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精神疾患を患った家族の穏やかな姿と暴力的な姿の二面性、無意味にも思える支えるための行動と、それすら阻害される生活、金銭面での苦労とか。
それらを受け止めながら20年暮らしてなお、ここまでの生活から社会を新たな視点で切り取り、平穏な日常の素晴らしさに気づけたと言えるのが本当にすごい。
本人の苦しみと家族の苦しみをしっかりと描いた強烈な一冊だった。
noteの無料公開で読み始めたが、この文章を無料で読むことに申し訳無さを感じてしまい、書籍を購入した。
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淡々とした筆致で記録された壮絶な20年。妻の辛さよりも、社会的な問題よりも、2人の関係性や著者の感情、著者がここまでやることができたモチベーションのようなものについて、考え続けてしまう。
あとがきの最後「本当にありがとう。これからも共に生きようね。」の言葉に、感動すると同時に少し怖さも感じてしまった。
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・途中で投げ出さずに奥さんにずっと向き合っている筆者に対する言葉が表しづらい。すごいというか尊敬するというかなぜそこまでできるのかというか。
・精神疾患や介護に悩む本人と家族を救うために社会保障(公的な医療機関やサービス)が果たす役割は大きい。
・在宅勤務の広がりは仕事と介護の両立がしやすくなるかとも思ったけど、仕事の間は介護から少しでも離れられるのかとも想像すると良い面悪い面あるなと思った。
・今は目を背けている介護もそのうち現実問題として起きる。その前にできることはないか、休みの日とかに少しずつ考える。
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全文無料公開をしてたので読ませてもらった。壮絶の一言。摂食障害、性被害、アルコール依存、閉鎖病棟、認知症。この記者の人生はこの奥さんのケアをするためにあったのかよ、って率直に思った。ラスト近くでの精神科医の言葉にあった、「貴方をまだ記者にしてる点では朝日新聞を評価できる」、といったようなセリフは同じように感じた。ちょうど併せて生活保護のドキュメンタリーを見ていて、精神科にかかることと生活保護を受けることは当事者としては人生の終りに近いんだろうな、なんだか似ているな、と思っていたら、この本にも同じことが書かれていた。もっとうまくケアに繋がれる方法ができたら良いと思う。
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辛い
そもそもサバイバーってどういう意味だっけ?とか思うほどにずっと闇の中、みたいに読める
無意識に、サバイバーだからどこかで上向きになるだろうと期待しながら読んでしまったが、わかりやすいハッピーエンドにはならなかった。
受診拒否はさぞ辛かっただろうなあ
生育歴というのは本人の体に刻みつけられているから言語化して自覚するのも一苦労、人に説明するのも一苦労でなかなか暴露するのはむずかしいだろうなあ
夫の人もよく手を離さなかったな、と繰り返し思わせられる
なぜこの人と一緒に暮らしたいのか、なぜ夫婦で有り続けるのか、ということを考えるものだった
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期間限定でnoteで全文公開されておられたので読み始め、壮絶なのだけれども冷静な筆致で整然と綴られていて内容が濃く強いのでどんどんぐいぐい読んでしまい、その日のうちに読了しました。以前にやはりWeb上で読んだ『母さん、ごめん』のときと同じ感じの、心と感情と脳の体力を使い果たしたような、圧倒的な読書体験でした。題名にある「サバイバー」とは、幼少期に受けた体験(詳細は語られませんが)にもかかわらず、その後の人生を生きて成人し筆者に出会い生き延びたこと、生き延びながらもずっと過去の重石に耐えながら耐えきれない部分は自身の身体と精神を犠牲にしながらギリギリのところで命を絶たずにやってきた妻への敬意と愛情が込められた表現なのかなと思いました。書かれていることは「壮絶」のひとことなのですが、書かれなかったこと書ききれなかったこと、書こうとしても書けなかったのかもしれないことがあるだろうということを想像すると、もう言葉もなくなってしまいます。★を付けて内容を評価するような対象になる著作ではないと思いますが、多くの人に読んでもらえたらと考え、5つつけます。
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いろいろなことがもっと知りたいのに語られていないので歯の奥に何かはさまってるみたい。
妻の病状のこと、著者の感情、妻の壮絶な体験、ときどき訪れた幸せな時間のこと、落ち着いた日々の獲得の経緯・・・。どれもそこそこ語られてはいるがもっともっと語られてほしい。私の知っている精神疾患のある人たちは、みんな生きることに必死で、圧倒的に生々しい生を毎日手でさわって確かめるように生きている。著者がいうように、すごく濃密に「生きている」。だから、この妻から感じることは「生きること」なのだけど、そのひとつひとつのエピソードをもっと深く体験したかったなと思う。ディテールが語られず、節目節目で起こったこととその経緯、そして社会の問題に筆が割かれるあたりに男性性を感じた。
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壮絶な内容だけどどこか他人事みたいな、どこかの新聞記事みたいな(記者だからそれもそのはずか)、かっこつけた文章だな…と思いながら読んでいた。でもあとがきで、限られた視点から見えた光景であること、自分の内面まで文字化するのに苦労した事などがあげられていて、納得した。この本に確かに救われる人もいるだろうし、自分にとっては社会の障壁について考えるきっかけになったので読んでよかった。珍しく一気読みしたことに後から気づいた。
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本当にありがとう。これからも共に生きようね。最後の言葉で涙があふれました。お二人が平穏な毎日を送ることを切に願います。
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29才の妻が発症した摂食障害。そこから始まるアルコール依存症、自傷他害行為、自殺未遂、幻覚妄想…そして…
新聞記者である夫が書いた記録は、妻や自分の状況を淡々とつづっているように見える。けれどその壮絶な闘病記は記者としての「第二の目」と冷静な判断あってのこと。あと、環境が整っていたこと。
家族がこれほどの精神的病気に陥ったら、普通では一人で抱えきれるものではない。著者がいくつもの選択肢をみつけ、頼れるべき場所に頼りここまでたどり着けたのはご本人も書いておられるように、恵まれた環境だったからなのだろう。多くの家族は、巻き込まれ共倒れになるか、相手を切り捨ててしまうか。依存症の依存対象はモノだけではない。依存すべき人があってこそ成り立つ。切り捨てない誰かに徹底的に依存することこそが問題の根源なのかもしれない。
摂食障害もアルコール依存症も予後の悪い病気である。何度も繰り返し、疲弊悪化していく。
じゃぁ、どうすればいいのか。この二人のように幸運なケースでないなら、どうしたらいいのか。
精神科の病院の状況はずいぶん改善されていると聞く。メンタルクリニックなど相談するハードルも低くなっている。
実は意外と身近にある精神的な病について、あるいは、その病の背景、今後について、もっと広く知っておく必要がある。すべての人が。自分にも起こりうることとして。
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現役の新聞記者による、摂食障害、アルコール依存症の妻との20年近くに及ぶ記録。
過去の虐待や性的被害などのトラウマがきっかけで、摂食障害等を発症するということの認識はありました。しかし精神科医療の現場では、トラウマ体験の治療は積極的に行われていない(いてはいけないという「神話」)があることを知りました。その辺りの矛盾というか効率主義というか専門性というか・・・。どれだけ多くの当事者が適切な医療につながらず苦しんでいるのだろう。壮絶な内容でした。夫の最後の一文にホロリと胸が苦しくなり ました。
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壮絶の一言につきる。
最後のあとがきに
本当にありがとう。
これからも共に生きようね。
の一文に泣けた。
悪いのは病気。
でもそう思えなくなってしまいそうになるギリギリの精神状態の作者と当事者である奥さんのもがきと苦しみ
今までを乗り越えてきたからこその今。
作者と奥様が少しでも穏やかな日々を送れますように。
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短いので一気に読めるが、内容は深い。ここまで赤裸々に書くのは、とても勇気のいることだっただろう。ご夫婦に穏やかな日常が訪れることを、心から祈りたい。
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朝日新聞記者が、精神疾患を抱えた妻の介護と仕事を両立させながら踠き悩み続けた20年ほどの日々。
結婚4年目で、激しい過食嘔吐に始まり、途切れないアルコール摂取、大量服薬、繰り返す入退院そして、40代で認知症になる。
辛い、苦しい、それは、夫でもあり妻でもある。
読んでいても同じ気持ちになる。
だが、決して逃げずに介護と仕事をし続けていることに凄さを感じた。
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読み始めたら止まらなくなった。
読んでいるときも、読み終わった今も、とても心が苦しい。
でも、読んでよかったと思います。