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新潮文庫のサブレーベル、『新潮文庫nex』の創刊ラインナップから、一番面白そうだったのでお試し買い。
『階段島』と呼ばれる不思議な島を舞台にした青春小説。『島の謎を解く』という主題がストーリーを引っ張って行くものの、ミステリとしてはさほど複雑なものでもなく、ある程度、『島』のシステムが作中に出揃ってしまえば、登場人物の性格の過剰な描写と併せて、仕組みを予想するのは難しくない(この手のストーリーはどうしてもオチの付け方が限られる……)。
普段の新潮文庫より若い年齢層を読者と想定していることは、造本からも伺える。カバーイラストの画風も強いクセがない。キラキラの帯も目を惹く。
……が、新潮文庫のアイデンティティとも言えるスピンを無くしたのは頂けない。スピンだけは外して欲しくなかった……ショック。
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なかなかクセのある設定で、主人公含め際立った特徴を持つ登場人物たちの外連味のあるドラマがおもしろい。
島という閉じられた世界の中で、閉塞感を感じるストーリーなわけですが、それでもスルスルと読めるのは文章のテンポがいいからでしょうか。
個人的には堀さんのキャラが好きですね。報われてほしい。
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捨てられた人が集められる島、階段島。物資は船で届くが人は乗せてもらえない。ネットが繋がり買い物も出来るのにメールで助けを呼べない。壁や鉄格子がある訳でもないのに閉じ込められている。ただ七草はそんな島での生活が気に入っていた。幼馴染の真辺が来るまでは。この島は彼女に最もふさわしくないと感じていた。
ミステリというよりは文学的。無意味なSEX描写が無い初期の村上春樹をもっとラノベ風にするとこんな感じか。魔女が登場したりしてミステリ要素は低いが、文言などが気に入った為面白く読む事が出来た。シリーズ開幕となっているので次作も読む予定。
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あと三回くらい読み返したい。
サクラダシリーズに通ずるキーワードがいくつか散りばめられていたように感じた。続きが気になります。
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【内容紹介】
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凜々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎......。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
河野裕:コウノ・ユタカ
1984(昭和59)年、徳島県生れ。兵庫県在住。グループSNE所属。2009(平成21)年、『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。著書に「サクラダリセット」(全7巻)「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズなどがある。
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新潮文庫の新レーベル。ネット上の書評をみると評判が良いものを見かけるのだけど,私は全く駄目。文章は鼻にはつく表現が多いけど下手ではないので最後までは読めましたが,この理解しがたい世界観と主人公の性格は好きになれない。読み返すことも次巻を読み事もないと思う。
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階段島と呼ばれる奇妙な島に暮らす七草。
いつもよりも早い時間に目覚めた彼が、気まぐれで海沿いの道を歩いていると目の前に知った女性が現れた。
真辺由宇
目一杯、理想主義者で気づかないうちに自身を追い詰めている彼女。彼女は決してこの島に来るはずがない女性だった。「捨てられた人たちの島」であるこの階段島に。
階段島に暮らす者は「捨てられた」とされている。「捨てられた」島民は、失った物を思い出せれば島から出ることが出来る。
七草はそんな島で穏やかに暮らしていたが、悲観主義者の自分とは真反対の真辺が目の前に現れたことで、どうしようもなく動かされていくことになる。
独特の空気感の漂う物語。捨てられた人だけが暮らす孤島で、長い階段の先には魔女が住んでいるという世界。
登場人物もそれぞれがクセのある人ばかりで、そんな中に現れた真辺の直線的な行動が羨ましくもあり痛々しく感じられる。
島に住むという魔女の正体と、それぞれが失ったものが何かということを鍵に七草視点で物語が進むが、ミステリという感じではなく、登場人物それぞれの言葉や行動に浸ってしまって気がつくと吸い込まれている感じ。
失ったものが何かという謎が明らかになってからの展開は、それこそ痛々しくて、読んでいるこちら側まで喪失感に襲われてしまいます。
悪くないラストだと思うのですが……これ、シリーズ物なんですか? という感じ。
続き読んでみようか。
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おもしろい!設定が今までにありそうでなかった感じ。
主人公とヒロインがメインになってるからか、他の登場人物は出てきてもさらっと扱われる。
でもたまに重要なセリフをさらっと言い残す。
あとは同じフレーズを何回か使うことが印象的。
読んでいて、夜明け前の海岸線がイメージとして浮かんだ。
澄んでいてきれいなんだけど、どこか不安が混ざるような世界観だなと感じた。
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評価も高く楽しみにしていたのだけど、なんだか尻つぼみな気がする。真由の正義が鼻についたけど後半に「なるほど」と納得はするんだけども・・・・うーん
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もともとファンタジー系が苦手な私が、ブクログで見つけて、更に本屋さんで発見して勢いで買っちゃいました。
読めないことはなかったけど、やっぱり世界観に入れませんでした。
きっとファンタジー好きな人が読んだら、良い作品なんだろうなぁ。
ごめんなさい(T ^ T)って気持ちデス。
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やり場のない寂寞とした気持ちや、諦めのような静けさでつくられた小説。
この静けさに共鳴できて、寂しさがむしろ心地いいと感じるかどうかで人によって評価が変わってくるのだと思う。
最後の最後の結末が中途半端だったことこそ残念だし、これはミステリじゃないよという指摘もある。確かにそうかもしれないけど、結末が衝撃的だとか、話運びが良い悪いとか、そういう評価の指標上にこの物語の本質はないような気がします。
言葉にできないことを表現する一文一文に、とてつもない価値があると感じられる作品だった。
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「僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。」住人の誰もが、なぜ、どうやって、やって来たのかわからない。そこは階段島と呼ばれる謎の島。そこから出る方法はたった一つ。失くしたものを見つけること。失くしものとは一体何なのか?
独特の語り口調、独特な言い回し、それらが作るミステリアスでゆるい雰囲気を全体にまとっている。事件は起ってるけど空気に抑揚がない、物語は進行しているけど進んだのかどうかわからない、全体的にとっても静かで不思議な空気をまとったお話だが、ファンタジーともちょっと違うのかな?ライトノベル版村上春樹という感じ。合う人にはすごく合うし、合わない人は全然だめだろうと思う。かくいう私は、どっちでもない。でもこの空気感は嫌いじゃない。印象的な言葉や心に残る表現も結構あったりして。
諦める事になれていて、一見主体性のないように思える主人公の、内に秘めていた気持ちが分かった時、心がジーンとした。
全体的にきれいにまとまってると思うので、続編はどうやって持ってくるのかが気になるところ。魔女が絡んでくるのかな。
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不思議な世界で、青春時代の恋愛、ミステリー、自分探しが重なった素晴らしい本でした。今まで、ライトノベルを何度か読みましたが、設定がいい加減、話の展開が不自然、ストーリーの未熟さが目立ったものが多かったが、これは、面白かった。でも、不思議ならば、また、不満ならば、真辺のように調べて回るのが普通のような気がする。主人公のように、七草のように疑問をそのままにするのは、ふつうないと思うが、
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すごくサクラダっぽいなあ、と思ったのは、繋がってるようで閉じた環境とちょっとこじれた性格の男子学生主人公だからだろうか。
とてもきれいな…理想を掴んだみたいな話だった。
一緒にいるために変わることと、変わらないまま一緒にいること。
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僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定しいた僕の高校生活を一変させる。『ここは捨てられた人たちの島だ。この島を出るには、○○が失くしたものをみつけなければならない』その失くしたものとは、島に秘められた謎。
とても読みやすかった。不思議な世界観が好き。失くしたものに気付いたとき、あーそれかーとなんだか納得した。主人公の思いがなんだかくぁーってなりました。