紙の本
わたしたちの距離。
2010/04/08 18:18
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
収められている6つの物語はすべて「女どうし」の話だ。
幼なじみ、親子といった想定内の2人から、恋人の娘、旅先で出会う少女、挙句の果てに猫(もちろん雌猫)まで!
著者の世界の広さに感服する。
以前長編を読んだ事があったけど、その時はしっくり来ないなんて思ってごめんなさい。
印象に残っているのは『木蓮』。
恋人の娘に抱く憎々しさが文中に充満しているのに、表わせずに我慢しているどうしようもなさがいい。
それに対する残酷な少女の無邪気さ。
彼女たちはどこへ向かっていくのか苦笑いしながら読んだ。
『しずく』は表題作だ。
他と異なるのは「ですます調」で猫の視点で描かれていること。
人間の生活に左右されながら、くっついたり離れたり。
言葉の意味はわからないけれど、何となく感じている寂しさがひしひしと伝わってくる物語だった。
『シャワーキャップ』は一番自身に近いと思った。
成人して何年も経つと、親子関係も変わってくる。
しかも離れて暮らすと、久しぶりに会った母が知らない人どころか、違う生物みたいに思えてくるのだ。
子供の頃抱いていた母親像とはまるで違う。
頼りたいと思ったり、やさしく労ったほうがいいと感じたり。
対大人なのか子供なのか分からなくなる。
ごちゃまぜの感情がよく表れていた。
こうやって親子関係は変わっていくのかもしれないなんて考えながら読んで、ちょっと泣いた。
紙の本
ランドセル
2015/10/01 17:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編小説が6つ入っています。最初から順番に読み進めました。一番最初の「ランドセル」…自分の幼馴染との関係と重なるところがあり、いつかまた私もこういう関係を築けたらいいな、と思いました。いろんな人間模様がそれぞれ楽しめ、また繰り返し読みたくなります。
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さくらを読んで、
西作品をもっと読んでみたいなと
思ってた矢先に出た、新刊。
何本かのショートで構成された短編集で、
どれも登場人物は女2人。
これと言って泣いた、感動したって話は
特にないんだけど、
「影」って作品の中に出てくる
「本当の自分」と「周りが望んでいる通りに演じている自分」との
葛藤に悩みつつ、あらがえない女の子の話が響いた。
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西加奈子さんの本はこれで「さくら」につづいて二冊目。
正直なことを言うと、あんまり良さがわかりません。
たとえばランドセル。
子どもの頃仲の良かった友だちと、
久しぶりに再会して、一緒に海外旅行に行くという話。
読んでいて、その場にいるような
居心地の悪さがずっと続いていて、
でも、きめのセリフでも、心が晴れないのです。
しずくでもそう。木蓮でも。
「通天閣」は読んどかなきゃって思っていたけど、考え中。
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女二人の物語。
同級生、自分と彼の子ども、大家と住人、猫二匹 etc・・
読めば読むほどの味の出てきそうな作品。
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一つ一つの作品を読んだ後、なんか幸せな気分になりました。
特に木蓮。最後にバケツに溜まった毒を全部ぶちまけてしまうような展開が良かったです。何も知らない子供にとっては知りたいことがたくさんなのに、大人になってしまうとそれが人目につくのを憚るのは何故なんだろう。
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西さんの話にしては、なんだかくさい感じがしてあまり好きではなかったかな。
『木蓮』が一番好きだった。
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西加奈子の色数が増えた短編集だったなぁ、と思う。
作風のよさを生かして色々な手法に挑戦していて、
いい意味で試行錯誤しているのかな、と感じた。
読み飽きない。
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あっと言う間に読んでしもうた。
でも、あんまりココロに響くっていう感じは残念ながらなかった。
シャワーキャップが、心にひっかかるくらい。。
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ひさびさのどろっと感のあまりない、西加奈子節。
シャワーキャップと、せきしろの解説がよかったす。
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心が温かくなる、女二人の物語が六作。
「シャワーキャップ」が好き。母は偉大なり。それでいて母は自分と同じ一人の女なのだと、最近ふと思ったりする。
あと、せきしろさんの解説も面白いです。
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西加奈子初めて読みました。すごく良かった。
読後感が、そうそうそうと思える。日常私が思っていいるようなことを代弁してくれたという気持ちになった。
上手だなぁ。すごく上手だよ。
しずくの、2匹の掛け合いがすごく好きです。
西加奈子これからも読んでいきます。
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女性2人を主人公とした短編が6話収められた小説。
心温まるストーリーばかりです。
是非、ご一読あれ。
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「私の大好きな、あの子がいたわ 」
短編6編
表紙の猫にひかれて購入
さまざまな女二人のさまざまな友情の形
短編6編ともみんなそれぞれ友情の形が違うのですが
でもどこか同じ雰囲気です
べったりではなく、さらっとした友情
「木蓮」と「しずく」がお気に入りです
特に「しずく」の猫同士の掛け合いの面白さと
ラストのちょっぴりの切なさが好きです
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文庫本はせきしろさんが解説を書かれているということで、今回はそこだけ読みました!
「お気に入りなんですか?」と訊かれたことは幸運にもまだ、ない。
どう答えよかなー。