紙の本
発達障害の診断するのは容易じゃない。
2023/11/30 20:29
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投稿者:ふるかわぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、きちんとした診断を行うには、丁寧な問診と診察そして発達検査が必要で。
正確を期すなら数回にわたっての診察を行い、状態を見極める必要がある。
きちんとした検査を行っても、発達障害の判定ラインに引っかからず、その傾向はあるが、その一歩手前だった人たち。
本書のグレーゾーンは、そこを指す。
様子を見ましょう。は、放っておいて大丈夫ということではなく。
適切な支援を行うことで、劣る能力を回復させたり、弱みを強みに変えることができる。
この本では、著者が診察した患者さんや、あの有名人もこの発達障害があるというのも紹介される。
それらを読むと勇気づけられる。
電子書籍
概要を把握・復習して少しでも気休めに
2023/01/17 15:32
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投稿者:みなと - この投稿者のレビュー一覧を見る
近所の図書館で予約待ちが多かったので買いました。
発達障害について概要を把握・復習するのに良いと思います。
発達障害や知能検査WISC,WAISの結果に出てくる用語と対応する症例が出ています。子供と大人のグレーゾーンが違うものであることについても触れています。
発達障害の保険診療では十分な説明を得られなかった、忘れてしまったので今一度復習したいと思っていたので合っていました。
紙の本
理解の助けになる
2022/03/09 14:04
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投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る
四半世紀前だと発達障害とは思い当たらなかったようなケースが、実は発達障害の由なのかも・・・と推察できることは、社会生活上コミュニケーションを図る際に有益だと思う。
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とても興味深く、わかりやすくまとめられている。
総括は、グレーゾーンと判定されるレベルは、その人の強み、弱みを理解し、適切なサポートやトレーニングにつなげていくこと。
グレーゾーンのケースには、愛着課題を、抱えたケースがとても多い。
自閉スペクトラム症ASD、同じ行動パターンへのとらわれ
常同運動障害、同じ単純な行動を繰り返し続ける、ASDの診断へ至らないことが多い
社会的コミュ障害と、限局された反復的行動の2つで、ASDと診断される
1. 常同運動
2. 同じ行動や思考への執着
3. 限局された対象への強い関心
4. 感覚過敏、鈍感さ
幼児の手もみは要注意、レット症候群=自閉症や知的遅れが途中からみられる先天性の障害
声の大きさを適切にコントロール、微妙な抑揚によって言葉に陰影をつけたりする能力は、社会的コミュの能力と、密接な関係あり
自閉症研究者バロン=コーエンは、脳には共感empathyを得意とするEタイプ
システムsystem思考を得意とするSタイプあり
男性は人差し指>薬指長さがS
女性は薬指の方が長いとSタイプ
男性ホルモンのテストステロンを浴びて、超男性脳仮説、ASDが、男性に女性の数倍多い理由の一つ
発達性強調運動障害、自閉症ではグレー、低年齢の時など、不器用
ワーキングメモリーの鍛え方: 暗唱訓練、正確さよりも内容把握、全ての項目が表現できる
シャドーイング、聞き取りながら同時に声に出し繰り返す方法
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発達障害かも?と思うことが多々ある私からすると、このグレーゾーンにかすりもしない人がどれくらいいるのか気になる
症状ではなく遺伝子、神経科学、行動科学などの生物学的なマーカーで分類する研究がアメリカで進められており、著者は10年後には診断も病名もガラリと変わると考えている
また著者も述べているように、背景に愛着障害が隠れているケースについての研究がさらに重要性を増していくだろう
小児科の実習で発達障害を専門とする先生方とお話する機会が何度かあったが、現場でも今はあまり問題視されていない(正確には問題には気づいているけどもそこまで考えている余裕がない)ようだった
これは患者を見るのが診察室という限られた空間であることや系統だった診断方法がないことにも所以するだろう
私自身愛着障害や発達障害という領域に元々興味はあったが岡田先生の本を通してさらにそれが強固なものとなったので、今後何らかの形で研究に関われたらと思っている
またオキシトシン系との関連性も著書ではよく取り上げられており、今日の実習でまさにそこに焦点をあてた論文の紹介があり一人で感動していた
とはいえ、まだまだ解明の余地があることには変わりないようだ
誰かの"生きづらさ"を"生きやすさ"に変えることができたなら、それほど嬉しいことはないと思う
将来どのような形であれそれを手助けできる人になれたらいいなあ
✏大人のADHDは、本来のADHDに比べると神経学的な障害は軽度であるにも関わらず、生きづらさや生活上で感じている困難は、本来のADHDをもった人よりも強い。
✏グレーゾーンを診断する場合には、愛着障害や心の傷が傷を落としていないかに注意する必要があるし、そうしたケースでは、その部分への手当がされない限り、その人が抱えている本当の困難や生きづらさを理解することも、改善することもできない。
✏感覚的な苦痛も、心理社会的な苦痛も、脳は最終的に同じ領域で痛みとして感じている。したがって、心理社会的過敏性が和らぐことで、感覚過敏なども和らぐという好循環が生まれやすい。
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兆候はあるが発達障害と診断されず様子見をとられるグレーゾーン。
疑似ADHD、こだわり症、社会的コミュニケーション障害(KY)、サイコパス、孤独好き(非社会性)、愛情や関わりを求めない(回避型愛着)、言語や記憶が強いASDタイプ、地図や図形が苦手な言語・聴覚タイプ、共感が苦手な理系脳、感覚過敏(HSP)、発達性協調運動障害(目立つ不器用)、学習障害、他。
大体の人が何かしら心当たりがありそうで、診断されないことで生きづらさを感じたこともあるかもしれない。境界を示すことに大きな意味もなく、大事なのは診断されることではなく特性を把握すること。有効な対処にもつながる。
また発達の特性は障害ではなく神経多様性として理解されつつあり、脳の特性であり個性。読書などにこだわりすぎてるのもその兆候のひとつなんだろう。
まさにずーっと思い言い続けてたことを本書でも語られていて、すごく安心できた。
88冊目読了。
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タイトルはグレーゾーンだけれど、それぞれの診断基準など書かれているのでわかりやすい。
障害理解の本を読むと常々思うことは、誰にでも当てはまる部分があるということ。
それが「極端」だった場合に障害として診断名がつけられる。
今回初めて知ったこと
・回避型愛着スタイル
→他者の愛情や深い関わりを求めず、一人でバランスをとっている
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ASDやADHDといった発達障害の診断は受けないけれど,そういった傾向をもつグレーゾーンの人たちの症状や,そういった人たちの社会生活を営む上での苦しさが論理的に説明されています.コミュニケーション能力を高めるための効果的なトレーニングや対策なども,書かれていて,参考になります.
筆者の岡田先生が最後に書かれているように,診断名が同じでも様々なタイプや個性がそこにあるので,大切なのは診断名よりも特性の理解だというところに納得します.ASD,ADHD,グレーゾーンの人たち,みんなが特性にあった仕事やライフスタイルを選べるように,日本でもニューロダイバーシティを受け入れ社会の強みに変えていけるような,支援体制がもっと必要だと思います.
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専門的な用語が多く使われているが、説明がないこともあり、基礎知識のない人には理解することは難しい。著名人の事例は大変興味深い。
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診断があるか、病名が何かにだけ目を向けるのではなく、その人の強みや弱み(特性)に目を向けることの必要性を示してくれる一冊。
具体的なエピソードや著名人についての話もあり読みやすい。
学校現場においても「グレーゾーン」と思われる子は増えてきているため、その子の特性に応じた支援が必要。
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生きづらいことを主張する人が目にあまる程多い とんでもない世の中だ
実態と専門家の意見を聞いておきたかった
日本でも近年急増している 生きづらい人達は
こうした本を武器にしている
ばかばかしいケースもたくさん掲載されている
発達障害者には過剰診断もあれば自称のケースが増えているからだ
ADHD (注意欠如・多動症障害)などは遺伝要因が60〜70%だというのに、ここ15年間で約2倍に急増しているという
特に増えたのは擬似障害者だ
ADHDは12歳までに診断されたものだという
黒沢明監督の映画「どですかでん」
障害者である
生来のものか、少なくとも12歳以下で発症している
明らかに社会コミュニケーション能力のない
常同運動が どですかでん だ
精神病と神経症の境界にあるのが境界性コミュニケーション障害だという
社会的に生活能力を持つかどうかがポイントになる
◆さまざまなグレーゾーン
ビルゲイツ・ジェフベゾス ・イーロンマスク・ウォルトディズニー・トムクルーズや村上春樹・カフカ・夏目漱石・ニーチェなどの著名人・成功者が取り上げられる事で、努力せずして 自称仲間 になりたがる人たちがいるのだろう
◆ こだわり:とらわれ:トラウマについて
---こだわり症 執着症---
同じことを繰り返す同一性へのこだわりは遺伝性や脳の障害の要因が高く、グレーゾーンのケースはこれが多いという
外傷性のこだわりは心理社会的要因が大きく、
発達障害とは別でグレーゾーンでもない
◆ 脅迫性障害はグレーゾーンでありえる
脅迫性障害には認知行動療法や薬物療法SSRIなどが有効だという
◆ コミュ障はどうか
ASDもこれを含む 神経発達障害の場合もある、本来の障害とは別の
社会的コミュニケーション障害がほとんど
理解が低く乱用されているのが現実
人付き合いや世渡りは言語能力とは別の問題
◆カサンドラ症候群による心身症
相互的、共感的なコミュニケーションの欠落があるケース
気持ちの良い言葉のキャッチボールができない
難易度の高い社会的場面になると適切な言葉が出てこない など
共感や配慮が不足しているケースでもある
非社会性タイプと回避性タイプがあるという
ジゾイドパーソナリティ 孤独好き 生得的
回避型愛着スタイル 養育環境によるもの
IQ以外の四つの力
言語理解・知覚統合・作動記憶・処理速度
◆知覚統合能力の重要性
(イメージ力 特殊相対性理論など)
胎児期に精巣から分泌されるテストステロンという分泌ホルモンを浴びて育つ男と浴びない女の脳の発達には違いがある
システム思考や視覚・空間認知が得意な男に対し、共感や会話コミュニケーションが得意な女という傾向があるという
ただし母親の受けるストレスなどにもよるという
知覚統合力での差はない
共感的な会話とは 好きなことは など
システム的な会話とは どうして など
◆ 感覚過敏について
感覚過敏 1. HSP 不安型愛着スタイル
養育環境の問題
感覚過敏 2. ASDタイプ 周囲の反応に鈍感
感覚過敏 3. 中間に位置する 恐れ・回避型愛着スタイル
不安型と回避が同居
「美女と野獣」での野獣 虐待やいじめも要因に
引きこもりになりやすい
◆ 感覚過敏など 擬似障害改善のための方法
認知行動療法
マインドフルネス SSP
ポジティブ心理学
愛着システム
休むことは逆効果にもなる
第三者視点で状況を見る訓練
相手の視点で見る訓練
薬物療法・漢方薬
◆ ADHD 注意欠如・多動症障害
不注意・コントロールできない衝動性
処理速度 との相関あり
チェック項目: 1意思決定 2プランニング
3逐次処理 4同時処理 5柔軟性
遺伝要因が60〜70%
有病数は15年間で2倍に
この急増は、擬似ADHDではないか
擬似ADHDの急増の要因
12歳以降に始まるもの
気分障害 不安障害 依存症 過食症
愛着障害 愛着トラウマ
前頭前野の損傷
努力する能力 : 意思決定能力とプランニング能力
最小最悪意思決定
運動機能障害も 発達性協調運動障害 不器用
プレインジムなどの体操でトレーニングを
◆ 勉強が苦手な要因
知的障害
言語障害
学習障害 適した分野があるはず
注意欠如 遂行能力欠如 ADHD
関心の偏り 細部へのこだわり ASD
これらの境界レベルは、秀でた部分で隠されてしまうことで、徐々について行けなくなる
発達検査を受けて判明する
IQ75が知的障害の境界ライン
◆ 改善方法
数唱テストは社会的コミュニケーション能力と最も高い相関がある
暗唱訓練も重要 ワーキングメモリ強化
聞きながら描く 聴いたことを繰り返す
シャドーイング 聞き取りながら声を出して繰り返す 読み取った文章を覚えて書き写す 要点を書き留める
トムクルーズは読字障害だったが俳優で成功した
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
障害グレーゾーンの人たちを含め
「特性を踏まえた独自の道を切り開く」
ことができるはず
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
自称発達障害
生きづらいと嘆くなら 打ち破るために動けと言いたい
情けない話ばかりだ
努力もできない大人が増えているということだ
それが恐ろしい
自分の殻の中の瑣末なことまで気になってる発達とは別に未成熟な人間
発達障害だから苦しいんじゃないかと自分の殻の中でひとりで悶々としている
ゲームやアニメなど仮想現実を求めて現実からどこまでも逃げたい
でも自分の年齢を考えたら子供と呼ばれる歳じゃない
卑怯な人間たちだ
殻の中での逃げ口上の理論武装には他人の使える言葉はどんどん使う
殻の中だから卑怯もなにもない
自分さえ楽できればそれでいいのが本音だ
決してそうは言わないが
言ってしまえば自分の負けのようで八方塞がりになるのはちゃんと分かっている
心理学や精神分析学の理解を深めれば良いのにと思うが、その努力はしない人達
そんなずるい人たちが生きずらいと主張し、本当の障害者への助力が相対的に減り、そして生存競争から落ちていってしまうのか
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いわゆる「グレーゾーン」に関する本。
素人にも分かりやすい平易な文章と、実際のグレーゾーン当事者の事例で構成されているため入門書として良いと思う。障碍者とはいえないが、周囲から浮きがちで生きづらさを感じている人は読んでみると救われるかもしれない。
「知覚統合」と「最小最悪意思決定」という概念は自分の中でのモヤモヤを整理するのに役立った。
<アンダーライン>
★★★★★
知覚統合が弱いとものごとを客観視し、俯瞰することができない(知覚統合)
★★★★★
(箱庭)世界を箱の中にミニチュアサイズで再現する遊びは、知覚統合を鍛えるのに大いに役立ち
★★★★★
ASDと紛らわしい「恐れ・回避型愛着スタイル」
★★★★★
ワーキングメモリの容量が小さいと、目の前の状況でいっぱいになりやすく、周囲の状況に気を回すことができなくなり、言うべきことを言ったり、配慮すべきことを念頭に置いて発言したりすることも難しくなる。
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発達性トラウマ障害、常同運動障害、強迫性パーソナリティ障害と聴いてまだ自分の言葉で説明できない方にはおすすめです。
発達障害グレーゾーンの議論というよりは、障害の羅列、紹介が主な内容かもしれません。
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ASD、ADHD・擬似ADHD・LD・知的障害・境界知能・HSP・発達性強調運動障害・強迫性パーソナリティ・強迫性障害・不安型愛着スタイル・恐れ・回避型スタイル・・・さまざまな切り口が出てくるが明確な区分けがなくグレーゾーンという形で終えることもおおく、消化不良だと思いながら読み進めていたが、結局障害はラベリングできる者ではなく多様性があり、現在発達障害は、「障害」ではなく「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」として理解されており、今後これらラベリングも変わっていくという締めであり納得。
特にADHDについて興味があり読んでいったが、「実行機能障害」「遅延報酬障害(待つことができない)」「時間処理障害(時間管理ができない)」などさまざまなタイプが存在し一概に区切れないし、そういう現状にもかかわらず、ADHDと一括りにされているのが現状にそぐわないため、今後変わっていくだろうという意見にも納得した。
ただ一方で、それを前提としながら、やはりラベリングというのは理解において非常に有用であり、現場と即してないとしながらも一定の粒度でラベリングしながら断定的に進めて欲しかったとも思った。
全てグレーです、とか正反対の場合もあります、というような書き方だったので、結局理解としてはあまり進まなかった印象。
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障害か障害でないかを区別することでなく、その人の強みと弱い点とをきちんと理解し、適切なサポートやトレーニングにつなげていくとが重要
グレーゾーンのケースには、愛着の課題を抱えたケースが多い
愛着の課題に苦しむ人が急増する今日、逆境をエネルギーに変える事ができるという希望を与えてくれるようにも思う