投稿元:
レビューを見る
著者の熊谷はるかさんは2003年生まれ。中学3年の2学期から3年間、父親の転勤でインドで暮らす。コロナをはさんで2021年6月に帰国。
題名にあるとおり、父が転勤するかも、という一報にアメリカか?と思っていたらインドだった、という愕然とした思い。そしてインドで常識ぶっ壊された、はるか氏。ぶっ壊され一回り大きく成長したはるか氏の3年間が綴られる。語り口は生きのいい、いまどきの高校生口調ながら、なかなか奥深く物事を見るJKであった。
先月、ラジオのゲストで熊谷さんがこの本や、インドでの生活を語っているのを偶然きいた。驚きばかりのインドでの生活、野良犬が多い、孔雀が普通にいる、環境。そしてインターナショナルスクールでの様々な国からの生徒たちとの生活。全く価値観や環境の違う生活の中で、次第にインドになじんでゆく様子を生き生きと、しかし鳥瞰して語っていた。
本ではさらに詳しく語られていたが、インドでは一般的ということで、運転手とお手伝いさんを雇っていた。それを「貴族生活ごっこ」をしているみたいだ、お手伝いさん、ダイレクトに言うと「召使い」だ、と述べ、自分のために何かしてくれる雇い人のいる生活、こんなことしていいのか、という思いが垣間見られる。
父親の会社では、インドの交通事情の厳しさから(道がデコボコ、道路には車が右往左往あふれているなど)父親自身が運転を禁じられ、彼女はそのお抱え運転手での通学。その車の窓には貧しい子供が施しを求めてトントンと手を出す。またインド人でも肌の色が白っぽい人は事務職に就き、黒くなるほど清掃などの仕事についている、など、インドの社会事情にも、複雑な思いで目を向けている。
「ごごカフェ」2022.7.20 NHK 読むラジル
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/gogocafe/r2tmRRHTSr.html
2021.12.30初版 図書館
投稿元:
レビューを見る
インド行ったことないしテレビで少し見たことあるくらいだけど、その場の情景が描けるほど詳細な説明と巧みな言葉使いで街並みが想像できた。
環境に馴染む力もすごいけど、住めば都
インドの社会問題を目の前に、一緒に悩めるほどの経験をするJK恐るべし。
投稿元:
レビューを見る
"I am doing my bit."(自分にできることをやっているだけだ)父親のインド赴任に家族帯同で行ったJK。所属していたクラブ活動の一環でスラム街に住む子どもたちと接することになる。そこで自分にできること、bitは何だろうと。JKはデルタ株が流行った頃に感染し、頬をつたうものに塩気がなかったと記している。そして赴任を終えて帰国するさい彼女の頬を伝ったものはしょっぱかったと。インドを河に例え、淡水から海水へと航る、この作家の締めの言葉に心打たれる。まだまだ可能性を秘めた年頃。これからに期待!
投稿元:
レビューを見る
スマホで手軽に全てを知ってる気になっていたけど、実体験に勝るものはないと思いました。著者の実体験を通して外国やそこに住む人への目線が少し変わりました。この気持ちを忘れないようにしたいです。私ができることは何かなと考えてみます。
投稿元:
レビューを見る
高校進級を目前にして、父の転勤によりインドで暮らすことになった著者。はっきりした階級差別、さまざまな肌の色や宗教や価値観にカルチャーショックを受け戸惑いながらも、著者は精一杯それらと向き合い、当たり前と思っていた事柄を見つめ直していく。スラムの子どもたちの支援に自分なりの答えを見出しかけたその時、コロナ禍がインドを襲い…。
自分自身もインドについて漠然としたイメージしかもっていなかったことに愕然とさせられた。執筆時は高校3年生ということだが、そうは思えないほど文章が上手く、すらすらと読ませる勢いがある。どんな分野に進まれるとしても、今後の活躍に心から期待したい。
投稿元:
レビューを見る
本当に女子高生なのか?と疑うくらいの流れるような文体と次々に起こる出来事の配置に驚いた
インドに来てイヤイヤ生活している自分
早く日本に帰りたい自分
もし日本にいて過ごす女子高生である自分
ぼんやり生きている自分
すべて心の中に住んでいて 俯瞰でながめている
今置かれている状況をどう捉えるかはその個人の自由だが 前向きに生きるという事や 今あるものを楽しもうとすることを自ら見つけていく10代の女の子に感動した いい育ち方をしているんだな
投稿元:
レビューを見る
こんな文章書ける高校生なんてすごいなあ。インターで英語に困っていないからおそらく海外に住んでいた事があったのでは?そんなことは関係ないか。それにしてもすごい高校生だ。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通りの貴重な体験談、情報量も多く良書なんだとは思うけれど…
主観での語りが私(中年のおっさん)にはとても読みづらくて通読を断念。飛ばし読みになりました。
もちろん主観であることこその本書の主旨だし、JKなんだから大人のような文章なわけない。
同年代の方におすすめ。
投稿元:
レビューを見る
本当に女子高生がインドで暮らしたノンフィクション。
しかも2019から2021という、コロナまで含む期間。貴重なレポすぎる。
自分もインド行ったことあるので、他の人がいきなりインドに放り込まれた体験談気になって買ってしまった。よくある、「インドたのし〜」とか「インドで人生変わります!」みたいな本は今後も買う気はないが。
読み始めると、なんか書き方が物語っぽくてフィクションかと思いきや、出版甲子園に提出するための作品だから多少小説っぽくなってるのは仕方ない。
そして、暮らしぶりはやはり上流階級。
デリーのそこそこ広い家で、お手伝いと運転手がいて、学校はインターナショナルスクール。
お手伝いさんは料理が上手く、下手な日本レストランよりちゃんとした日本料理を食べられ、シャワーのお湯もちゃんと出る。
でもまあ、普通に日本で女子高生していた16歳の女の子がいきなりインドに放り込まれたら、上流階級の暮らしでも天と地の差だよな。良く心壊れずに楽しんで生きていけたなぁ。良かったなぁ。
7割くらいまでは、本当になにも知らない日本の女子高生が突然インドで暮らし始めて色々なできごとに驚き、右往左往するというコメディ感があるが、終わりに近づき、一気に場面が急変する。
スラムでストリートチルドレンの面倒を見るサークルに入ったりして路上生活しながら児童労働をする子どもたちの生活について色々と知り、考える。
更にコロナが発生して、一番被害が甚大だったらしいインドでの事態が少しだけ語られる。そして結局落ち着かないまま帰国して今に至る、と。
うおぉ〜、ノンフィクションだからきれいに終わるわけがないとは言え、モヤモヤするぜぇー!
今後この元JKはどう生きていくのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
高校生がインドで感じたこと、体験したこと、その中で成長していく姿が生き生きと描かれている。興味深く読ませていただきました。
著者の責任ではありませんが、女子高生を「JK」として商品化し、「JK」を全面に出す出版社の売り出し方に、強烈な違和感を感じます。
投稿元:
レビューを見る
文章表現的にも、内容的にも、高校生というより成熟した大人な感じ。
JKを打ち出したのはマーケティング的には大成功だろう。そして読めばJKらしさは感じないけれど普通に面白い。
気になって検索したら容貌も大人びていた。精神年齢高そう。
投稿元:
レビューを見る
自分も高校生のときフィリピンに滞在した際、作者と似たような思いを持った(信号待ちで車の窓をノックするストリートチルドレンへの思い、お手伝いさんへの思い)しかし、作者は私と違って3年ほど長期滞在し、英語で会話し、現地の学校へ通っている。また、恵まれた日本のなかでも恵まれている人だと思った。そこら辺の違いが、本を一冊書けるだけの思考の深さに繋がっている。作者は恐らくこれから、人のためにいろんな活動をしていくのだろう。10年後辺りにまた本を出してほしいと思った。
投稿元:
レビューを見る
ごく普通の女子高生。親の転勤で始まったインドライフ。インクレディブル・インディアで成長する感動作品。
出版甲子園で初の高校生グランプリ作品だという。海外転勤、欧米の生活を想像したが赴任先はまさかのインド。日本人の女子高生には衝撃ばかり。そんな中で学校生活やボランティアを通じて、主人公が成長していく物語。
終盤あまりにも予想外な展開中から唐突な希望。
終始楽しめる展開。現在18歳の筆者、今後の人生が充実することを願いたい。数年後の次回作に大いに期待。
投稿元:
レビューを見る
推薦本で読みました。
インドの様子が良くわかりました。
13億人の統括は、大変なのだろう。
日本は、全員教育制度で、やる気のある人は、誰でも大学までいける道があり、恵まれた国に生まれて良かったと思いました。
インドも新幹線が開通して、経済的に発展すれば、子供の教育も変わるでしょう。
投稿元:
レビューを見る
父親の転勤でいきなりインドに放り込まれたJKの滞在期。
価値観や生活様式が全く違うインドに戸惑いながら適合していく様子が綴られている。
インドの生活の光景が臨場感あふれて色彩豊かに描かれていて、まるで目前にあるよう鮮やかにイメージされる。
熊谷はるかさん、文才があるし、実年齢に比べてだいぶ精神年齢も高そう。
逆に言うと、JKのイメージからはかなりかけ離れた大人びた文章だ。
インド滞在の終盤ではるかさんは、インドで出会った「自動奴隷」に対し強い問題意識を持ち、こどもの権利の保護のため何かmy bitを運ばなきゃ!って思う。
心動かされた。
何かなんでもいいからできることを。
そして、そのことに責任をもつ。
混沌の中にも希望はあるのだから。