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私人逮捕のスピンオフ的な作品。良くも悪くも平凡というか、つまらないという訳ではないが昼食後に読んだら眠ってしまった。
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錦戸准。東大から警察庁に入庁したキャリアだったが、下町の墨井警察署生活安全課課長として転任。その理由は本人が黙して語らないので不明だが、階級も警視から警部へと降格しているだけによほどのことがあったと思われる。
警察庁への早々の返り咲きを期して事件解決に奔走する錦戸の活躍をコミカルに描く連作短編集。シリーズ1作目。
◇
墨井署受付で、初老の男が大声で係の警官に噛みついていた。男が片手にがっちり摑んでいるのは、これまた初老の太って人相の悪い男の腕。聞けば私人逮捕してきたから生活安全課で正式逮捕しろという。
対応する警官たちが困りきっていたところに登場したのが、スマートな身体をダンディな身だしなみで包み、理知的で涼しげな顔を持つエリート然とした若い男。生活安全課長の錦戸だった。 ( 第1話「ツルは舞い降りた」) 全4話。
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またまた挫折してしまったエリートを描いた作品。でも『鵠沼千秋』よりはおもしろかった。
錦戸は警察庁に戻りたがっているという設定のようだけれど、あえて組織内部のタブーやしがらみを批判するような言動をとるし、それによって本庁復帰がさらに遠のいても、それほど気に病んでいるように見えません。
却ってそこが魅力的であるのだから、本庁への返り咲きを望むという設定にしない方が、よかったのではないでしょうか。
さてその錦戸はキャラの振れ幅が大きいところは気になったけれど、相棒役の榊鋼太郎になかなか味があり、物語に欠かせない存在となっています。(趣味が私人逮捕というのもいいですね。)他にも小牧ちゃんも含め、まわりを固める登場人物が魅力的だったと思います。
扱う事件は意外と大きく、麻薬取引や一家皆殺しなど、ハードサスペンスと変わりません。それを管理職の錦戸と民間人の榊が解決に導くという痛快さがウリのストーリー。かなり現実離れしていますが、『鵠沼千秋』よりは読ませるしコメディに近い作りなのでよしとしたい。
でも猫を殺してまわる第3話の殺人鬼は許しがたい。厳しい罰を与えてやって欲しいと思いました。
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タイトルからして降格させられたが有能な警察官が犯罪を解決する話かと想像したのだが、降格して警部となった錦戸はちょっと癖のある人物で、私人逮捕が趣味な鋼太郎が主人公な設定なコミカルなお話。推理関係なく疑わしい人物が犯人で、安易に話が進むので、そこそこ楽しめた。