紙の本
きちんと言葉で
2023/04/10 05:50
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
シリーズ17
海里と李英の仲たがいして。
海里の言葉が妙にしっくりくるし、
李英の気持ちも切なくくる。
でも、お互いにそれらをきちんと話し合ってからの
新たな展開に「がんばれ」って気持ちがわいてきます。
倉持先生の海里に対する想いもきちんと言葉で聞けて
ちょっと嬉しかった。
ああいう風に言ってもらえるのは、海里故だろうと思うしね。
後半は倉持夫妻の件
ああ、ここで幽霊かと…
(今回こそ幽霊なしか?と思ったりもしたので)
母としての後悔
父としてのくやしさ
そして息子の気持ち
このシリーズには色々な幽霊がでてくるが
今回の幽霊には涙がでてきてしまった。
(何しろえげつないくらいに残酷な死に方だったし)
相変わらず淡海先生へのもやもやした嫌悪感めいた気持ちは否めず
でてくるだけで心がざわつきます。
(夏神さんの心配もわかるわぁ)
今回は夏神さんの行動が見事すぎて
「さすが師匠」って言いたくなってしまいました。
ロイドの優しさも染みるねぇの一冊でした。
余談
パン好きとしては「ローゲンマイヤー」のくだりとか
サンドイッチには物語とは別の意味ぐっときました。
そして、有馬温泉も。
一緒に歩いているような気持ちになりました。
賞味期限5秒の生炭酸せんべい食べて欲しかった(笑)
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もう17弾!久しぶりに霊。涙。食べ物の思い出って残るなあ、普段当たり前の様に何気なく食べているものも。
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ロイドがいなければ成り立たない。
夏神や海里の人生だけのことではなく
この付喪神に救われているとあらためて感じた。
このシリーズはどのような終幕を迎えるのだろう。
楽しみでもあるが寂しくもある。その時を迎えるのは いっそ私がこの世からいなくなってからにしてほしい(笑)
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芦屋の定食屋「ばんめし屋」に節分の時期が。
巻き寿司の提供で盛り上がる中、海里の後輩・李英が
店を訪れる。体を壊し役者を休業中の彼は、海里が
通う朗読のレッスンに参加したいと言い、海里は
快諾するが…。
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プロローグ
福と鬼/抱えたもの/それぞれの荷物/苦い卵焼き/
まるくおさめる
エピローグ
仲が良くても腹が立つことはある。いじけることもすれ違うこともある。じっくり考えれば仲直りできるのも仲の良さ。これからもお互いに刺激しあえるように。
倉持さんの抱える悲しみが辛かった。
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今回もめちゃめちゃ青春しててとても良かった、、
芸術は自分の腕前がどれくらいかっていう可視化が出来ないから、人の言葉にすごく左右されて、それで自分を見失いそうになるのめちゃくちゃ分かる。
「話したい相手とは話したいと思ったときに話せることが、何よりの幸せ」の言葉がすごく胸に刺さった。
海里と李英のふたりの舞台早く観たいな!
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マカロニグラタン。内容的には卵焼きじゃないの?と思ったがさておいて。李英に嫉妬して八つ当たりした海里。喧嘩中の二人は夏神の計らいで、温泉に行き仲直り。宿屋のご主人の言葉が、後々海里の中で生きてくる。久しぶりの幽霊登場。本来ならこれがメインのはずなんだけど、倉持夫妻と息子さんの再会と別れのシーンも、なんだかあっけなく終了。
シリーズ初めの頃は、もっと頻繁に幽霊登場してたけど、今はもうばんめし屋には来なくなったのか?お店で提供する料理のシーンもあんまりないし、テーマが取っ散らかってきて、なんだかもやもや。
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小説を読んで感極まって泣くのは久しぶりだった。
弟分の李英と喧嘩して不穏な展開で始まったが、有馬温泉で仲直り。
初めて存在を知った炭酸せんべいは美味しそう。
そして話は、朗読の師匠である悠子さん家族の悲しい思い出に…。
優しい登場人物、美味しそうな料理に心が満たされた。
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【目次】プロローグ/福と鬼/抱えたもの/それぞれの荷物/苦い卵焼き/まるくおさめる/エピローグ
シリーズ17作め。
節分の時期。前半は、海里と李英の話。海里は、体を壊し役者を休業して静養中の後輩・李英から朗読のレッスンを見学したいと頼まれる。師匠で女優の悠子の許可を得て、李英もレッスンに参加。作品の解釈や悠子とのやりとりを通して、海里は李英に嫉妬するが、そんな自分にも腹を立て、二人は仲違いしてしまう。ぎくしゃくする二人を気づかう店長の夏神のはからいで、二人は有馬温泉へ。
後半は、悠子夫婦と亡き息子をめぐる親子の情愛がテーマ。ロイドが活躍(?)
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海里くんがショックを受けてケンカしちゃうシーン、自分の姿を見ているようで苦しくなった。仲直りしたいけど何て言っていいかわからなくてもどかしい気持ちもよく分かった。当人たちじゃどうにもならない状況だったのを見かねて助けてくれる、周りの人がいてよかった。
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マカロニグラタンがかなしい。後悔しないように、言える時に言っておく事は大事なのかも知れない。言えないけどね。
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予想していなかった代役は。
挫折を繰り返して漸く見つけた居場所に、ある日突然現れた者が自分よりも実力があると分かると誰だって自暴自棄になり親しい者であろうが言葉が荒くなるのではないか。
日常の些細な出来事だろうが、想像もしない最期の別れによって一生消える事のない傷として心のどこかに残り続けるだろうし苦しいままなのかもな。
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そう言えば大切な人を失った者達の集まりなんですよね『最後の晩ごはん』。
でもやっぱり若い人が亡くなるのはツライ…しかも結構えげつない亡くなり方をしていてホント辛い…と思いながら読みました今巻。
ああでも最後は毎回ちゃんとほっこり笑えて終われるので読後感は良いです。
ちゃんと話せる時に話しておかないと、後悔は先に立ちませんね本当に。
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夜だけ営業の定食屋<ばんめし屋>を舞台にしたシリーズ第17作。
サブタイトルのマカロニって前にも出てきたような…とシリーズ作品を見返すと第8作がマカロニサラダだった。これだけ長いシリーズになると食材がかぶるのも仕方ないか。
今回のハイライトは二つ。
海里と後輩・李英の喧嘩(すぐに仲直りするけれど)。
きっかけは海里も認める通り、李英に対する勝手な嫉妬なのだけれど、気持ちは分かる。
李英くんは本当に良い子、良い子過ぎるのだ。
役者としての努力を怠らず、前作では大病を患ってその後遺症で体力が戻らない中でもやれることを必死にやっている。海里の朗読劇の師匠・倉持悠子が認める才能もある。それなのにその努力や才能を鼻に掛けることなく常に謙虚。
海里の短い売れっ子時代もスキャンダルで芸能界を追われた時も、<ばんめし屋>で働きながら役者への再出発を目指して努力している現在も、海里への態度は全く変わらず先輩として慕い尊敬してくれている。
役者としての立ち位置も才能の差もまざまざと見せつけられてしまうと、その優等生キャラが海里には眩しいのだ。
夏神とロイドの気遣いのおかげでなかなか明かせなかった心の内を曝すことが出来た海里と李英。優等生な彼もまたいろんな鬱屈を抱えていたし、短いギスギス期間にはふくれっ面もしていたので少しホッとする。あまりにもいい子過ぎると無理しているんじゃないかと心配してしまうから。
もう一つは、倉持悠子・繁春夫妻の一人息子で三年前に旅先のグアムで亡くなった拓己の霊。
ここ最近は幽霊ネタが少なくなりつつあったが、久しぶりに出てきた。だが場所は<ばんめし屋>ではなくて倉持家。眼鏡に戻ったロイドを掛けたらあら不思議、倉持家の食卓に拓己が座っているではないか。
ここでサブタイトルの意味が分かって来るのだがストレートに『卵焼き』ではなく『マカロニグラタン』にしたのもニクい。
ロイドにはこういう風景が見えているんだな、と改めて付喪神であったことを認識。イギリスの古い名家の執事のような物言いとは裏腹に好奇心旺盛な姿とのギャップが面白い。最近はタブレットで電子版のコミックを読むのにはまっているようだ。
夏神も料理の探究は怠らず、海里のことも師匠として見守ってくれている。夏神と悠子、立場も教えも違うけれど二人の師匠がいる海里は幸せ者だ。
悠子の体調は少し心配だが。
だがそのことで海里と李英に新たなステージが用意された。次はその話がメインになるのだろうか。
少しずつ役者の道に近づいている海里が嬉しいような淋しいような。
『話したい相手とは、話したいと思うたときに話せることが、何よりの幸せですわ』
海里と李英が二人で泊まった有馬温泉の宿の主人の言葉が印象に残る。
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ちょっと変わったお客さんが来る「ばんめし屋」のシリーズ、第17弾。
タイトルの意味は、ずいぶん後の方で腑に落ちる。
グラタンのしょっぱさの中に、栗とかさつま芋とか、ちょっと甘いものが入っていると、驚きがあって美味しいですよね。
前回は、海里の2.5次元ミュージカルの頃からの後輩で、コツコツと努力の人だった、里中李英が思わぬ挫折を味わうお話だった。
運命の悪戯で、二人が再び同じラインに立った、という感じがした。
そのせいだろうか・・・
お互いに胸の奥に抱いていたモヤモヤがついに爆発?
真逆でありながらどこか似ている二人ならでは、相手に対する賞賛の気持ちと引け目がぐるぐる追いかけっこしてしまう。
しかし、喧嘩をしても、相手ととことん話し合えるのは幸せなことなのだ。
後悔が残らないよう、大切な人との会話を今、惜しんではならない。
海里ってこういう性格だったんだ!?
ということが、ひじょーーー!!に、よく分かった回でもあった。
そして自分でも分かっているらしい。
固い絆で結ばれた、永遠の先輩後輩で、ライバルで、嫉妬の対象でもある、五十嵐海里と、里中李英が、100年続きますように。
そして、夏神さんが相変わらずおかんであり、ロイドが相変わらず優しい爺やであった。