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医師として仕事をしているものの、若年生アルツハイマーの方とは出会ったことがなく、映画くらいでしかしらなかった。
でも、リアルに生きている下坂さんの生活を本を通して知ると、今まで認識していたものとは全然違っていた。
わかってはいたものの認知症になったからといって何もかもができなくなるわけではない。毎回同じ症状がでるわけでもない。
だから、調子がいいときは予定も覚えているし、特に困ることはない。
時々忘れたりすることはあるけれど、それ以外は今までと大きく変わらないのだ。
特に、若くで発症しているということは、それだけできることも多い。
だから「認知症」と診断されたからと言って何もかもセーブするのではなく、できることをしながら生きていく。それの方が刺激が多く、張り合いも出て、2〜8年で寝たきりになると言われているアルツハイマー型認知症の予後よりももっと長く活動できことにつながっているのかもしれない。
最後に書かれていた「認知症」の人にこう接したらいい。というマニュアルよりも人として接して欲しい。というメッセージ。
これはあらゆるものに通ずると思う。
人はついカテゴライズして語ってしまうけれど、目の前の人がまるっきり同じなわけはない。
みんな違うのが当たり前なんだから、一人一人を尊重して、一人間として関わり合うことが大切なんだと改めて思った。
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人生何があるかわからない。
だけど、どんな運命にあろうと、必ずどこかに希望はある。生きる意味は探すことができる。
そう思わせてくれる前向きな一冊でした。
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若年性認知症と向き合う夫婦のことが紹介してある。認知症の父のある私には、大変身近に感じられた。行政のしている認知症への啓発に疑問を感じていたがまさに、この夫婦がしている啓発活動に同感する。
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認知症を知ることから始めて、特別扱いするのではないユニバーサル社会が作れればいいなと思った。
本作では次の文章が心に残った。
"「認知症であることが、その人のすべてではない」ということ。認知症になった瞬間、その人自身が変わってしまうことは決してなくて、どんな状況でも、その人はその人である、ということ。認知症の当事者であることが、そのままその人のアイデンティティであるというわけではありません。"