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捨てられた人たちが集まる島、という設定。最初はどこか闇を抱えた不幸な人たちの集まりかなって思ってたら終盤で明かされた秘密にびっくり。
ミステリ作品ということで主人公はしっかり探偵役を担っていました。登場人物も癖がある人ばかりです。
オチが素敵だったのが印象的。
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七草くんが、どうやっても「戯言シリーズのいーたん」にしか見えなかった。西尾維新作品の主人公の男の子みたいな、そんな印象。冷めてて、孤独で、諦めてる。でも自分の為と言って他人の為に自分の全てを投げ出す。
由宇ちゃんは読んでて苛々したなー、お前のそれは正論でなければ理想じゃないって何度も思った。それはただの我が儘だって。
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とても好きな空気感。
不思議な設定とゆるやかに流れる階段島の時間はどこか穏やかで切ない気分にさせられた。
シリーズものらしいので続きも楽しみ。
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すごく好みのタイトル。サクサク読めました。
外界から隔絶された地図にも載っていない謎の島「階段島」。島民たちは捨てられた人々。全員ここに来た時の記憶がなく、自分がなぜここにいるのか知らない。この島をでる条件は失くしたものを見つけることだけ。
三ヶ月前にこの島に来た僕(七草)の穏やかな生活は、いるはずのない彼女(真辺)との再会で一変する。
読み始めてから終盤までこの島についてよく分からない。語られる魔女の存在。遺失物係の灯台。矛盾は「なぜか分からないけど、そうなっている」らしい。だけど居心地がよくて「そうなんだ」と、この世界に馴染んでいく感覚。まさに島民気分。
高校生ならではの理想への潔癖さ、まっすぐさ、悶々具合がなんともよかったです。
「たったひとつだけ、護りたいものがあった」
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新潮社創設100周年となる2014年9月から新設された新レーベル「新潮文庫nex」の一冊。アンソロジー一冊を含む計六冊での出発で、一冊が賞を受賞した新人、残りの四冊でライトノベルのレーベルで実績のある作家を採用している。アンソロ以外の五冊の中からどれかを選ぼうとなったのだが女性向の作品も多く、消去法に近い形でこの本に決めた。著者の河野裕は角川スニーカー文庫のサクラダリセットの作者であるが、こちらは未読。
昔、ライトノベルを中心にセカイ系なるジャンル(というかレッテル)があったが、一応その系譜に連なる内容であるだろう。あのレッテルは「こんな広い世界が主人公とヒロインに振り回されるのはおかしい」という揶揄であったわけだが、この作品はその世界自体が閉じていて小さいということが最初に提示されているので、精神の力学が作用しても特別違和感は無い。にも拘らず結末は主人公らの内的な変化のみに終わるわけだが、確かにこういう落としどころがいいかもしれない。
2015年春に第二作が刊行することが帯に明示されているが、どういう内容になるのだろうか?世界設定自体が主人公たちの内面を描くための設定に思えて、その話は綺麗に完結していると思うのだが……。
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新しくできた新潮文庫nexは女性向けの作品が多いのですが、これは男女どちらでも楽しめる作品だと思います。
最初は七草や由宇の性格があまり好きではなかったのですが、話を読み終えてみるとお似合いの二人のように感じます。ただ悲観主義者というのも違うし、由宇に対しても理想主義者というよりは我の強いだけ、というような印象を受けました。
さまざまな問題を抱えた登場人物が多くいますが、解決していない人も多いので、いまいち消化不良が否めません。ただ七草の考え方については共感できる部分も多くていいなと思いました。
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シリーズの第一巻なので、いかにもな感じで続きを匂わせる終わり方だった。次巻からは階段島で「魔女」の正体を探る展開になりそう。
内容は「人が死なないミステリ+ファンタジー」みたいな感じで、「階段島」の仕組みが明らかになっていく。
物語の終着点として「主人公と真辺由宇が揃って階段島から出て、現実との戦いはこれからだエンド」か「真辺由宇だけが階段島を出て主人公は残るエンド」しか無いじゃないかな…
魔女の正体は郵便局のお姉さんじゃないかな…作中で成長の象徴である階段を普通に登れてるし…(魔女の正体が個人だとして、1巻で出てきてない人物が魔女でした、はあまりにもフェアじゃない思うし)
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冒頭、安部公房的な話でも展開するかと期待するが1ページくらいで、あ、違うと気づく。あれか?Angel Beats的な何か?いや、本人がそう喋っちゃってるし、それじゃあんまり。まあ、あまりそこだけ気にすると損します。
そんなことより、これは、村上春樹フォロワーですよ。だいたい、最初から、会う人ごとに違う「本のタイトル」を以て呼び名とするような登場人物を相手に、妙にスカした会話で話が展開するなんて、初期の春樹そのものでしょう。ということで、これは、「村上春樹はラノベであった」ことを実証しようとした実験的作品です。え?新潮はラノベレーベルと認めていない?いやいや、ラノベレーベルなんてものは、読者が「あれはラノベだ」と断ずることで発生するものですよ。
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新潮NEX創刊に際し、店頭で大々的に推されていた作品。面白かったです。意図したのかそうでないのか、村上春樹作品との類似が感じられました。鼠のかわりに百万回生きたねこが出てきたり(そしてしばしば含蓄のある言葉を残す)、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」にあるような、二つの世界が垣間見えます。主人公が同級生と出会って感じた怒りの理由が終盤に明かされ、今後の展開に期待が持てました。
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『階段島という捨てられた人々』
タイトルと表紙が非常に良い。
どちらかに惹かれたらぜひ読んでほしい。
内容は青春ミステリという感じなんですがミステリ要素はそんなに濃くないです。
作者の河野 裕の作品(サグラダリセット)の雰囲気が凄い好きなのでこの作品もとても良い。
独特の空気感があります。
続刊らしいけどこれ一冊でも十分面白いです。
是非。★4
ーーーーーーー微妙にネタバレーーーーーーー
表紙とタイトルに帰着する本ってぴったり当てはまるとヤバいですねー。
はずした時もデカイですが・・。
この本はもちろん前者。
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やっぱりサクラダリセットの作者だな~と思う感じだった。島についてわからないわけじゃないけど、まだ謎は残ってるから続きが気になりますなぁ。
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主人公のシニカルさや、淡々としているけれど独特なリズムに最後まで慣れませんでした。
中二病と村上春樹が混ざったような、というか……。好きな人は好きだと思います。
最後の最後で畳み掛けるように「階段島」の正体や登場人物の「なくしたもの」が何なのか明らかになりますが、読者に考える余地を与えてくれないのが勿体無い。
ちょっと独りよがりな小説かなあと思ってしまいました。
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なくしものを見つけないと出られない島。安らかな生活。山の魔女。再会する彼女。彼女はどこまでも真っ直ぐでどこまでも正しい。世界は美しいと信じている。彼女=真辺はいつだって清らかで、いつだって誰かを敵にする。自覚なく、言の葉の刃で。
言葉は不完全である。何もかも伝えられるとは限らない。
学校が怖いのにどうしようもなく教師でいることから離れられなくて仮面をつけている先生。言葉が苦手で手紙を書く女の子、ゲーム音楽を聞いていないと耐えられない男の子、どこか欠点のある彼らが果てしなく愛おしい。
なくしたものを見つけるまでの理想郷、緩やかに流れる時間、世界と繋がっているのに世界から忘れ去られている。何にもとらわれず日々の暮らしには困らず、世界から忘れられて仲間と過ごす。ある意味理想郷に思えた。
空気が非常に良い。真辺の纏う空気と七草の語り口がごく自然でそこに当たり前にあって。世界にいると脆くて生きていくために色々なものを捨てていかなきゃいけない。私がなくしたものもこうしてどこかでひっそりと生きているのならば、どこか救われる気がする。
主人がなくしものを拾うまで待つ身としては救われるところじゃないのかもしれないけど、何も知らなければ幸せに暮らしていける。それは優しさだ。
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ポイントで購入。正直面白くなかった。設定とか分かりやすく文章も読みやすかったけど、登場人物が一方的で自己中心的で感情移入出来なかった。
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こんな風に一人の人間を洞察し、深く理解する・しようとする、そしてどうにかしようとするのは青春ならではだろうな。それでも自分が興味ある人物か、余程身近に関わる人物に限られるだろうな。私のように歳が行ってしまうと、そのような事に気も時間も割いていられなくって^^;「階段島」シリーズ開幕って書いてあるけど、この二人の話はこれで完結でも良い様な…。次は別の人物が主人公になるのだろうか?