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ドラマの小説化ということもあって、登場人物たちの会話がテンポ良く、とても読みやすかった。
LBGTとも違う、他人に恋愛感情を抱かない人たちは、アロマンティック・アセクシュアルと呼ばれる。
そういう人たちがいることは知っていたけど、その中でも他人と触れ合うことが苦手な人/苦手でない人、一人は寂しく思う人/思わない人、子どもが欲しいと思う人/思わない人…同じ「アロマンティック・アセクシュアル」と区切られていても、グラデーションのように個性があるのだと知った。
思えば異性と恋愛する人だって、その辺りの気持ちは人それぞれ、グラデーションなのに、どうして理解できないんだろう。
性自認の違いだけでなく、人に自分の「普通」を強要しないこと、人を分かろうとすることを大事にしていきたいし、人からの押し付けに負けずに、自分の生きたいように生きようと思えるお話でした。
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ドラマを見てから本を読んだので、頭の中では高橋一生さんと岸井ゆきのさんでした。
今の時代、こういう家族の形もありだと思いました。
むしろ恋愛感情ぬきのほうが上手くいくのかもしれないなと思います。関係性に名前をつけてしまうとそこに甘えて、本来なら一番大切な人を傷つけてしまうのではないか?と思ったりします。
カズ君のセリフで「やってもらえばいいのに。家族ってそういうもんでしょ」と言うところがあってそれに対して高橋さんが「家事を押し付けるのが家族ですか」と返していて、まさしく関係性に名前がつくとカズ君みたいな考えになるのかな、と。
家族じゃなくても好きな人だった時は好かれたくて嫌われたくなくて、相手のこと考えたりするのに恋人同士になった途端、甘えなのか何なのか雑に扱うようになったりするのもそういうことなのかな、と思ったりします。
色んな保障のことを考えると籍を入れて家族になるのが今の日本では便利なのだろうけど、咲子さんと高橋さんみたいな関係もありだなと思うし、二人はお互いがお互いの一番味方みたいな感じがしていいなと思いました。
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視点が二つあることでドラマではわかり辛かった羽さんの感情を知ることができて嬉しかった。また、お陰でおばあちゃんの老いの描写と幸せの有り様が具体的に分かってしまって、羽さんの挫折がありありと分かって残酷だった。
また、文字にするとより咲子の元気パワーを感じた。たしかに羽さんと暮らし始める時の空回りは有るけれど、ベターよりベストは凄い。ベストの目標を設定できること、それに向かって試行錯誤できること…並々ならぬ力強さを感じた。
やっぱりドラマの小説化だからか、やや断片的に思えてしまった。でも、アロマアセクが主題で当事者としてとてもとても嬉しい。
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「アロマンティック・アセクシャル」…
他者に対して恋愛感情や性的欲求を持たないセクシャルティーのことである。以下アセク・アロマと記す。
近年、性的マイノリティーへの認知度は確かに上昇しており、「LGBT」という言葉を聞く機会も増えてきている。しかし上記で示したアセク・アロマについてはまだ認知度はそれほど高くはないだろう。同じセクシャルティーの一種であるにも関わらずその認知度が上がらないのは、作中にもみられるような「共感のしにくさ」が影響を及ぼしているのではないかと思う。
しかし、私自身は自分のことをアセク・アロマであるという認識ではないものの、共感できる部分があったことも事実である。
それは友達と恋人(恋愛)の違いである。
作中では登場するアセク・アロマの男女2人が同棲を始めることとなる。彼らの周りには彼らのセクシャリティーを理解できないさまざまな登場人物がいるが、口を揃えて言うのが、「恋人じゃん!」というようなセリフである。
確かに仲良さげな男女が2人で楽しく買い物や食事、ましてや同棲をしているとしたら、それはなんらかの関係性を持っていると疑われても仕方がないことかもしれない。
しかし、いざ自分たちに置き換えてみるとどうだろうか。私たちの間でも友達と恋人の違いを細かく、すべての人々の間にあたるような説明をできる者はほとんどいないのではないかと思う。
当然この作品においては、心温まるシーンがいくつも登場する。特に、主人公の咲子が少しずつ自分の思いを打ち明けられるようになり、行動できるようになる姿、家族(仮)の相手である高橋さんの優しい一面、咲子を愛するカズくんのポジティブな面、咲子の家族の変化など、よくあるような恋愛による人間の変化以上の成長は、どこか普通の恋愛物とは違った感動を覚えた。
決してアセク・アロマは私たちから遠い存在ではなく、私たち自身にも共感できる感覚を持ち合わせていると言うことである。
彼らが完全な理解を求めているかは分からない。しかし、そんな一面を私たちも持ち合わせていると言うことを忘れてはならないと思う。
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あーーーーーーめちゃくちゃ良かった!!!!
この1年読んだ現代小説の中で1番!!!!
いろんなことがきっかけでアロマアセクという言葉を知って。LGBTQ+関連の本読んだり性自認、性的指向については色々調べていたけど、「恋愛感情がない、性的欲求がない」ってところはすっぽり抜けていたわけで。見てきたことしてきたことが全てじゃないと改めて思い直したところで読んだこの話。
誰かのベストは私にとってそうじゃなかったりするし、本当に色んな人がいて色んな人が色んなことを思いながら、色んなことを大事にしたり諦めたりしながら日々を生きてるんだなと思う。。。
私はデミアロマデミアセクなのかな、、私自身が何なのかまだ私もよくわかってないけど、この話みたいにその時その時のベストをひとりでも誰かとでも目指して生きていきたいな〜
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周りの人間…特に同世代から上の世代は恋愛至上主義者が多い。そしてそんな人達に無自覚に神経を逆撫でされる日々を過ごしている。
咲子さんが、逆撫でしてくる知人に話し方が似てるから変にモヤモヤしてしまった。
咲子さん高橋さんの生活は羨ましく思ったが、アロマアセク云々じゃなく朝からうどんを食べる生活に魅力を感じた。
この2人より、カズくんみたいな友人が欲しいと思った。
アロマアセクという指向を知ったとき、救われたような気待ちになった。
この本も、ぜひ読みたいと思った。
読んでみても、自分がアロマアセクなのかはまだよくわからなかった。それより自分にとってのベストな人生が何なのかがまだよくわからないことに焦った。
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たくさんの人に知ってほしい。
これは小説のなかだけの話しじゃないことを。
「いると思いますよ 恋しない人間」
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恋をしないとかそー言ったことよりも、いろんな人がいるんですよ。自分の常識がすべてじゃないんですよってことに気づいて欲しい。
理解して欲しいとまでは思わないけど、自分の常識が正しいと思って押し付けられるのがつらいと思っている人などが読むと、共感できるのでは。
私はドラマも本もとても面白かった。
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自分はアロマンティック・アセクシャルなんだろうなと気付く機会があり、これからの生き方に悩んでいたところ、友人に勧められて読み始めた。
一般的な恋ができないことに悩み続ける日々だったが、この本を読んで勇気をもらえた。悩んで立ち止まった時には何度でも読み返したい。
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ドラマを先に見ていたけど
小説の方が色々共感できた
アロマアセクは、わからないけど
みんな色々でいいんじゃね?
という感覚で私は生きてるので
おかしいやろっと思うことは
ひとつもなく、すんなり読めた
でもカズくんが1番好き
始めは、よくいる亭主関白な
嫌な男だったけど
どんどん吸収して理解してくれて
1番咲子を大事に思ってくれてるなと。
高橋さんは自分流にこだわりありすぎて
(アロマアセク関係なく)
近くにいたら、めんどくさって
思ってしまいそう
ドラマでは、岸井ゆきのさんが
すっげ自己中に見えて、少し
イラッとしながら見たけど
小説になったら、そんな気持ちに
ならずに読めた
岸井ゆきのさんが苦手なのか、私?
(すみません)
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ドラマきっかけで読んだ本。
アロマもアセクも初めて知った言葉。咲子を見てて、知ると知らないでは全く違う生き方になるな、と。それと周囲が自分とは違うけど、それを否定・拒絶しない、自分の考え・普通を押し付けない。わからなくてもわかろうとする、その姿勢が大事。
多種多様な世界で私の恋愛・性愛の幅が広がった。咲子、高橋さん、カズくん3人のキャラがとても良い、ほっこりあたたかい気持ちになれる本
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映像化された作品らしく本屋さんで平積みになっていた。
大手スーパーの本社商品開発部で働く女性とそのスーパーの支店の野菜売り場の担当者の男性。
ふたりはアセクシャル・アロマンティックである上で「恋愛感情を持たない家族になろう」という女性からの提案で同居することになる。
セクシャルマイノリティの中でもアセクシャル・アロマンティックにスポットを当てたお話。
昨今セクシャルマイノリティだけでなく今まで「マイノリティ」「弱者」とされていた人にスポットを当てた作品は増えている。
その都度考える。
正解などないという大前提のもとに「落としどころはあるのだろうか」ということを。
物語の中では登場人物が「自分の落としどころ」を求めて考え手を伸ばしたり足を踏み出したりする。
誰にとってもそれは自分で考えて行動しなければ手に入れられない「落としどころ」なのだろう。
それはマイノリティとか弱者とか関係なく。
アセクシャル・アロマンティックを題材にはしているけれどそういう誰にでも当てはまることを感じる作品でした。
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自分の生き方に、自分自身がウソをつかずに生きようとする。登場人物それぞれのそういう姿がいいなと思った。
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NHKドラマで見て本も読んでみたいと思い、読んでみた本です。
ドラマはなかなか忠実に本を現してました。
特に高橋一生さん演じた高橋羽は、すごくイメージ通り。
いろいろなセクシュアリティがあるのだな、と。
アロマンティック、アセクシュアルと言う言葉もはじめて知りました。とっつきやすく知る事ができたという意味で有意義な1冊でしたが、ストーリーも爽快でした。
誰ひとり悪人が居なくて、登場人物みんながいい人です。
そして、それぞれの幸せのかたちを探してる‥読後感良かったです。
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メトロポリターナというフリーペーパーの「いか文庫 本日は閉店なり」という書評的な連載で知った1冊。
この本でアロマンティック、アセクシャルという言葉を知りました。でも、なかなか現実的には受け入れてくれない人が多いんだろうな、などとも思ったり…
センシティブなテーマをわかりやすい小説にしてあり、目線も二方向から、という手法が生きていました。
わかる人にはわかり、わからない人は一生わからない…でも、こうして表現されると、それにより世間に知らせることができるので、すごいなあと思っています。
★3つじゃ評価は低いかも、ですが、どうしても語り口の軽さが気になり…でも、良い本でした。