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「僕」の視点で書かれているのに全く感情移入する余地がなくて逆に俯瞰で読める不思議な作品。
フェミニストの彼女が経済的に自立していて本当に偉いし、「選択」への心構えが違うと思った。
私も本当は家族やパートナーに経済的に頼らずに生きていきたい。。
あとがきがめっちゃ良かったので、まずは後書き読んでほしい。本編も読みたくなると思う。
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「話が通じない」という、この果てしない徒労感、怒りを越えた虚しさ、ゆるく続く絶望。日本のわたしもよく知ってるやつだ。「彼女」に名前がないのは、わたしたちみんなの普遍的な物語だから。
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あーこれこれこれ!となった。どんなに仲の良い男の友達でも恋人でも、話が通じない時はてんでダメだ。心から共感できる。
見えている世界もその解像度も違うのだ。
とんちんかんな反論や、こっちだって!なんて言葉に聞き飽きているのは私ひとりだけじゃないのだ。
あんた今なんて言った?と私も言ってやるのだ。
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読了後も何とも言えない後味の悪さが続く。登場する「彼氏」「彼女」を批判したくなるというよりは、現実に溢れ返っているありのままの違和感を綺麗に整えずそのまま曝け出してるために、共感できるところ・目を背けたくなるところがごった返して、うまく言葉にまとまらないと言った感じだ。
これはきっと、今の偏りがなくならない限り、ずっと抱えていく違和感なんだろう。少なくとも、誰かの怒りを「感情的すぎる」と一蹴しない世の中になるまでは。
怒りといったストレートな負の感情が苦手だったり、「フェミの感情を理解してスッキリしたい!」と言った人にはオススメ出来ない。どちらかといえば毒を飲む勇気を持つ人向け。それでもこれは私たちの身に起こっている現実のひとつだと思うので、少しでも興味があればオススメしたい。
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就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す・・・ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた!
すっごい分かる。主人公の男がめちゃくちゃ頭にくるぼんくらで、小説で読んでるとこんなむかつく奴がいるのかと思うけど、全部じゃなくても部分的に同じことを言う男って(下手したら女も)現実にはたくさんいるんだよね!幸いにして私の周りは比較的そういうことをしてくる人間は少ないけど、でもこれってあるあるだよなーと全然男女平等じゃない日本にため息をつきたくなる。変えなきゃいけないのに、声をあげただけで叩かれるの、どうにかなりませんかね。でも同時に、こういうことを読むのも疲れるなと気づいた。私は疲れていて、こういうマイナスなことを主張できる元気がないって一番問題なのかも。
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フェミニズムとミソジニーを根底に置いた恋愛小説。
4年前に空港で別れた彼女と偶然再会した僕。「メガル」になった彼女と「ハンナム」の僕の好きという気持ちと譲れない生き方の葛藤を描いて本当に面白い。男性優位社会の変わりなさに辟易しながら読み進めた。最後は別れて終わったが、もしかすると何年後かには二人がまた出会い直して違う未来を歩むかもしれないと信じたい。
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まるで教科書のように色んな事例をあげながら
こちら側に女性がこれまでずっと苦しんでいた
事をわかりやすく説明してくれる、しかも面白い
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「将来、旦那さんも子どももいなかったら寂しんじゃないの?」
「その代わり、私がいるはず。たぶんね」
読み始めてすぐに「あ〜あんまり好きな話じゃない」って思ったのに、読後は深く考えさせられた。
序盤は「彼女」の狂信的な感じに拒絶反応が出たし、中盤は韓国人男性の時代錯誤な感覚にイライラした。でも、後半は引きずられるように読んで、読後感は…うまく言えないけど、社会の有り様に泣きたくなった。
二人が幸せである未来を望む。でも、それは、結ばれてハッピーエンドってことではない。そんな単純な、誰かが用意したような幸せはいらない。
一人の人間としての、自立した幸せ。でも、その道のりは長い。
日本人女性として、セクハラとかは感じることもあるけど、「まぁ、女に生まれて得してることもあるよな〜」なんて思って生きてきた。読後、ネットで検索せずにいられなくなって、韓国の実態を知った。でも、これは対岸の火事ではなくて、どこの国でもあることで、それに気が付かないふりをして生きてきただけなんだと思わされた。
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韓国における家父長制やセクハラの経験により、フェミニストになった彼女。
彼女と付き合いそれを矯正しようと目論む主人公。
良かれと思って女性に押し付けがましい行為を行う主人公やその友人たちには嫌悪感を抱いたが、主人公が彼女の気持ちに寄り添い変わろうという姿には好感を持った。
韓国本国での女性を取り巻く状況をベースにしているが、マスコミや映画界でのmetooが繰り返されても変わらない日本も五十歩百歩と言える。
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一気に読み終えてしまった。面白かった。
翻訳でなかなかここまでスラスラと読める本はない。
自分が疎いからか、日本では韓国に比べてそこまでフェミニズムを男性が嫌う風潮はないと思う。主人公の彼女がフェミニズムであることを、主人公の友達が付き合うこと自体を否定する場面が何回か出てくるが、人が大切と思ってることに対してそこまで否定的にならなくても良いのではと思ったが、実際どうなんだろう、、
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翻訳がこなれていて読みやすく、一気に読んだ。
後書きによると、作者のミン・ジヒョンさんは日本語が堪能で、訳者の友人だという。2人で今風の日本語に訳すことができたのだろうなと思う。
韓国も日本も出生率が低く、消滅の危機にある。特に韓国は0.8と、驚くべき低さだ。韓国での男性の性に関する事件は、驚くようなミソジニーにまみれたものが多く、ストレス社会なのだなと思う。日本も、ミソジニーに関しては負けてないが、日本人はいろんな意味で韓国に比べて「なるい」んだなと思うくらい事件が残酷で目を背けたくなる。
また家父長制度が強く残る韓国。
こんな中で、家族を持つのはつらそうだ…。
こんな中、勢いのある小説を次々生み出している韓国のフェミニズムを応援したい。
日本も負けないで頑張ってほしい。(松田青子さん気を吐いている)
読むことでも応援したい。
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一気読み。テーマの重さ、どうしようもなさはすごく伝わってきた。小説というより戯曲的。伝統的な価値観の男性から見た一人称小説という主砲が功を奏している。最後は彼も変わった。しかし、社会の、世間の壁は高い。
それにしても、「彼女」は、どれだけ耐えているかと思うと目眩がする。
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主人公の気持ちも彼女の気持ちもわかる、、
だからこそ、分かり合えない、分かりあうのは超絶難しい問題だと思った。
同じ女性でも、経験や価値観が違うと敵になりうるし、もちろん男性でも分かり合える人はいると思うけど、
いまや結婚や出産にさまざまな選択肢があることを我々は知ってしまっており、
完全に同じ価値観の人に会うのは昔より異次元レベルで難しいんだと思う。
だから自分たちの当たり前の権利を主張することも難しくなる。行動すれば絶対に孤独だから。
で、違う意見持ってたとしても反論するだけじゃなくえ寄り添うとか、そういうことをしていかないと、どんどんよくない世の中になりそうだな、と漠然と思う。
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読みやすくって一気に読んだ。翻訳の方最高!
どうにもすれ違う二人の、理屈置いといて「好き」がたまらなく切なかった。
どうしてもダメ?どうにかならない?
何度もそう思いながら読んでた。。
誰も悪くない、と思う。変わらなきゃいけない。
それがあるだけ。
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私が私になるための、私のだったかもしれないお話。
いままで、出会って、親しくなって、話をしてきたすべての男の人との会話が思い出される。