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人工知能に関連する小説を読んでみたい人におすすめ。
【概要】
●人工知能を用いた犯罪にまつわるストーリー
【感想】
●自動車の自動運転に係る技術が取り上げられる。
●読み取れるのは、日本の企業は外資系に買収されないように気をつけないと、乗っ取られて隣国に大切な技術情報が筒抜けになってしまうということ。
●人工知能そのものに関する知識の向上を期待して読んだがそのとおりにはならなかった。ただ読み物としては楽しめる。
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タイトルは人工知能となっていますが、内容は私が現在勤務している業界にも関連してくる「自動運転」の話です。私は文庫化(2022.3)されたものを最近読み終えましたが、この小説が書かれたのは、2016-2018「Voice」です。
2023年では私でも理解できるような内容が、今から7年も前に著者の幸田女史が調査できるほどに技術が進歩していることに驚きました。
自動運転の普及によって、過疎地域の公共交通、高齢者による運転が不要になって便利になることが予想される反面、人間だからやってしまう運転に耐えるように開発されてきた部品などに求められる性能が変わってくるのかなと、本を読みながら思いました。
この本に書かれている様に、自動運転時代になった「車」に求められるものは、車そのものの性能よりも、自動運転車を制御するシステムになっていくと思いました。据え置きパソコンがノートパソコンになるまでは延長の考え方で良かったと思いますが「スマホ」が登場したときに大きな変化が起きたように。
以下は気になったポイントです。
・この先、年をとっていったあと、楽な暮らしをするためには、今のうちにそれなりの基盤を築いておく必要がある。楽をするための苦労をする、まずは環境を変えること(p44)
・問題に合わせてどの手法を使うか人間が適切に選択する必要があるが、その一つとして人間の神経組織を真似た仕組みをコンピュータの中に作るのが、ニュートラル・ネットワークである、このネットワークを多層的に増やしていくことで精度が高められることは知られているが、マシン性能が追いつかなくて実現していなかった。近年性能が向上することで、この手法によりいくつかの分野で人間の能力を超えるまでになってきた、今きたいとなっているのがディープラーニングである(p161)
・何もかも同時にしかも完璧に全部やってしまおうとすると焦ったところに無理があった、全体を俯瞰すれば何が必要でどれから手をつけていいかが強弱を持って見えてくる(p271)
・4段階を経る一連の作業は「KDDプロセス」と呼ばれるデータ分析プロセスである、1)求められているニーズを正確、過不足なく把握する、2)顧客からデータを預かり中身を調べる、見るべきポイントを絞っていく作業、3)モデリング、マイニングの実施、4)得られた結果が顧客のニーズに適合しているかを検証する作業(p273)
・そのうちキャッシュ自体も不要になっていくだろう、電子マネーや暗号通貨についてポートフォリオの組み方を提唱する時代になっている(p311)
・人間の働き方の変遷を振り返ってみれば、業務の自動化の波はこれまでも何度か繰り返されてきた、ただ今回のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という波は、今までのようなハード面の自動化とは少し違っている、いわゆるホワイトカラー業務の自動化に寄与するもので、人間に代わって、人間と同じような処理作業をこなすシステムの導入とでもいうか、人間の代わりになる存在にコンピュータなどの操作をさせるソフトウェアのことである(p410)
・そろそろダウンサイジングの日本新しい生き���道を考える時期である、少子化で国が小さくなることは決してマイナスばかりじゃないという発想をしたい。エストニアみたいに小国ならではの生き残り作戦としてエストニアが実施しているICT、デジタル化、電子行政、電子政府は学ぶべき道である(p531)
・人工知能(AI)は人間が設計した通りにしか動かない、インプットとして与えられた情報以外の知識を独自に操作することはできない、正解は人間が決める者なので、設計者つまり情報を与える人間の質が厳しく問われる(p533)
2023年9月11日読了
2023年9月17日作成
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2023.12.01〜12.04
プロローグからどんな繋がりになるのか、ワクワクして読んだ。
使えるだけのくせに、なんだか威張っているヤツが多い世の中で、正解を判断できる人になりたい。
人間の質を高めていかれるように、そして、胸を張って生きていかれるように。