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論理的に説明されている。しかし存立危機事態の解釈が表面的すぎるように感じた。法案が多く一国会で全てを通すというのには無理があるということには同感。違憲か合憲かの話なので必要ないのかもしれないが、個人的には何故諸外国が集団的自衛権を保持しているのかなどもう一歩進んだ解説があってほしかった。
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憲法学に則り、筋道を追って論理的な説明を抑制的に展開している。論旨がクリアーで非常に分かりやすい。感情的な反応はともかく、これに論理的な反論を安保法に賛成している人はできるのだろうか。
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今、人気の憲法学者の本。
まだ読了していないのですが、すごく勉強になります。
分かりやすい!!!
読み終えたらまた追記で書きます♫
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賛否ある案件を題材にしているが、
筆者の主張はとても明確で
わかりやすい。
7.1閣議決定とは何だったのかと
思わずにはいられなくなる。
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「報道ステーション」コメンテーター(月曜日担当)でおなじみの、新進気鋭の憲法学者による最新刊である。筆者はこの本では、安倍内閣が推し進める「安保法案」の危険性について、わかりやすい言葉で解説している。「本を燃やそうとしている人間は、いずれ自国の憲法を燃やそうとするだろう」という言葉にはゾッとさせられるが、この内閣がこのまま安保法制を強引に推し進めようとすると、早晩国内外で立ちゆかなくなるのは、火を見るより明らかなことである。「法的解釈の安定性」についての意見は必読。この概念を否定するということは、条約の解釈すら自分たちの都合のいいように解釈する可能性もある。それは諸外国との外交関係にも重大な齟齬を来す可能性にもつながるということを、筆者は指摘する。だがほぼ全員が「知性を持つ者」に反感を抱くこの政権は、自分たちの都合の悪いところにはとことん頬被りを決め込むだろう。「この道はいつかきた道」にならないことを祈るしかない。
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自国内の安全を確保するための、個別的自衛権の行使として説明できるような武力行使は、消防活動や警察活動の延長にあって、行政権の一種と言うことになる。
しかし日本国内の安全ではなく、外国のために、日本国外で武力行使を本格的にやると言うことになると、行政権の延長としては理解できない。集団的自衛権は、憲法73条のどこの事務なのか?
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様々な媒体で発表したものを寄せ集めており、内容が重複する箇所も多いし、専門的すぎて表面だけなぞって読んだところもあるけれど、「集団的自衛権に関する7・1閣議決定とはなんだったのか?」は必読。法解釈には、①基準を立てる作業と、②具体例をその基準にあてはめる作業とがあり、閣議決定は「あてはめ」を変更しただけ。個別的自衛権の行使として正当化できる場合にのみ、集団的自衛権の行使を認めたにすぎない。ただ、首相や外相がその枠を超えるような発言をしているのは問題であり、今後しっかり監視していかねばならない。
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強引な採決で幕を閉じましたが、一連の騒動で初めて知った憲法学者という人たちの存在。そのうちの一人でとても若いという印象だった木村氏の著書。
安保法案についての大規模なデモを見ていると「戦争反対」という声が多く、報道でも取り上げられていましたが、個人的にはそれよりももっと問題視すべきなのは、権力者を制御するはずの憲法を誰が見ても幼稚な解釈で、やるべき手続きを経ることもせずに権力者側が変えたことだと思っていたら、やっぱり本書でも同じことが書かれていました。
集団的自衛権がなぜ違憲なのか?については、普通に考えて違憲やろ、と思っていましたが、これがなかなかに奥が深い。解釈についていくら反対だといってもそれが直観的なものなら共感は呼んでも説得はできない。理論が必要だ、と冷静な解説が書かれており、憲法そのものの文語からはもちろん、政府の答弁、彼らが合憲の判断のよりどころとしている砂川判決、ひいては立憲主義とは、民主主義とはというところまで立ち入って、どこをどうとっても集団的自衛権は違憲であると言わざるを得ない、としています。「解釈」ひとつとっても、ここまで回りくどい理論を組み立てなければならないのかと思ってしまいます。まるで哲学でした。内容はとても分かりやすいです。
ここまで説明できる必要はないと思いますが、よく耳にする事柄くらいは知っておくべきだと思います。
例えば「砂川判決」。合憲のよりどころとするこの判決がどんなものだったのかと思いきや、国民を馬鹿にしとるとしか思えない根拠の薄さ(笑)。そもそもこれはちょっとした小競り合いで米軍基地に立ち入ってしまった人が起訴された事件で、被告人はそもそも米軍が駐留しているのは違憲だから問題はないという主張に対して、裁判所は米軍駐留は合憲としたというもの。争点は米軍駐留の合憲性であって集団的自衛権とは全く関係のないもの。
政府の答弁は憲法学者を論破できるほどのレベルにはないことが明らかに分かります。
まわりくどいことが嫌いな人はこの説明だけで十分かも。
「法律を決めた人と法律を解釈する人を分けるために解釈という作業が必要である。両者が同じなら権力者は自分の好きなように権力を行使してしまう」
「立憲主義とは、国家権力は憲法に違反してはならないという構想」
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集団的自衛権を憲法に照らし合わせて、どう解釈できるのか説明を連ねていきます。ところどころ、読んでいて私には共感を通り越して感動する箇所があって、憲法の持つ底力に出会うときがあります。憲法は国民の理性への信頼とともにある表現されたりすると。テクニカルには、73条の内閣の事務取り扱いの中に「軍事」の行政作用がないため、集団的自衛権の行使は誰が行うのか。規定がない以上、違憲であるといわざるを得ないというすっきりした説明でした。間違いなく私にとってこの本はセンスオブワンダーを与えてくれた本でした。
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違憲の政策を進める為政者には憲法の知識を獲得して対抗すること。こう言っちゃ不謹慎だが違憲訴訟が沸き起こるのを楽しみにしてる。
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政策論では無く、あくまでも憲法論としての一冊。集団的自衛権(国際法としての)は現行憲法では違憲という論理がわかりやすく解説されている。
憲法が何の為にあるかという事をしっかり考えていかないといけないと思わされる。
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図書館で借りた。今まで自分でわかってなかったくせにスルーしてきた問題を、問題として意識できるようになれた気がする。
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集団的自衛権の「限定」容認とは、個別的自衛権と重なる範囲に「限定」して容認するという意味。よって違憲の問題は生じない(P165)とあるように著者は基本的に2015年5月段階では、この度の安保法制は手続き上の問題はあったものの、内容に関しては違憲ではないと考えていたようである。が、その後の憲法審査会での「違憲発言」を経て2015年7月段階では態度が変化しているようにも思える。
本書は2013年から2015年までの2年間ぐらいの論考を集めたものなので、全体としてのまとまりには欠けるが、著者の思考変化を理解する上ではよいのかもしれない。