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【本の内容】
丸亀藩に仕える足軽が斬殺された。
娘のりやは剣の腕を磨き、父の仇を討つべく江戸へ。
供の村瀬藤馬と助け合い、ついに藩主の御前で仇と相まみえる―表題作のほか、関白豊臣秀次と剣豪富田景政の悲しき別れを描く「一の人、自裁剣」など、深い余韻が残る傑作四篇を収めた時代小説集。
[ 目次 ]
[ POP ]
安心して身をゆだねることができる時代短編集。
四編とも読後、胸におちるものがある。
その方向はすべて異なるのだが、どこか深いところにちゃんと届いている。
表題作は、お約束の展開とわかっていても、おはなしのうまさと、ヒロインのりりしさに魅了されて一気読みの好編。
冒頭、こんぴら樽の奉納シーンの甘酸っぱさは、これでもかといわんばかりの初恋の味である。
『瘤取り作兵衛』は、おはなし好きにはこたえられないうまさがある。
私はむろんだまされた。
一つ一つのエピソードも読ませる。
例えば、秀吉のお茶目な大人物ぶりと、作兵衛の愛すべき豪勇ぶりがうかがえる会見シーン。
わずか6ページだが、胸がすく。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
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