残りの分冊がすぐ読みたくなる
2002/05/26 19:01
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代サイドの主人公は、元TRPGオタクのUNIXハッカーで、ベンチャー企業の重役。第二次大戦サイドは、暗号解読に関ることになった彼の祖父と、日本兵との過酷な戦いを経て壊滅した部隊の生き残りである海兵隊の軍曹。それぞれが、駄目なとこもあり、限界もあり、それでありつつ「自分なりの生きかた」を周囲と保ちつつ生きてる感じですね。
日本語訳は4分冊なので、話がどの方向にどう転がるのかが見えないのに、それでも面白く読めてしまいます。逆にいえば、全体の流れが一巻ではまだ見えて来ないのが辛い人もいるかも。
暗号、第二次大戦、コンピュータネットワーク、計算機科学史、あたりに詳しくないと、細かいくすぐりを十全に楽しめないような気もします。しかし冒険小説的にも、経済小説的にも、個々のエピソードだけで楽しめました。
これから期待の冒険小説
2002/05/07 13:42
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投稿者:しょこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーは現代、東南アジアにデータヘブンを作ろうとする若い起業家が中心の軸と、第二次世界大戦中、暗号の開発と解読に携わる科学者たち、そしてそれにかかわっていくと思われる下士官の軸と三つの話が交互に語られる。
それが今後どうかかわっていくのか、四分冊の内の第一巻ではまだはっきりと見えてこない。
しかし、人物の描写がはっきりとしていて読みやすく、展開の遅さがあまり気になりません。特に暗号解読者の個性的な姿や、まだひそかな攻防は次巻に期待を持たせます。
ただ、早川SF文庫よりの出版なのですが、あまりSFっぽい話ではないような気がします。これからSF的な展開があるのかどうかも気になっているのですが…。
そうでなくても十分楽しめそうな第一巻でした。
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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。
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オタクと天才と脳筋マッチョの大冒険。
こんなにわくわくする冒険譚はひさしぶり、いや初めてかも。
4巻まで一気読みでした。
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映画「イミテーション・ゲーム」を見て、チューリングが登場する小説ということで読んでみた。表紙の絵が古くさく、こんなの面白いのかなと不安であったが、読んでいて止まらなくなった。コンピュータが好きな私なので、暗号や数学、コンピュータそのものが出てくるだけで楽しめるのだ。物語は、現代と第二次世界大戦が並行して進む。第二次世界大戦のパートでは、もちろんチューリング博士が登場する。第二次世界大戦時代に登場する人物の子供や孫が現代パートで登場する。過去と現代が微妙なリンクをしつつ、どちらも通信の暗号や解読に関わっており、冒険小説のようでハラハラドキドキする。さて、本作は4作品で1つの大長編だ。第2作の「クリプトノミコン〈2〉エニグマ」までは入手済みだが、残りの2作品も必ずゲットしなければ。第1作でこれから回収されるであろう伏線がたっぷりとちりばめられているように思えた。題材が暗号なだけに最後にはどのように謎が解かれているのか楽しめである。
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長いが面白い、どこがSFか分からない作品
表紙 4点佐伯 経多 中原 尚哉訳
展開 6点1999年著作
文章 7点
内容 660点
合計 677点