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いやー。また物凄く心に残る作品を読んだぞ。
あらすじから予想していたよりはるかに良かった。
まず、構成がとても良い、というか上手い。
最初の章はあれがベストだと思うし、「誰の話か」が分かった時の切なさとカタルシスが最大限に引き出されるような構成だと思う。
朝井リョウの『正欲』を読んでから、私の中で「正しい(性)欲」というものの認識が以前より揺らいでいるのだが(このレビューをご覧の方で未読の方には強くおすすめします)、本書で更にというか、より一層複雑化してきて正直混乱しているところ。「病気」についても初めて知った。
最後まで読んでからタイトルを見ると、もう色々な気持ちが溢れてきてしまうのだけれど、どうか二人が幸せに静かに暮らせますようにと願わずにはいられない。
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発売当初、たまたま目に入って数ページ立ち読みしただけで引き込まれ
買って帰って家で読み始めた時あまりの面白さに
ページを捲る手が止まらなかった。
寝る間も惜しんで読んだ本は本当に久しぶりで
読了した時の満足感がとても大きかったのを覚えている。
目の前の事柄だけじゃなにも分からない。
更紗と文の関係は2人にしか分かりえない。
映画化も楽しみです!
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安心できない日々は人を用心深くする。
幸せなほど重みを増すそれ。
どれもささくれだっていない。
あれが子供のころで良かったと思う。あのころは寂しい会いたいという感情だけでそれを意味のある思考としてまとめることができなかった。だからまだマシだったのだ。あの頃の寂しさや悲しさや惨めさをしっかりとした言葉で組み立ててお城を建ててしまったら、私はそこに閉じこもって抜け出せなくなったかもしれない。
凪良ゆうの小説を読むことは自分の中にある優しさを疑う契機となる。
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話の軸は、翻弄されつつも根を張った彼らの揺るぎない関係性で、とてもいい話だった。最後、彼が語り手になるとちょっと社会派っぽくなって、読み終えた直後にぱっと浮かんだことばは、忘れられる権利、だった。
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この2人の関係を表す言葉はない。
恋人でも夫婦でも、友達でもないけど、
やっぱり愛なんだと思う。
枠にはめてあえて言葉にする必要もないし、説明することもない。
普通や常識にとらわれずにいたいと、常に思ってるけど、でもやっぱり私も囚われてると思った。
もし2人のような人が身近にいたら、職場のような人たちと同じような反応をしてしまうかも。
真実は本人たちにしかわからないのに。
悪気のない優しさは人を傷つけてしまうこともあるんだな。
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これを読んだ時点ではこの二人の関係がいまいち理解出来なくて、ある意味真実の愛じゃないかと思ってしまった。
でも、最近NHKのドラマを見てアセクシャルな人達なのだろうかと思い至った。
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ーーねえ文、わたしってどんな子だった?
他人に聞かなければ自分がわからない更紗があまりにも悲しい。
更紗も文も相手の幸せをひたすらに願う。肉欲を伴わぬその関係性は、もう『家族』で良いのではないかと思うのだが、それは幸せな家庭に育ったものの傲慢なのであろうか、家庭が崩壊した過去を持つ二人はそれを是としない。
ただひたすら二人の幸せを願って読み進めました。
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メディアを通して他者が捉える事実と
実際の当事者が経験した真実とは異なる。
なんとも考えさせられた。
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文の話がとてもつらかった、、最後は救われてよかった。どうか文と更紗がこれからも幸せに暮らせますように、、。
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映画よりも先に原作を読んで欲しい。
読書しばらくしてませんでしたが
この本を
久しぶりに読書して
よかった~!
と思えました。
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あらすじも読むことなく、且つ、初めて読む作者だったが久々に心奪われた。
物語は、絶望的な毎日を過ごさざるを得ない更紗と、苦しみに苛まれる文が出会うことから始まる。世間では幼児誘拐・監禁の加害者と被害者という関係と見られることになるが…。
更紗と文の関係は、世間の常識からするとどのように表現するのが適切なのか、それが分からないものだった。
作者はBL系の小説を書いていたそうだが、だからこそ理解されづらい関係性をこんなにも魅力的に書けるんだな。
まわりの判定なんて関係ない、そこにわたしたちはいないのだから。
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しんどかった。
途中まで誰も報われない。
最後は、生きていく光が見えてよかった。
事実と真実は異なる。
幸か不幸かは当人たちにしか分からない。
同じ目的で同じものを相手に求めるのであれば、
その関係性は誰が口出しできるものでもない。
逆にお互いに求めるものが違っていた場合、
更紗と亮、文と谷さんみたいに、どこかで歯車が噛み合わなくなってしまう。
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いや〜…やっぱり凪良ゆうさんの物語大好き。
最後まで展開が読めなかった。
そして人間のリアルというか、優しさって人を救いもするけど、結局その人が欲しているであろうものを勝手に推測して押し付けるものなんだって気付かされた。
言葉にしない優しさがやっぱりいちばん優しいのかなあ。
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「こんなに思いやりがあふれている世界で、これほど気遣ってもらいながら、私は絶望的にわかり合えないことを思い知らされるばかりだ。」
ー「凪良ゆうの小説を読むことは、自分の中にある優しさを疑う契機となる。その経験は、本当の優しさを知る一助となる。」吉田大助
途中まで小児性愛が正当化されるんじゃないかと、主人公たちに同情しながらも気が気じゃない、不思議な感覚だった。正直、実際の幼女誘拐事件は明らかな悪意があるのがほとんどだと思う。
それでも、大学の社会学の授業である教授が「小児性愛は病気ですからね、どうかしてますよほんと。」と100人近く生徒のいる講堂で語っていた時の危機感を思い出した。
一見そう見えても、本人たちにしかわからない真実がある。何が誰にとって正解なのかわからなくなった。
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賛否両論あるだろうな…と思うけれど、私は好き。
どこからか犯罪なのか、どこまでが愛なのか。
きっと2人の愛は普通とは少し外れたところにあるのだろうけれど、愛するってそういうものなのかなと思う。
そして、周りの反応も決して優しくないわけではないのだ。時には刺さるような優しさだって、優しいからこそ親身になるからこそで…迷惑だと感じることがあっても全部否定はして欲しくない。
みんな不器用で、みんな愛し愛されたい。
そんな苦しさが詰まった一冊だなと思う。