投稿元:
レビューを見る
高校1年の夏休み北海道札幌郊外の私設図書館を有する洋館「図書屋敷」にホームステイする事になった美原アンだが館主の籾青爾の忠告を破り幻影の真夜中の図書館「図書迷宮」に迷い込む。荒廃した「図書迷宮」を復興する為アンは迷宮の司書見習いとして働く。
想像力によって形造られる「図書迷宮」、蔵書をより多くの人に読んでもらいたいがアンの期待と不安が想像力に影響する。アンや青爾の苦悩、SNSやネットの悪意と闘うひと夏の成長記。
北海道の自然と空気に囲まれ、紙の本の良さを伝える青春ビブリオファンタジー。
★★★✩✩ 3.0
投稿元:
レビューを見る
夏休みに突然、北海道にホームステイに行くことになった、高校生のアン。
札幌郊外にある洋館に1人、辿り着いたアンだったが、屋敷の人々はアンが来るのを知らされておらず、戸惑うアン。
とりあえず、屋敷に一泊することになったアンは、屋敷の主人、セージから「猫の言うことに耳を貸してはいけない」と告げられる。
その夜、アンは金色の瞳の猫に起こされて、不思議な図書迷宮に迷い込む。
かつてお雇い外国人のために建てられたという宮殿のような建物の私立図書館。
本にもさほど興味がなく「自分のことは嫌いではない。でも、同じくらい好きじゃなかった」アン。
夜中の図書迷宮の司書見習いと、日中の図書屋敷のお手伝いで、本やさまざまな人と出逢うことで、アンの心に眠る不安が浮かび上がって、やがて。
荘子、はてしない物語、クローディア、ホームズ、おおきなかぶ。
小学生のアンの悲しい思い出が切なくて、中学生の事件が痛々しい。
読み終わって、アニメの映画を観たような余韻。
サマーウォーズっぽいっていうか。
そして、コーディアルとコアップガラナが飲みたくなる。
投稿元:
レビューを見る
なんて無責任な父親かと思ったらまさかの。
事情を知っていたとはいえ、図書館のひとたちのなんと優しいことか。
セイジさん不器用すぎる。。
もう少し別れまで読みたかった。これって続いたりするのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
本の素晴らしさを思い出させてくれる小説です。
喋る猫や、巨大な虫が出てくる世界は大変魅力的で、ずっとそこに居たいと思いました。
物語もずっとドキドキさせられて、特に最終章が凄いです。
情景が目に浮かぶような文章で大変読みやすく、すぐに物語の世界に入り込めました。
本好きの人も、そうでない人も、本の魅力を味わうことができるので、ぜひ読んで見て欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
めっちゃファンタジーだった。勝手に、副題の作品集の薀蓄てんこもりなのかと思いこんで呼んでたけど、そうでもなかった。
投稿元:
レビューを見る
高校1年の夏休み北海道札幌郊外の私設図書館を有する洋館「図書屋敷」にホームステイする事になった美原アンだが館主の籾青爾の忠告を破り幻影の真夜中の図書館「図書迷宮」に迷い込む。荒廃した「図書迷宮」を復興する為アンは迷宮の司書見習いとして働く。 想像力によって形造られる「図書迷宮」、蔵書をより多くの人に読んでもらいたいがアンの期待と不安が想像力に影響する。アンや青爾の苦悩、SNSやネットの悪意と闘うひと夏の成長記。 北海道の自然と空気に囲まれ、紙の本の良さを伝える青春ビブリオファンタジー。
作中では『荘子』や『クローディアの秘密』など実際にある名作と、その読み方や解釈の一例を語ってくれる。 本の魅力を教わる主人公と一緒に教わった気分になれた。
「本を読む楽しみ」が上手く描かれている小説だった。
投稿元:
レビューを見る
図書迷宮と呼ばれるその図書館は、本を読んだ利用者の想像力によって繁栄し、司書の空想力で守られている。本の登場人物や著者が具現化し、たまに声をかけてくる。そんな図書館で司書をやるなんて、本好きには嬉しくてたまらない、夢のような話。でも、自分に自信を持てず、悪いことばかり想像してしまうアンにとっては、シビアな世界。悪い想像が悪い結果を呼び、また自分を責めてしまう。
物語を楽しめるか、楽しめないかは読者である自分次第。そしてそれは、現実で起こる出来事やインターネットにある大量の情報も同じ。どんな視点で見るかによって、良いものにも悪いものにもなり得る。
図書迷宮がインターネットの情報に汚染され、壊れていく様は、おぞましくて恐ろしい。情報の洪水に呑まれていく恐怖を感じた。でも、それも味方につけるか、ただ恐怖を感じて立ち止まるのかは、自分次第。
自分を否定されるのは、大人になっても怖い。でも、自己卑下ばかりしていたアンが、心無いコメントにも負けずに、図書館を守ろうと頑張る姿に胸が熱くなった。
投稿元:
レビューを見る
主人公がだんだんと過去のトラウマを乗り越えようとしていたり、セージの過去などで後半はどんどん読み進められた
投稿元:
レビューを見る
「図書館迷宮」に入り込んでしまったアン。
それは自由人な父の思いつきによる全く意図しなかったホームステイ。
アンは元々本が好きなわけではないし、自分に自信がない。
何か過去の出来事が彼女の心に重しをしてしまっているようだ。
それは物語が進むにつれ、次第に明らかになっていく。
本書では4冊の本と深く関われる。
一冊めの荘子(第一冊 内編)は、自分に自信をなくしてしまった人にぴったりだ。
「自分は頭がよくない。
きれいじゃない。
(中略)狙公の猿と同じだよ。
目先のことで怒ったり泣いたりしてる。
誰かの見かけの価値観に振り回されて、人を嫉んだり、見栄を張ったり」
「この世界には(中略)本来はなんの区別もないんだ。それは一方から見ただけのことだから」
この万物斉同の考えは、以前勉強した時も、心を軽くしてくれた考え方だ。
他人からの評価は気になる。
目の前のことを一生懸命に、そして自分らしさをあるがままに受け入れる、それが自分を苦しめているものから解放される術なのだ。
主人公アンは、『クローディアの秘密』『シャーロック・ホームズの冒険』『おおきなかぶ』を通して自分らしさを取り戻していく。
これは、アンの成長物語で、同時に読者の成長の物語でもある。
投稿元:
レビューを見る
図書迷宮の描写がよかったです。特にスマホが持ち込まれた後の崩壊に向かっているような様子がが目に浮かぶようでした。
主人公のアンちゃんが過去を克服しながら、自信を取り戻す様子を応援しながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
なんだかファンタジー。
図書司書というものに憧れていたので、羨ましさもあって読みすすめた。
出てくるサブキャラ、ワガハイの存在はすごく可愛い。時々甘にゃんこになるニヒルな猫。
度肝を抜いた伊勢もみじの正体にびっくりしたけど、ありがちなのにすごい展開も早くて読みやすかった。
投稿元:
レビューを見る
図書館や本屋さんのお話しが好きなので手に取りました。
荘子やクローディアの秘密など実在の本にも触れつつ物語が進んでいきますが、ファンタジーの色が強いなと感じました。
セリフや文体も軽いので、小学校高学年から中学生くらいの世代にもおすすめしたいです。
投稿元:
レビューを見る
表と裏の姿がある私立図書館。そこは、物語の幻影が彷徨う図書迷宮であり、本を読む人達の想像力で維持されていたはずの場所だった...。
〈モミの木文庫〉三つのルール
一、ケータイやスマホを図書館に持ちこまない
二、夜は部屋から出てはいけない
三、猫の言うことに耳を貸してはいけない
ファンタジー要素のある冒険小説。
投稿元:
レビューを見る
ジブリみのあるファンタジー。父親が絶妙に毒親スレスレじゃない…?娘のこと考えているようで考えてないように見える。読者の想像力で図書迷宮の姿が変わるとか、司書の想像力が最強とか設定はなるほど~と思った。最後にはインターネットミームの世界になったな…とも思ったけれど。これで終わっても良いし、続くこともできそうな感じ。
投稿元:
レビューを見る
雰囲気は好きだけど要素モリモリしすぎて少しとっちらかった印象(主人公の家族とか背景とか)シリーズ化前提なのかな?本が好きで大切にしたいって想いは伝わってきました。セージさんのことは予想出来てしまってまぁそうだよね、っていう。ワガハイは頼りになるし可愛かったです。