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「独白する~」に続く著者の代表的な短篇集。表題作の【ミサイルマン】には感心。極悪でダメダメな二人組の掛け合いと作家の描写力・比喩力に黒い笑いがあり吹き出し意表をつく展開。ランズデールとかタランティーノを彷彿とさせる。そしてラストはアメリカン・ニューシネマのような終わり方。【枷】もよい。癖のありすぎる人物造形が印象深い。ぜひこの著者の入門としておすすめする*要鬼畜耐性
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平山夢明先生、連読み、とりあえずのラスト作品。
『独白する~』は☆4に近い3。『ミサイルマン』は☆2.7とか2.8の3。単体で好きなのは「枷」「それでもおまえは俺のハニー」。相変わらずの鬼畜系(笑)にホラー、SF…と今作も作風様々。
『独白する~』と読む順番が、逆だったら、印象が変わっていたかもしれない。また、この本に関しては、順番を無視し、ランダムに読みすすめたので、感じ方も変わったのかな?
後日、頭~流して再読してみるか…。
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『鬼畜系』というものらしいです。
生理的嫌悪感があるグロさ。
でも意外と心理的ダメージのあるエグさはない。
気持ち悪さがそれほど後を引かないのです。
どの話も物語の終わりには何だか爽快感すらあります。
不思議な感覚ですね。
グロをエンタメした作品集です。
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「テロルの創世」なぜかこれだけ読んだことあったけど、好きな作品。この作家さんの作品はグロテスクや狂気の表現が突出しているなかで、純粋に世界観や展開にぞっとする。平山作品入門にもおすすめかと。。
「枷」“顕現”を蒐集するために人を殺す父の話。“顕現”というフィクションであろうものと、それを追及することが当然であることが妙なリアリティを持って存在感を持って、最後の展開までまとめている。この作家さんの発想と、それを小説で実現させる想像力にはドキッとさせられます~
「それでもお前は俺のハニー」キャラクターとともに、語りも粗暴に。極めて限定された世界と価値観のなかで展開される小さなお話、でもその説得力と胸糞悪さはさすが。。最後の展開はそうきたかと。
「或る彼岸の接近」リストラを機に移った家で、怪奇に見舞われる一家のはなし。安寧の基盤である家庭をじわじわと侵食される展開が気味悪かった~
「ミサイルマン」狂った倫理観を狂ったまま、現実的に非現実を描かれるような、変な温度が癖になる。自らの価値観でなんてことなく殺しをおこなう彼らなのに、犯罪の露見を怖れて右往左往する、その感覚の両立が不思議。その結末は結局、社会性や法権力とは隔絶されて展開されるからこそおもしろい。
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平山夢明のぶっ飛んだ世界観は大好きなのだが、自分のような凡人には少し理解不能な時がある。最初の三作は最後まで読み切れなかったが、その後の作品はすべてとても面白いという好みの違いが歴然とした一冊だった。
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『人を喰うモノたちの物語』
個人的にはこの本には、面白いけれど、良くも悪くもあっさりとしていて、食い足りない、あと一押し欲しかった本という感想を持ちました。
構成としてはSF的だったりホラー的な物語を7編集めた短編集です。
内容としてはグロテスクな物が多いのですが、物語内ではそれが当然の事のようにあっさりと書かれている物が多く、あまりグロテスクには感じない不思議な作風です。
個人的に面白かったのは「枷」、好きなのは「それでもおまえは俺のハニー」「或る彼岸の接近」です。
「枷」では主人公の拘りの為の作業が(良い意味で)おぞましい所が、「それでもおまえは俺のハニー」では駄目な人間が自分なりに突っ走る所が、「或る彼岸の接近」では弱さを持つ人間なりに最後まで思いやる所が、それぞれに印象に残りました。
全体の感想としては、この本に収められている短編はインパクトのある環境設定に変わり者ながらも感情を持つ登場人物を置いてショッキングな出来事を展開させており面白い短編集でした。
しかし、短編であるからなのか、それとも作風からなのか、衝撃的な出来事が展開されても余韻が少なくあっさりと終わるといった印象を感じました。
総じて面白いだけに、個人的にはもう一押し欲しかったという感想です。
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短編集。
平山さんの作品は初読み。
う〜ん、話によって面白さに大きく差があり安定してない印象。
面白い、面白くない、という判断基準は、グロテスクで残虐な描写がうまく生きているものとそうでないものがある。
『けだもの』はただただ面白くなかった。
『ミサイルマン』は面白かった。
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平山夢明だなぁ~って言うエグさ全開。
タイトルが曲名とは知らなかった。
なんだか癖になるグロさ。
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相変わらずグロイ。“枷”は、独白する~に近い感じ。きつい拷問。でも意外とすっきり。最後の“ミサイルマン” は内容も雰囲気も洋画って感じだけど、独特のじめっぽさがあって気持ち悪さがすごい。
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バイオレンス、グロテスク!
鬼畜系と言われるこの作家。でも、無性に読みたくなる。
強烈な刺激が欲しい方、オススメです!
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『独白する〜』以来の短編。相変わらず上質なエログロ濃縮還元ミックスジュースのごとき味わいで、惚れ惚れしてしまいまいした。中でも、平山流地獄変『枷(コード)』の凄まじさは格別。狂気と人類愛は同時に存在するとき、最大の奇跡は起きるのです(それが素敵なものかは置いておいて)。他にもゲロ臭の中にただよう一筋の希望にこちらまで鼓膜がつんとする『それでもお前は俺のハニー』、海外ホラー映画でおなじみ「幽霊屋敷」を昇華させた『或る彼岸の接近』は実話怪談出身の平山夢明ならでは。彼が繰り返し作品で描くのは「どん底・キ印・クズが行き着く先で見つける人間らしさのかけら」だと思うのですが、それまでのプロセスの異様さ、バラエティの豊かさがすごい。『それでもお前は〜」の夥しい数の黒電話とか、視覚的なインパクトがすごい。
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"短編集。
生きる意味を改めて考える。
少なくとも私の日常とはかけ離れている世界で起こるメロドラマの数々。"
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「テロルの創世」
本体に何かあった時のために、クローンの子供しかいない街。親は政治犯罪をした人がなる。メインとなる種族はリュミエールと呼ばれ、クローンはオンブルと呼ばれる。
平山作品は無国籍感がどの小説でもある。だけど、独自の進化を遂げた未来が舞台の作品は多くはない。短編の名手だけあって小技が効いている。
捕まった殺人鬼はリュミエールの偉い人の子なのでオンブルの子供を殺しても大して罪にはならない。
オンブルの親は子が使われると、次の街に移って行く。街の番号は1から5まであって、五巡街にいる人たちは度重なる子との別れで精神に異常をきたしている人が多い。
主人公の巳影は、殺された女の子のリュミエールに会いに行く。その人は、もう疲れたと言って、逝ってしまった。巳影は自分のリュミエールに会いに行くことにする。少年漫画みたいでワクワクする終わりだ。
「Necksucker Blues]
顔の焼けただれた男は、あるバーの女、ブルーに血を吸われる。それは陶酔感があって気持ちが良い。だけど女は、あるデブ男の血が最高だという。男はデブを殺して血を作り上げるレシピをもらう。そのレシピには断食をして、スパイスとハーブの効いた食事をして、ゴキブリを生で食べて、赤子の血を吸う書いてある。それを実践した男は完璧な血となってブルーの元に現れる。ブルーは男が動けなくなるまで血を吸った。その後ろから殺したはずのデブが出てきた。デブは食人鬼で男を食うために全てを行なっていたのだった。店の名前は山猫亭。
短い話で平山夢明版の、注文の多い料理店。本当に嫌なことを書くのが得意だ。
「けだもの」
テオの父は狼男。父は死を望んでいるが、テオはなかなか銃を撃てない。娘が死んでテオは父に犯人を探してくれと依頼した。犯人は刑事でテオも父も返り討ちに会うが、テオは父の心臓を食べて狼男になって刑事を殺した。
ファンタジーな話が出てきて驚いた。バラエティ豊かな短編集だ。
「枷 コード」
男は顕現と呼ぶ現象を求めていた。ある女を拷問して殺した時に電球が光った。その顕現の成果を集めている。フォークが曲がったり、レンガが飛んできたり、服が燃えたりと顕現の種類はたくさんある。
男は誰彼構わず殺さないようにルールを決めていた。それはレコード屋から聞いたコレクターの話。コレクターとは病気のようなものなので、ハワイアンとかジャズとかジャンルでコレクションすると金が持たない。なので、これは良いとか、これは買わなくてもいいとかを決める。だが、枷は一度はめると外せなくて、ルールに合ったものは絶対に買わないといられない精神状態になる。男が決めた枷は、関わっている芝居と同様の装飾品を身につけて、13歳から29歳で、ヒロインが唱えるセリフを一文でもいいので言う事。
男は義理の娘と帰っていると、娘がその枷にハマることを言った。装飾品もつけていた。娘で顕現を発生させようとするが何も起こらなかった。その後に演劇の練習をしていると、耳が落ちて、家に帰る頃には四肢と耳鼻が無くなっていて、女たちに見せてきた鏡の前で自分の姿を見ている。虫が湧いていて死んでいるこ��も理解しているが、ただそれだけ。娘は見事に顕現を発生させた。
コレクターの例えを殺人鬼に当てはめるのは面白い。男が行っている演劇の練習で、演出家が言う殺人鬼の話が定型文で、そのような物事とは違う男の殺人理由との対比が滑稽。
ドロヘドロ的世界観を感じたので林田球に漫画化してほしい。
「それでもお前は俺のハニー」
エミの家には一階から二階まで大量の黒電話が置いてある。死んだ息子からの電話を待っているそうだ。だがその音は聞こえるものには聞こえないので耳を潰した。
日本は高齢化社会というが、主人公も50歳を超えていて年齢が高い。だけどテンションも高い。エミは見た目は80歳というが実際もそれくらいなのだろうか。その年でヤリまくって体売るのは健康的な日本人だ。
ずっと鳴る電話に辟易して、男が自分で耳を刺す。エミと同じになって逃げ出して暮らす。これは純愛だ。
「或る彼岸の接近」
50歳も超えて会社をクビになった。安い家を探していると一軒家が見つかり住んだ。その家の庭には墓みたいな石が積んである。
男はタクシー運転手として働き出したが、新しい家に引っ越してきてから妻の調子が悪い。逆十字架を飾ったり、健康に良いからと変な食事を作ったり、ヨーイチという人形を買ってきたりと変わった行動が目立った。
ある日タクシーを走らせていると変わった客を至るとことで乗せた。どの客も自分の家の裏に降りて行く。家の中には入れずに家の窓を見ると、妻が異形の者どもに囲まれて息子を殺そうとしていた。庭の墓からホースが蠕動していて刺すと家の中に入れた。家に入ると何ごともなくて、仕事に戻ると妻が息子を殺したと連絡をしてきた。妻が殺したのはヨーイチだったが、妻の中では息子を殺したことになっているので、病院に見舞いにくる息子のことも分からない。男は家族で行った公園の油彩を、いつも妻に渡す。
何かが変化している怖さがある。ヨーイチの位置が冷静に見ると入れ替わっていたりする。変化は確かにあるのだが登場人物は気づかない。怖い。
妻がつぶやいていた、フタグンとかを聞くとクトゥルフっぽい。
「ミサイルマン」
暇つぶしをするように人を殺す、男とシゲ。いつも残酷に殺して弄んで山に捨ててしまう。あるデブ女を殺して埋めるが、鳥が掘り出したのか女の顔が木に引っかかっててニュースになる。シゲは女に財布を盗まれたので、ぐずぐずになっている女の元に行って漁る。その時からシゲの手が荒れてきて、これは呪いだと言う。呪い返しをしようと、また女の元に行くと、頭の変な旦那と猫がいた。シゲを呪った人形を奪おうとして、みんな車に轢かれた。男はシゲの言う通りに、ボディを車に乗せて南に向かった。
男が河川敷で遭遇したのはキリストだとシゲは言った。その時にはハデスと聞こえたと言う。二人の行動は聖書に関連するものかもしれないが思いつかない。パッと見はソドムとゴモラの住人だけど。
ラストの南に行くところは青春小説って感じがする。全体的には時計仕掛けのオレンジかな。
男とシゲはミサイルマンの歌詞の通りに、何か食いたかったんだろう。それが殺しなのかは分からないけど、とりあえず破壊しているのが気持ちがよかったのかもしれない。あまり理由を説明しないのが良い。
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こちらも短編集です。っていうか平山さんの長編作品って『ダイナー』しかないのかなあ。相変わらず好き嫌いがはっきり分かれる作風ですが、もちろん自分は大好きです。そもそも小説って、安易に可視化できずに想像力を掻き立てる類のものほど輝いていると思いませんか?
近未来を舞台にした異色のハードSF「テロルの創世」に始まり、女吸血鬼への愛が哀しい「Necksucker Blues」、こちらも血の物語「けだもの」、コレクター心理を殺人鬼に重ねた「枷」、これこそが本当の純愛と言っていいのか、電話の中で愛を叫ぶ「それでもおまえは俺のハニー」、ありがちなホラーだけどラストが悲しい「或る彼岸の接近」、ハイロウズの名曲をバックにした表題作「ミサイルマン」と、どれも面白く読めました。一番良かったのは表題作かな。ドライブ感が心地よく、穴を掘りにいったシーンなんかは最高に笑えました。
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ブックオフオンラインの特集で気になっていたもの、だったかな。そもそもSFが苦手っていうのがダメなのかもしらんけど、グロとSFを融合されても、ただ意味が分からなくなるだけで、自分的にはメリットゼロでした。表題作とその前のタクシードライバーの短編が、まだマシな方だったけど、それらが無かったら☆2つにするつもりでした。それにしても、あまりにスプラッタな描写ばかりが連続すると、何だか感覚が麻痺してきてしまって、飽きて読み飛ばしちゃいますね。それもまた残念な点。