして過ごした著者のドキュメント。
前回に続き飾らないルポが面白かった。
意外に快適に過ごしているような気配もあったけど、実際自分には真似できない。
黒綿棒さんとの再会や、最後のおとなりさんとの別れが、切なかった。
宗教関係の炊き出しで、布教活動の一環であるのが驚き。考えてみればそりゃそうかと納得なのだけど、自分は全くと言っていいほど無宗教なので、そこまでして布教するもんなんだなと思った。
価値観は人それぞれだな、と改めて思った。
冬の生活も読んでみたかった。
また、皆がどうしてホームレスになったのか、もう少し深く知りたいと思った。難しいかもしれないけど。
投稿元:
レビューを見る
2ヶ月間、ホームレスとして路上生活を送った
体験記です。
まさに究極のノンフィクションです。
ホームレスたちの視点からすると、生活保護を
受けるのはホームレスの「成れの果て」らしい
のです。
つまりホームレスは生活保護者に対して、「あ
あはなりたくない」と思っているそうです。」
生活保護を受給するためには家を借りなければ
ならない。それには当然家賃が必要ではあるが、
住環境はフロトイレ無しなので、ホームレスと
変わらないそうだ。
また生活保護は貧困ビジネスの餌食になる恐れ
もあり、かたくなに生活保護を拒むホームレス
もいるそうです。
ある著名人が「ホームレスなんて支援するな」
と言って炎上したことがニュースになりました
が、確かに色々な手厚い保護があり、ホームレ
スが飢えることはないようです。
むしろ食べきれないくらいの食料配給もありま
す。
それを「やりすぎ」「甘やかしている」とみる
か、本当に必要としている人に届けるには、そ
のくらいしないといけない、とみるかは意見が
分かれるところです。
ただ読んでいて感じたことは「ホームレス」に
陥ったのではなく、その生活を自ら選んでいる
人が一定数いることです。
その時には「幸福って何?」と考えさせられる
一冊となります。
投稿元:
レビューを見る
以前幡ヶ谷に住んでいた為、新宿に出向く機会が多く、ホームレスをよく見かけた。
確かに区画によってカーストがあるような感じもしたが実際にそうだったのか。
この本が書かれていたであろう時期にも何度も新宿に行っていたので、もしかしたら黒綿棒や著者に遭遇していたのかもしれない。世間は狭い。
幡ヶ谷の女性殺〇事件の事も書かれていて、当時よく通っていた居酒屋のママさんがインタビューされていた事を思い出すなどした。
炊き出しに何度も訪れる人が居るというのは知っていたが、あそこのはダメ、ここのが美味しい、お小遣いが貰えるなどという事は知らない情報だった。
また、炊き出しにはホームレスしかいないと思っていたのだが、生活保護受給者もかなり多く含まれていて何のための保護を受けているのかと何に対してか自分でも分からない憤りを感じた。
無知とは恥ずかしいものである。
ポケモンカードは趣味でやっているが、本当に本当に買えない時期があった。
元は子供向けのおもちゃなのに大人達がムキになってしまう程に。
ヨドバシカメラの列にホームレスを雇って買いに来ている転売ヤーが居るというのも知っていたが、まさかお小遣いまで貰っていたなんて!
大体平日にゲリラで販売する事が多い為に平日出勤の社会人は勿論行けない。
買えない怒りから転売ヤーに雇われていただけのホームレスを憎む時期もあったが、本は面白く読めた。
また、著者の友達となる人物の個性が豊かで面白かった。
投稿元:
レビューを見る
1992年生まれ、筑波大卒、國友公司「ルポ路上生活」、2021.12発行。貧困の最前線とも言えるホームレスは一体どんな生活をしているのか。2021年7月から9月までの約2か月間を、都庁下、新宿西口地下、上野駅前、上野公園、墨田川高架下、荒川河川敷の6つのエリアで過ごした。そこで見たホームレスの生活を描いた書。飯は困らない。冬よりも夏がきつい。空き缶拾いで1日3000円程度。年金ホームレスは生活保護を受けない。(12~3万円から年金分は引かれる)女性にとってはホームレスはリスクが大きい。
投稿元:
レビューを見る
面白い。
面白いと書くと不謹慎だと叱られそうだけど。
Twitterで排除アートとかの活動をしてる方と意見交換したい内容。
ホームレスにもプロとアマがいるんだなぁと思いました。
投稿元:
レビューを見る
2022,23 図書館
ルポ西成著者の新たなルポで楽しみにしていたが、予想通り面白かった。
自分と同年代の人が実際にホームレス生活をして、ホームレスの人たちの交流や生活を通じた生のルポが読めるのは本当に興味深かった。
・都庁や新宿上野周りで意外と食には困らない
・冬より夏がキツい(寝袋や防寒具をもらえる)
・空き缶集めはホームレスの中でもかなりガチ勢
次も何かルポが出たら読みたい