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「おばあちゃん、何を訊いてるんだって顔で私を見て、『だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう』って言うんです。この町で生まれて、東京へも外国へもいったことがない、そんな祖母にとって、本っていうのは、世界への扉だったのかもしれないですよね」
ということで、前から積まれていた1冊。
マミーは、「すごく寂しい」って言っていたけれど、私はそうではなかった。
好みかと聞かれたら、あんまり、、な物語もあったのだけれど。
表題作の「さがしもの」それから、「ミツザワ書店」が好きだった。
そして何よりも一番最後にある角田さんのエッセイが最高だった。
本に対しての姿勢が、非常に共感した。
つまらないという本はない、というこの考えが、すごく好きだった。
この部分だけでも、心に留めておきたいなぁ、、、★
【10/12読了・初読・個人蔵書】
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短編集。
さがしもの。
誰にでも探しているものはある。
自分がさがしているものは何かな・・・と考えさせられた1冊
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本を巡る9つの短編集。どの物語からも、著者独特の優しい言葉で本の持つ魅力を感じることができる。現実に起こりえないような奇跡的な展開にも、本には、もしかしたら、そんな不思議な力があるかもしれないとさえ思う。読む前より更に本を愛しく感じるようになる。それぞれの物語に登場する「本好き」な人物のセリフや所作には著者の本に対する愛情が込められており、「本好き」な読者がワクワクする言葉が鏤められている。私のお気に入りは「引き出しの奥」。最後の一文には鳥肌が立つ。タイトルの意味を考えるのも楽しい。あとがきエッセイも良い。とにかく、著者の愛情に溢れる文章に触れると私たちが使う言葉がどれだけ素敵か気付けるはずだ。
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単行本のときも読みましたが、タイトルが変わった文庫版も、もちろん読んでしまいました。
何度読んでも、いいなぁ。
本好きにはたまらない内容だと思います、これ。
中でも「ミツザワ書店」「さがしもの」が好きです。
やっぱり私は年寄りものに弱いのか(笑)
この短編に出て来る「本」はほとんど(一冊もだっけ?)タイトルが出てこないのだけど、これは実在する本なのだろうか、それとも架空の……?
実在するとしたら、ぜひ読んでみたいと思わされました。
角田さんがあとがきエッセイに書いてらした言葉が、すごくよかった。
一度本の世界の旅に行ける、というのを味わってしまった人は、一生本を読み続ける……というような文なのだけど、それを読んで「それ、私私!」と思った人って、たくさんいると思う。
もちろん私もその一人です。
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本好きにはたまらない本!
『彼と私の本棚』が好き。本棚はそのひとを語るもの。読んできた本は、そのひとの一部だから。
あーあたし、本が好きでよかった!って思える本。
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本にまつわる短編小説集。
正直あまり共感できない話が多いのは、たぶん、最後の著者自信のあとがきで書いてあるとおり私はこの作品集とは「合わない」んだと思う。
自分が売りにだした本が世界中を着いてまわったり、マラリアにかかってるのに本を読むとか、ないよね、と思いながら・・・。
でもそんな中で唯一共感できたのは作品に出てきたおばあちゃんの言葉
「本を開けたらどこにでも連れてってくれる。」
そして最後のあとがきエッセイが一番おもしろかった。
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本の面白さが再確認できた本でした!
それぞれにとってのそれぞれの楽しみ方があるという!
なんてすてき!本!
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本と自分…
この関係について今まであまり深く考えてみたことは
なかったのですが、この小説は「本」を通してのドラマが
10のショートストーリーで表現されていて
その殆どが恋愛の要素を含む女性からの視点で見た物語でした。
違うものもありますが…
そのくらい本というのは我々人間の生活の中に密着した存在だと
改めて思いました。
最近では低所得と比例して世の活字離れが叫ばれていますが、
多分これは本の購入数から割り出したもので実際図書館などに
足を向けてみると大勢の人が利用している事実を
目の当たりにします。
自分もその一人ではありますが、
図書館の存在は本当にありがたいです。
この本「さがしもの」のショートストーリーのタイトルを
紹介してみると…
旅する本
…古本屋のおやじに「コレ売っちゃうの?」と言われた一冊の本を
売り、偶然自分の手放した本と海外の旅先で再会する。
本との出会いというのは人間同士の出会いにも似ていると
思わされた話。
だれか
…恋人との海外の旅行先でマラリアにかかった主人公が、
その宿に置き去られた片岡義男の小説を発見し旅の間中療養と
小説を読むことで過ごした思い出を語った話。
時の流れの中で本は時に不変的であり
時間を逆行させるものでもある。
手紙
…恋人と来るはずだった旅先の宿。
あちこちと立ち寄ってもひとりでは時間を持て余す。
そんな宿の引き出しの中に入っていた誰かが忘れていった本に
挟まれた手紙。
恋人へ宛てた別れの手紙らしいそれを読んで主人公は
いろいろと思いを巡らせる。
ありきたりの一緒に過ごした日常を幸せだったと綴った手紙を
書いた女性に対し、当たり前のことが幸せだなんて…
と思うのだが、次第にその女性の手紙のありきたりの幸せの中に
自分の恋人とのありきたりの幸せがオーバーラップしてしまう。
他者の考えを容れて初めて気づくこともあるのだ。
彼と私の本棚
…一緒に暮らしていた彼と別れることになった。
相手に好きな女性が出来たのだ。
お互いが本好きでそれをどの本がどちらの本
という様に分けることがこの引越しの一番の苦労だった。
まだ未練のある主人公はことごとく確認する。
自分が彼と一緒に居なくても平気だ、大丈夫だということを…
友人と笑い転げたりもできるし。と。
それが持ってきた本の一冊に彼との思い出を見つけ
塞き止めていた感情が一気にあふれ出す。
彼と一緒に感動しあって読んだ本。
本という世界を二人で共有し、
自分の一部にまでなっていたものとの別れの痛さ。
誰かと共有できる世界が本にはあり、
それはかけがえのない記憶であり、自分の一部でもある。
不幸の種
…付き合っていた彼が自分の友人と付き合うことになった。
彼が自分の部屋に来てよく読んでいた部屋にあるのに
見覚えの無い本。
そうだ、その本を目にしだしてから自分に不幸が続いている。
きっとその本が不幸の元凶に違いないと彼女は思う。
そしてそれを彼に渡そうと目論み、
彼と付き合っている自分の友人を介して
彼に本を返してもらうように頼むのだが
果たして時が過ぎ友人である彼女と再会したときに
例の本はそのまま友人が持っていた。
彼女を不幸にしたい訳ではなかったのに…
彼女はじつに二度結婚に失敗していた。
しかし彼女は不幸ではなかったというのである。
人が幸福か不幸かなどということは
他者には分かりようがないのだ。
不幸を何かのせいにしてしまうことで
支えられることもあるのではないかな…
引き出しの奥
…誰とでも寝ると評判の彼女が主人公。
食べに行く、飲みに行く、おごってもらう、送ってもらう、で、
自分がこの男性にしてあげられることは?
と考えたらどうしていいのか分からなかったのだった。
だから彼女は好きではない人と寝ることになる。
その一人から大学の近くの古本屋に伝説の本というものがあると
聞きクラスメイトの男の子とその本を必死に探す。
この彼とは寝るという関係にならずその後も伝説の本を
追い求める。
そして彼のことを特別に思い始めるのだ。
いつしか彼女はおごってもらう=寝るという考えが
自然に自分から消えているのに気づく。
誰かと理解り合えるという特別。
自分を理解ってくれる存在。
それを得た時に人は自分自身の存在こそもかけがえのないものだと
気づくのかもしれない。
ミツザワ書店
…この話しだけは主人公が男性であるw
書いた小説が新人賞を受賞してしまった。
おめでたいが大変なことになった。
たまたま書いた一作が賞を取れば
二作目も書かなければならなくなる。
「この喜びを誰に伝えたいですか?」
というインタビューに親だと答えるが
じつは彼には思いを馳せる人があった。
それは子供の頃から近所にあった古本屋「ミツザワ書店」の
おばあさんだった。
そして彼は高校のときにどうしてもこの書店にあった本に
魅了されて1度だけ万引きしたことがあり
その代金を持ってミツザワ書店に謝りに行くが
あのおばあちゃんは他界されていて
孫娘に今はもう閉めた書店を見せてもらう。
そこに自分が賞をとった作品をそっと置く。
広い世界を冒険したかったおばあさんは本を読むことで
いろんな世界を冒険していたことを知った彼は
ムリだと思っていた作品を書き続けることを誓う。
本はそこに居ながらにしていろいろな世界に連れて行ってくれる
スゴイものなのだ。
さがしもの
祖母がもう長くないと聞いた。
そしてまだ子供の主人公は毎日病院で祖母と過ごすようになった。
そんな時、祖母に探してくれと頼まれた本があったが書店に聞いて
もそんな本はないといわれるばかり。
そのことを祖母に告げたら絶対あると言い張る。
見つけられないままに祖母は亡くなって、
幽霊になってまで本はどうなったか聞きに来た。
それでも見つけられないまま時が過ぎ
ある日偶然書店でその本を見つけるのだ。
その本の中に書かれているエッセイの中に
祖母らしき人を見つける。
祖母はきっとそれが読みたかったのだ。
誰かが自分のことを描いた絵画のように…
そして主人公の女の子は社会人となりとある書店に就職し、
ブックコンシェルジュという係りになって
お客様が探す本を見つける。
「だいじょうぶです。必ず見つけます。」
人が探す本にはそれぞれの思いいれがあるのだ。
初バレンタイン
…バレンタインにチョコレートじゃなくて本を送ろうとした。
自分の人生を変えたと思った本を…
でも彼はあまり興味もなさそうで、その後二人は別れる。
ずっと時間は流れて今つき合っている夫になるはずの彼の部屋で
偶然その本と同じ本を彼女は見つける。
「どうしたのこの本?」
「はじめてつき合った子に貰ったんだ。」
なんという偶然。
彼女はその偶然に思う。
この本は人生を変えたと思ったけど
それはこれを読んだときではなくて
誰かに贈る為に選んだときだったのだと。
あとがきエッセイ 交際履歴
…この作者、いかに本好きな人かがよく分かるw
でもその書いてある内容にもとても共感が持てて
ウンウンとうなづきながら読んでしまった。
小さい頃読んだ本がとても退屈だったのに、
時を経て再び読むととても感動したり、
何度も読んだ本なのに再び読むと感想が変わっている
また再び読むと更に変わっているというように…
それは人間が常に成長をしている証でもある。
作者が本との交際履歴を書いたように、
読者の私たちが本とどのようにつき合ってきたかを
この作者…角田光代さんは聞きたくなりましたと書いている。
その言葉に自分と本のつきあい、
そこから分かることを考えてみるきっかけとなった。
本を書く人がいて本を読む人がいて、
本の表紙を開くことはいろんな知らない世界に飛び込むことで
そしていろんな人の気持ちを知り、
その中に自分の気持ちも見つけること。
自分の成長を計るはかりのようなものでもあること。
何気なく読んでいる本ってじつはスゴイものなのだと
気づかされた本だった。
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色んな本と人とのお話。なんだか不思議な空気に包まれながら読み終えました。私と本との関係はどんなかなと思ったりしました。
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とてもいい。短編集だが、すべてが本を題材にとっている。楽しいこと、悲しいこと、つらいこと、うれしいこと、いろんな人生経験を体験すると、同じことが書いてあっても、どんどん違った風にとらえられる。本を読んだ時の感じ方その人の人生をあらわしている。
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OLさんが好きそう。
毒にも薬にもならない話。
喫茶店で隣の人の会話をなんと話に聞いた感じ。
好きな人はすきなのかも知れないが、私には不必要な本だった。
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あとがきエッセイ 交際履歴の中で、作者の角田さんは保育園の頃友達がいなくて本ばかり読んでいたと書かれていました。まさに小学二年生の娘が今現在角田さんと同じ状態です。図書館で借りた本をせっせと読み、読む本が減ってくると悲壮感を漂わせ「友達がいなくなっちゃうから、借りてこないと」と言います。でも角田さんのおかげでちょっと安心しました。
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色々なサガシモノをしている人々の短篇をまとめたもので、本との関係を通じて見えてくる人々の性格や人間関係や、さがしものの特異さが面白かった。作者の人生とどれくらい重なっているのだろうと思った。
私は本を読むことが好きだが、どんなに面白いと思った本でも読んだ本の内容を逐一に思い出すことは出来ない。作中のキャラクターとは違って、ほんと私の関係は、友達や恋人や家族との関係に反映されていない気がする。思いっきり熱あげて終わったらさらりと本棚に吸い込まれていく事が多い、というか全部そうだ。でも映画とか人との付き合いはそうならない事が多い。もっとじわじわ沸いていい意味でも悪い意味でも長引く。
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本は読む度に姿を変える。そこにある文字の並びは何も変わらないけれど、そこから浮かび上がる情景や、色や、匂いや、味や、感じ取る想いはその度変わる。読む人100人100通り違う感じ方をするのと同じく、読み手の、経験や、気分で、同じストーリーがまったく別のストーリーに生まれ変わる。
この本を読んだのは、多分二回目で、前に読んだ時よりも深く刺さった箇所はまるで違っていて、どうしようにもない葛藤や、寂しさを、まだ知らなかったあの頃の自分とは、大いに違う想いを感じた。
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単行本「この本が、世界に存在することに」の改題。短編9つ、すべてが「本」に関連するお話です。タイの小さな島でマラリアにかかった女性が、寝込んでいるバンガローで出会う片岡義男の文庫本。誰がどういう経緯でこの本をここへ持ってきて、そして置いていったのか。ロマンチックな妄想が淡い思い出になっていくちょっと切ない「だれか」。恋人とケンカして結局一人で来てしまった河津の宿で見つけた本の中に挟まれていた一通の手紙。そこから自分自身の思い出と向き合い、そして恋人に対して素直になっていく、そんなお話の「手紙」この本の中で一番好き。逆に別れることの辛さをリアルに伝える「彼と私の本棚」。伝説の古本を探し求める「引き出しの奥」、これもいい。あと、本のタイトルにもなっている「さがしもの」、いい話です。この本で特にいいのが「あとがき」かもしれない。角田さんの「本を読む」と言うことへの愛情がエッセイで綴られています。
「一回本の世界にひっぱりこまれる興奮を感じてしまった人間は、一生本を読み続けると思う」