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scrap&buildのイオン、ドミナントのイトーヨーカドー、手を広げすぎたダイエー。結局店舗の成功不成功は店の新しさによるところが大きい、という内容でちょっとせつなくなったけど、軽く読めた割りに非常に面白かった!
イトーヨーカドーの交差比率が長年かなり良かったのも、初めてしった。
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C3034 3つのお店に行ったことがあるなら、楽しく読めるのではないでしょうか。攻防ではなくて、興亡なのは業界自体がダメだという認識だからです。幹部へインタビューしているのですが、そんな感じがまったくしないのは意図的なのでしょうか。
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なぜダイエーは潰れたのか?をイオンとヨーカドーとあらゆる視点で比較した論文みたいな本。よくここまで分析したな、と感心です
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個人的には大絶賛。
会社の仲間には、絶対にお薦めしたい本です。
リアルには、偉そうなことはするのが嫌なので、薦めたりはしないですが、
見た人は是非読んで見てください。
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私が今使っているスーパーは近くの「サミット」というところですが、神戸出身の私は、以前はよく「ダイエー」を使っていました。
私の高校はダイエーの生みの親である中内氏の出身校ということもあり、ダイエーには親しみを感じていましたが、ダイエーが多角化を進めて最後には産業再生機構にお世話になったことは残念でした。
この本は、ダイエーとその競合相手である、ヨーカ堂やジャスコがなぜ同じような道をたどらなかったのか、経営戦略を中心に、それも若い大学のゼミ生達が解説しています。
診断士の勉強をしたことのある私にとっては、興味の持てる内容が多かったです。特に、経営トップの考え方を理解するために、彼らの生い立ちやインタビューをして、その原点を探ろうと姿は素晴らしいです。
以下は気になったポイントです。
・「ゆとり世代」が生まれたのは、日本が世界の先頭集団に追いついた以上、未開の荒野を開拓できる人材を育てていかないと先人が考えたから(まえがきp4)
・日本の小売業が発展したのは第二次世界大戦後、それまでは百貨店しかなかった、三越呉服店が1904年に日本初の百貨店をオープンした(p11)
・日本においてマニュアルに重点が置かれないのは、1)非常事態などの処理に時間がかかる、2)仕事のノウハウが十分に伝えられないから、である(p20)
・POSのデータでは、購入されていない商品の情報がわからない、どんな商品をどれだけ買っているかしかわからない(p23)
・地場スーパーを検討から外した理由として、総合スーパーと地場スーパーは厳密には戦っている土俵が異なるため比べるのは不適切である(p58)
・店舗間競争では、店長さんや店員さんがどれほど頑張っても、新しいお店には敵わない、いかに下げないかという面でしか貢献できない(p77)
・出店に関する戦略を一言で表現すれば、規模のダイエー、集中のヨーカ堂、転換のジャスコ、である(p82)
・ジャスコが多くの店舗を他と比較して出店できるのは、土地をリースしているから、新規出店の60%以上(p86)
・ダイエーは他社との合併を多用していたように、競争力が低下した古い店舗を閉店するという考え方がなかった、それ以上に店舗数が増えるメリットが大きいと考えていた(p88)
・ヨーカ堂の出店政策は、競合店を出店させない、ある地域に集中的に出店して、その地域を制覇するドミナント出店を実行するとともに、ショッピングセンター化(テナント収入)を進めた(p96、98、161)
・販間費の使い方は、従業員重視のジャスコ、顧客とのコミュニケーション重視のヨーカ堂、削るしかなかったダイエー、となる(p109)
・自己資本率を高めるには、1)新株発行で自己資本を増やす、2)配当せずに内部留保、3)負債圧縮、がある(p116)
・財務分析からわかる戦略としては、「売上を目的として負債を利用した拡大路線のダイエー」「自己資本比率アップによる利益率重視のヨーカ堂」「デベロッパー業にも力を入れ利益を得てきたジャスコ」となる(p122)
・90年代初頭のカテゴリーキラーの台頭により、総合スーパーに残ったのは最も利益を稼げない、客を引き付けるための手段であった食料品だけになった(p156)
・ヨーカ堂はコンビニ(セブンイレブン)、ジャスコではデベロッパーという総合スーパーとは異なる事業が主力産業になっているのに対して、ダイエーは総合スーパーだけしか残らなかったので潰れてしまった(p168)
・ダイエーは松下電器が指定する割引許容範囲を超えて、30%以上引いて売り続けたので、松下はダイエーに対して出荷停止措置、それに対して告訴(独占禁止法違反)した(p177)
・ダイエーの合併は吸収合併がメインであるが、ジャスコは対等合併(地方の有力地場スーパー)、ヨーカ堂は合併をほとんどしていない(p182、199)
・全盛期の鈴木商店の売上は当時のGNPの1割以上、多角化の結果、アサヒビール、帝人、神戸製鋼所といったその流れをくむ企業を残した(p185)
・中内氏は、幼少期の貧しさと戦争での飢餓体験、戦友の飢えによる死が「安売り」という確固たる事業感をいだかせた(p189)
・ジャスコはコンビニ参入が遅かった(1980年)、業態も完全なコンビニではなく、ファーストフードとコンビニを融合させたコンボストアである(p197)
・ヨーカ堂は単品管理をすることで、売れる商品が多く売り場に並んでいるようになり、値下げをする必要が少なく粗利益を高く保つことに成功した(p219)
・ヨーカ堂がリース方式を導入することで、土地を担保に入れて借金することができないので、本業から利益をだしてリース料を払うことに留意する必要があった(p223)
・ヨーカ堂の挑戦する経営は、セブンイレブン創業、親会社の再建、セブン銀行の創業において、悲観論が主流であるなか挑戦して実績を出してきた(p231)
・サウスランド社の救済において大きな成功要因となったのは、単品管理の徹底のために発注権限を店の従業員に分担させたこと(p236)
・優秀な人材がいて有望な事業立地も存在したが、人材の配置を誤ったのがダイエーのがつぶれてしまった原因と結論付ける(p258)
・ゆとり世代は、総合学習の時間に、チームでアウトプットを出す訓練を積む中で、新たなチームワークのスタイルを身に着けた可能性がある(p263)
2011/7/17作成
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最近気になる三品和広先生が、ゼミの学生に各章を受け持たせて監修した本。ケーススタディーをゆとり世代学生にやらせたらこうなる、詰め込み教育でなくこういう生徒育成と採用が大事というのが裏主題。
本の袖に書いてある、マクロ解釈については先生の本を読むべきなのだなと理解。
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大学ゼミ生が分担して執筆した本。ダイエーがなぜ潰れてしまったのかという問いに答えるため、ダイエー・ジャスコ・イトーヨーカドーの三社を、様々な客観的指標や経営者の理念などの観点から比較している。問いを出すための論理展開は大学生と思えないレベルの高さだと思ったし、一方で大学生ならではの熱意やユーモアにあふれていてとても面白かった。
執筆した学生にとっても、研究・教育内容の公開=社会への還元としても、価値のある一冊だと感じた。
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大学生の時、漠然と流通業に興味があり、就職活動の選択肢として考えていたものの結局違う業界に就職してしまいました。
そんな自分に、気になるタイトルでしたので購入しました。
学生さんが書かれた作品のようで、またデータも古いものを結構使っていらっしゃるので少し残念。
最新事情で、アップデート版が出たら面白いと思います。
「ドミナント」戦略が地図で分かりやすかったのが一番心に残っています。