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<目次>
序章 「好き」を表す日本語は「好き」だけか?
第1章 御所から広まる高貴な言葉
第2章 紫式部さん、あなたは『源氏物語』の中で、「戻る」を使いましたか?
第3章 琉球のことばが浮かび上がらせる日本語の原像
第4章 豊かな方言の時代を生きてきた
第5章 『蝸牛考』の原点へ
結びの章 時空を超えて
<内容>
『全国アホ・バカ分布考』の元テレビマンが、日本語の謎を解いていく本。それも学術論文的ではないので、読みやすくわかりやすい。さらに50枚以上の地方方言地図が挿入され、その分布が一目なので、説得力が増している。著者は現在大学教授。もともと日本語に興味があったようで、「探偵!ナイトスクープ」の中でやった、アホ・バカの全国分布考察が、ここまで仕上がった感じ。その執念と言うか真面目さと言うか。学問はこうでなければならないことを証明してくれる本。
そうですね、本の結論は、京都からことばは日本を北へ南へと広がり、京都には新しい表現が誕生するので、東北や琉球に、古い日本語が残っているという話です。言葉としても、はつおんとしても、文法としても残っている。
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はじめに 言葉は旅する
序章 「好き」を表す日本語は「好き」だけか?
古語は辺境に残る/方言周圏論の登場
第一章 御所から広まる高貴なことば
菜切り包丁を「ナガタン」/江戸はどのように「言語島」であったか
第二章 紫式部さん、あなたは『源氏物語』の中で、「戻る」を使いましたか?
『源氏物語』の「戻る」の謎/「「帰る」「戻る」の超千年史
第三章 琉球のことばが照らし出す日本語の原像
琉球は本土の言葉を勝手に濁らせない/『日本霊異記』の「毛止利天」とは何か?
第四章 豊かな方言の時代を生きてきた
訪問者の出で発ちごとねぎらう「お出でやす」/「ゆで卵」の分布図
第五章 『蝸牛考』の原点へ
「めちゃ」が日本を制覇していった日々/柳田の五重の同心円の向こうにあるもの
結びの章 時空を超えて
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アホバカ分布考は学生時代に読んだきりだったが、今回読んだ当本は、日本語研究の手法として感度するものが多かった。ネタの展開のさせ方はバブル臭さを感じるが、それがかえって日本語の古典的おもしろさを強調させている。
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『アホ・バカ』、『マン・チン』は、タイトルの言葉のみを徹底的に調べ上げる本だったが、こちらの本は、もう色んな言葉をとにかく調べて調べて、ついにはいにしえの日本語とも言える琉球語を求めて、波照間島までやってくる。
『源氏物語』、そして周圏分布考の始祖『蝸牛考』まで取り上げ、名詞・動詞だけでなくさまざまな品詞の言葉も調査する。
著者はかなりロマンチックな想像力を常に働かせていく。その想像力が語源への推進力となることもあれば、本の物語性を進める源ともなる。
3冊通して読み、難しい史料などはどんどん読み飛ばしたが、こんなに楽しく読めたのは、きっとこのロマンチックな想像力をふんだんに文章に散りばめてくれたお陰だろうと思う。
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お借りした本です、わたしには少し難しかったです。
言語の広がり方面白いとは思いましたが、歴史的な予備知識がないと難しいと思いました。