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代理母出産。
呼び方ひとつとっても、依頼人は晴れやかに「プロジェクト」と呼び、
引き受けた者は「ビジネス」では腑に落ちず「取引」という言葉を充てがう。
第三者はそれを「搾取」と批判する。
それぞれで見えてるもの、生きてる世界が、あまりにも違う。
「お金で頬っぺたを叩いた」って台詞が印象に残ってる。
追い詰められた末の選択について、自己責任だとか本人の同意を得てるとか言い切ってしまうことがいかに残酷か。
良識ありそうな人もナチュラルに傲慢で、この世のしんどさになかなか読み進められなかった。
え、あなた倫理で悩んでましたよね…?結局そうなっちゃうの?
主人公リキと一緒に絶望し果てた。
最後の展開はこれぞ!って感じのパワフルなものだったけど、
そこまでの力強さがなくても生き延びられる社会の方がいいに決まってる。
読むだけでヘトヘトになったことを忘れずに抱えていこうと思った。
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東京に行けば何かあると思い出てきた地方出身の女性が、非正規社員のままで貧困に苦しみ、お金のために代理母になり、本人、依頼した夫婦の葛藤や迷い、悩みを描いた作品。ラストがあか~ん。ネタバレになるので言わないがこのラストは嫌だった。子供は物ではない。自分の遺伝子を残したいからとか子供がいて人間としてまたは家族として完成するから必要なんて物ではないと思う。心配しないでも自分の遺伝子なんて遙か彼方のホモサピエンスから枝分かれして受け継がれてきているので、自分の子供というものにそこまで拘らなくてもいいと思う。今回描かれている大人は全員身勝手で、一番の被害者は子供だった。
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いろんな格差、経済、性など様々な問題を含んでいるけれど、本当に子供が欲しい人にとっては、あまり気持ちがよいものではないだろう。
登場人物がすべてダメダメで、ある意味りりこがいちばん真っ当にも見えてくる。
最後は予測通りの結末かな。
とはいえこれは小説だから終わりだけれど、子供だけには幸あれと願う・・・
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重たいテーマだなぁと。
遺伝子を残したいという気持ちは分かるけど、自分の夫が、赤の他人を代理母として子供を作ると決めたら、妻としては、、うーん。
重たい話だけど、登場人物がわりと気楽な人たちで救われる部分も。でもちょっとはちゃめちゃかなぁ。。妊娠出産をこんな風に扱うのってどうなのかなとか、やっぱ現実的じゃないのかなと思えた。
でも
最後、そうきましたか。
物語の終わり方としては、好き。
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またしても重いテーマだ。
子供を持てない夫婦が、第三者のお腹を借りて子供を手にするという。
それについての葛藤と、論議、それにしてもあけすけというか、率直な物言いにちょっとついて行けなかった。
店内の皆が耳をそばだてている中でなされるそういった話。
読んでいても耳をふさぎたくなった。
でもやはり結末は気になるので、最後まで読んでしまった。
結果、割と普通の終わり方で拍子抜けした。
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男バレエダンサーとイラストレーター夫妻
40歳。不妊治療。子供ができない
代理母に派遣女子28歳がなる
双子を産む。男の子は渡し、女の子を抱いて一緒に暮らすことにした。
ダンサーの母は遺産が息子の死後、妻が相続すると血縁のない妻の親戚にいくのを避けたいので代理母を薦めた
代理母の報酬、1000万円を請求
日本では認められてないので偽装離婚、偽装結婚。実家に結婚の連絡した時、元カレと寝てしまう。女性用風俗で買った男とも寝てしまう。酒を飲むのも禁止されていた。
ダンサーの妻にはそれを知らせた。
妻の友人、女春画家、処女に気に入られ
大きな屋敷で産後は暮らす。毎日、ダンサー夫婦か会いにきた。
ダンサーの前妻はダンサー。イラストレーターの妻は元ファン。略奪結婚。
前妻はデンマーク人ダンサーと結婚
Instagramに子供達の写真をアップ
卵子提供50万円を派遣仲間から紹介された
最終面接で代理母を依頼。300万円。
派遣の月給14万円。ボロアパートの引越し費用を出してくれる。
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代理母出産の話。400ページ越えの長編の割にスラスラ読めた。
代理母とそれを頼んだ夫婦それぞれの心情の変化が丁寧に書かれてた。
食いつきやすそうなテーマではあるけど、なんとなく軽く扱ってる感じがしたなぁ。ラストにはちょっとびっくりした。
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読みやすくてサクサク読んだし、
面白かったんだけど、
出てくる女がバカすぎて呆れる
テーマも目新しさはなく、
わりと使い古されたものだな~
と思った
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世相を掴み、斬新で興味深いストーリーに目が離せなかった。厄介でデリケートなテーマを重苦しくなく描く手腕は秀逸。草桶夫婦やりりこ、リキらの会話が真剣である程、人間のおかしみ与えていた。
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あの分厚さをあっという間に読了。
不妊治療、代理母出産、独身女性の貧困など、現代ならではのテーマ。
もし日本で代理母を探すとしたら確かにリキのような人になると思います。
そこがすごくリアル!
最後の1ページに驚愕して「えぇー!」っと、なりました。
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揺れる揺れる。とにかく揺れる。貧困に疲れた非正規雇用 の三十路直前の女性、自分の高貴なる遺伝子を残したい元バレエダンサーの夫、子供を望みつつも年齢や体質により叶わないことを告げられた40代の妻。代理出産のステージが進むにつれて登場人物達の心情や考えがフワフワと二転三転する。一方で母体となったリキ以外の人物は当事者であっても徹底的に他人事として接する姿が描かれている。自分の身体に直接的な変化が起きないだけで悪気なく人をモノのように扱えるのか。自分の身体を痛める、痛めないことの違いが自分事感に直結している。腹が大きくなるにつれて赤子の引力が増して行き、周囲の人々が衛生になる。
代理出産の話が進み、蚊帳の外と感じるようになった40代妻の他人事感が、『妻が妊娠しても父の自覚が芽生えない』いまだ蔓延る一般論の性反転に感じたけれど、身体を痛めず自分の遺伝子が関わらなかったらそんなもんなんだろうか。いや、でも『普通』の父親は自分の精子がちゃんと関わってる訳で、鏡ではないか。
子供の人生は子供のものと考えるのはアセクシュアルの女性のみで(この人も最初に出てきた時はヤバい童貞おばちゃんでしかなかったけど、話が進むにつれてこの人が一番しっかりしてるんじゃないかという気になるから不思議)、子供を欲しいと思う気持ちは本当に親のエゴでしかないなぁ。貧困の再生産が目に見えていても、そこに愛情があればやっていけると思うのは親だけであって、子供は環境を選べない。愛知の友人と違い主人公とその娘に少し光があるとすれば、当面の生活費は心配しないでも良いくらいか?
桐野夏生は昔(OUTや柔らかな頬など)の方がもっと人を追い詰めるようなヒリヒリした作品だった気がする。今も人間の汚い心情は上手く捉えているけど、少し遠くから見ているというかアッサリしているというか。
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貧困に悩まされお金の為に『代理母』になることを決めたリキ。
ビジネスと決めたはずだった。揺れ動く心。
こんな話しは日本であり得るんだろうか。富裕層は何でもお金で買えるの?
子産みロボじゃないんだから、、 https://t.co/M29LxS8k18
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面白いのは
きれいごとじゃなく
ほぼすべての登場人物の
自分勝手さ
第三者の目から(読者)からすると
笑えてくるぐらいです
リキも貞操観念が低いし
勢いで物事を悪い方にしちゃうし
依頼側夫婦も勿論
自分たちのことばっかり
同僚も セフレも元上司も 友達も
節操ないな
でも こんなもんですよね
代理母の話で これほど
子供の存在が希薄でいいのか
そこを鋭く書かれているのが
面白いんですよ
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恥ずかしながら、私は日本でも代理出産をしている方がいることを初めて知った。
全く無知の中で、どのような人間模様があるのかを知るのに、非常に興味深く読ませてもらった。
どの人の立場から見ても複雑な事情と感情を皆持ち合わせる中で、最後どんな結末になるのか、何が良いのか私も分からず、ドキドキしながら読み進め、…結果はぜひ読んで欲しいのですが、私的にはとても清々しく、正論だと思い。
非常に重いテーマだったものの、読後感はとても良かった。
ぜひ特に若い女性に読んで考えて欲しいなと思いました。
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子を宿すということ、産むということ、親になるということに関する複雑な感情に触れることができた。合理では片付けられない人間らしさが詰まりに詰まっていて、非常に読み応えがあった。