妖婦と童貞 みんなのレビュー

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投稿者：さやまん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

学生運動で世の中が騒然としていた時代。
二十歳のノンポリ大学生が、家庭教師先の奥さんにアパートを訪ねていってもいいかと聞かれて……。

良くある導入（官能小説では特に）ではあるが、どこか淡々とした描写で主人公の初体験の様子を、童貞らしい興奮と感激とともに綴られていく。
それがかつての記憶であり、夢であることがわかって逆に腑におちる感じ。
主人公は今や七十を超えた独居老人ではあるのだが、孤独のイメージはなく意気軒高で……今日も四十歳ほど年下の女性と淫らな行為を楽しむ。
初めての相手の影響を自覚しつつ、昔を仲シミ、今を楽しむ……エロティックでありながら落ち着いた読み味だと思う。