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ニュートンがTSF(性転換するフィクションジャンルのこと)して異世界転生し、偽物エルフとして異世界の人間領地で経済無双する物語シリーズの1巻である。
基本設計をまとめただけでだいぶ濃い感もあるが、内容もまた大変濃厚な作品である。
基本的にコメディで展開するこの物語だが、モチーフとなるアイザック・ニュートンの生涯を紹介する意味で、この作品は非常に濃い。
彼がイギリスの造幣局で長官をしていたという事実からして知らない身からすると、生身のニュートンの姿は実に刺激的だった。
まずプロローグの最初の一文、彼の幼少期の日記からの引用からして痺れる。
ここでグッと物語に引き込む腕前には、率直に感嘆させられた。
そしてこの物語は、ニュートンと同時代の偉人を題材に、初頭の金融を学べるラノベとしても優れている。
エルフの森に隣接する辺境領へとひょんなことから移住することになり、そこで商会を打ち立てて無双するニュートンだが、その手法は実にロジカルだ。
良質な異世界チートの体裁を取りつつ、そのバックボーンに経済史を据えている点は非常に興味深く、知的である。
コミカルな物語像に、中世風異世界らしい乱暴な展開も挟み、物語はダイナミックに展開している。
世界観を説明するにふさわしい一巻であり、以降のシリーズ展開が楽しみになる一巻でもある。
経済面、世界観、各キャラの思惑や特性の紹介と物語が多岐にわたるだけに、どうしても(シリーズの)プロローグ的なニュアンスは濃い。
しかし、するする読ませる文章の上手さ、展開の上手さが楽しく、実に楽しい読書をさせていただいた。
文句なしに星五つ、もっと言うと星六つで評価させてもらいたい一巻である。
なお、星一つ分の追加はにゅむさんの素敵なイラストに添えている。
特に目次ページの非常に腹が立つSD化された主人公は大変良かった。大変素晴らしいドヤ顔である。
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えっ、どうしよう、面白かったんだけど。
文章のノリと出オチだけでここまで面白くなるとは思わなかった。しゃーないから2巻も読もう。
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「数字で救う弱小国家」の作者の最新作。
作者らしく非常に読みやすかった。
アイザック・ニュートンが美少女エルフに転生し辺境の街で経済を回す異世界物語。
星の数ほど異世界転ものあれど有名人の転生ものって意外と珍しい気がする。
しかもニュートンなのに科学方面で無双するんじゃなくて経済や商売方面でチートすると言うのがなかなか意外で面白かった。
時折挟まれるニュートンのエピソードも新鮮で、へえ彼ってこう言う人物だったんだと知れて愉しかった。
まあ美少女エルフ設定はあんまり活かされてない気がするけどね^^