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隆慶一郎さんです。
(磯貝勝太郎氏の解説より抜粋)
肥後の山中で剣客の宮本武蔵に育てられ、二天一流の剣を学んだ松永誠一郎26歳。
武蔵の遺言に従って吉原を設立した庄司甚右衛門を訪ねた際、
幻斎と名乗る奇妙な老人と出会い、吉原を案内されているうち、『神君御免状』
(徳川家康が吉原に色里御免のお墨付きを甚右衛門に与えた特権文書)
を狙う裏柳生の執拗な襲撃をうけたのを発端として、その物語が展開してゆくのだが、
なぜ、家康は甚右衛門とゆう人物だけに吉原の設立を許したのか、
売笑の独占権を幕府権力で守ったのは何故か、
等々の吉原の謎や、徳川家康の影武者説をモチーフとして、誠一郎の出生の秘密、
裏柳生との宿命的な対立などをからませ、複雑なストーリーの展開する『吉原御免状』は、
魅力に富む、読みごたえのある伝奇小説だ。
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書評:宮本武蔵に育てられた青年剣士・松永誠一郎は、
師の遺言に従い江戸・吉原に赴く。
だが、その地に着くや否や、八方からの夥しい殺気が彼を取り囲んだ。
吉原には裏柳生の忍びの群れが跳梁していたのだ。
彼らの狙う「神君御免状」とは何か。
武蔵はなぜ彼をこの色里へ送ったのか。
吉原成立の秘話、徳川家康影武者説をも織り込んで縦横無尽に展開する
感想:もう文庫本の表紙がぼろぼろになるくらい、何度も読み返した本。
松永誠一郎がいい。純粋ゆえに最強の剣士。
宮本武蔵、裏柳生、吉原、徳川家康影武者説。
江戸時代を舞台にしたからこそ出来る、心躍る冒険活劇。
敵役の裏柳生総裁・義仙もいい。
カッコイイです。超オススメです。
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時代劇も、時代小説も大好きなんですが、ベストオブ時代モノを選べと言われれば、間違いなくこれを推したいです。むしろ私が死んだときには棺桶に入れて欲しい一冊。
何度でも読み返せるし、何度でも楽しめる。そして時代小説初めての人は目から鱗が落ちると思います。あまりに面白くて。
史実や、時代考証やらにこだわらず、自由な発想でエンターテイメントに徹した時代小説ってのは、こんなにスタイリッシュで面白い!!
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隆さんの処女作なんですね。処女作でこれは十分すごいですが、他の作品と比べるとやや見劣りするのも確か。ストーリーは十分面白いんですが、ところどころにまざる歴史解釈みたいなのが、ちょっと余分な印象。あとは『影武者 徳川家康』でまるっと語られている家康の影武者の話に長くとられているので、先にそっちを読んでいる自分としては余計な感じに。でもこれは必要な話だしなぁ。
吉原のただ華やかな話には終わらず、かといって暗い話でもなく、必死で生きようとしている人たちの執念のような物語。それでいて暗くならないのは彼ら一族の生き方なんでしょうか。読み応えのある作品だったと思います。
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隆 慶一郎、今まで敬遠していたけど、面白かった。久しぶりに、話に引き込まれて途中で止められなくて気づいたら朝!という本に出会った。
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舞台を見て以来、読みたいと思いつつ踏ん切りがつかないでいた作品。すごく素敵。
徳川家の差別政策の内幕や家康の影武者説などなど何処までが真実で何処までが作者の創作なのか分からないくらいリアルだし所々入る官能表現のバランスの良さ。いやらしいんだけれど美しくてとても良かった。
舞台版での疑問点もすっきり解決!
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冒頭から最後まで繰り返し問われる「俺は、今日まで、何をして来たのか」
著者の心の代弁ともいわれるこの叫びが、今の自分にも強く響く。
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内容(「BOOK」データベースより)
宮本武蔵に育てられた青年剣士・松永誠一郎は、師の遺言に従い江戸・吉原に赴く。だが、その地に着くや否や、八方からの夥しい殺気が彼を取り囲んだ。吉原には裏柳生の忍びの群れが跳梁していたのだ。彼らの狙う「神君御免状」とは何か。武蔵はなぜ彼を、この色里へ送ったのか。―吉原成立の秘話、徳川家康武者説をも織り込んで縦横無尽に展開する、大型剣豪作家初の長編小説。
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面白い。それもそのはず。オッサンの好きなモノが全部入ってる。
・ 強い男、ハードボイルドな男(自分はとうていなれないものへの憧れ)
・ 日本人の国民性にまつわる考察(やっぱりオッサンは歴史が大好き)
・ 政治の世界の裏のやりとり(党代表選の内幕とかに近いもの)
・ 陰謀史観
・ そして忘れちゃいけない「エロス」
と、夕刊フジ的要素が全部入った小説。そりゃ面白いはずだし、それを面白いと思える自分自身もも年をとったということさ……。
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肥後の国の山中奥深く、彼の剣豪・宮本武蔵に育てられた松永誠一郎。彼には出生の秘密がある。武蔵の死後、遺言に従い山を下り、江戸の遊郭・吉原へと赴いた。
「ここは極楽だよ。そして地獄かな―――」謎の老人・幻斎が誠一郎を迎えたその時、吉原で何かが動き始める。自分が吉原に現れたことが引き金となり血で血を洗う暗闘が繰り広げられる。その原因と思われる「神君御免状」とは何か、自分の出生にどのような謎があるのか、何故裏柳生は自分を亡き者にしようとするのか。数々の謎に迫って行くにつれ、誠一郎は吉原誕生に隠された秘密を知ることになる。
当代随一の剣豪にして、女が放っておかぬ器量、清々しい魅力にあふれた若者誠一郎に切ない恋心を寄せる吉原きっての太夫の悲しくも切ない運命も読みどころです。
「優しいてえのは悪(わる)なんだよ。誠さんは、女に出逢うたんびに、その女のために何も彼も棄てようと思う。確かにそれが男の優しさだろう。だがね、たんびたんびそんなことをしてて、身が持ちやすか? 誠さんの身だけじゃねえんだ。女の身だって、もちゃあしねえよ」
これは作中、誠一郎を助ける謎の老人幻齋が誠一郎に言った言葉です。脆く美しい者を守る者は優しさを棄て、敵と同じくらい残忍非道にならなくてはならない。この悲しい矛盾が誠一郎の心を苛みます。まさにハードボイルド。そう、彼のチャンドラーが名作『プレイバック』の中で、探偵フィリップ・マーロウに語らせた「タフでなければ生きられない、優しくなければ生きている資格がない」という言葉と同じ命題です。
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恥ずかしながら、今まで隆慶一郎を読んだことが無かった。すごく損をしていたなと思いたくなるぐらい面白い。そして、著者の小説処女作!!しかも、60歳になってから書かれた作品!!!!だまされたと思って読んでください、面白いから。
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理由もなく歴史物を敬遠していた私が勧められて初めて手にとった「歴史モノ」。結果から言うとものすごく面白かったです。夢中になって読んで、次の日には財布を握り締めて本屋のはしごをしていました。
この人の作品はどれも、大胆な切り口と暖かいものの見方で、史実ではないにしろ、ここに真実があると思わせてくれるロマンがあります。そう、歴史にはロマンがあるんだなと、目からウロコをポロポロ落とした私。
その中でも特に吉原モノであるこの話が大好きです。人物の描写が素晴らしい。情景が目に浮かぶよう。賑やかさと物悲しさと雅やかさと血なまぐささが絶妙のバランスで同居しています。
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こいつは面白い。
面白いと思わせる部分は多数あるのだが、
単純に時代活劇として読んでみるのもオススメ。
松永誠一郎、カッコイイよ
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著者のデビュー作。それなりに興味深く読んだのではあるが、その前に「影武者・徳川家康」を読んでいたせいか、肝心の『神君御免状』の正体が先に読めてしまったかも。しかしながら、この作品があってこそ、あの「影武者~」があるのね、と思えばこのデビュー作の存在は大きいと思う。吉原のイメージも見事に覆された。史実にもきちんと基づいており、フィクションをフィクションとは思えぬほど文章に説得力があるのが見事。
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これの舞台を見に行った友人から貸して貰った。
確かに時代物好きだし貴種流離譚も好きだが、これは好みではなかった。
何故なら徳川に貴種を感じないから。
ただ主人公は良い奴だし、吉原のシステムにも詳しくなれるかも?