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紙の本
続く女難剣難。
2002/07/31 15:26
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投稿者：凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数多くの短編によって一つの大きなストーリーが構築される眠狂四郎シリーズ。レギュラーが死んだり、もしくは新キャラが参入してストーリーは続いてゆく。狂四郎の目下のライバル・白鳥主膳は、名前どおり耽美な男だ。
耽美と酷薄、凄艶、剣戟の狭間に、狂四郎は時たま美保代へ優しさを見せる。やはり狂四郎は机竜之助よりも人間味がある。机竜之助は冷たいというよりも人間味が無いのだ……。しかし狂四郎に温かみが出てきたのは、柴田錬三郎が疲れたせいでもあろうか。人間味の無い人間を主人公に、それも連作形式の時代小説でヒーローとして書き続けるのは難しく、心境的にも落ち着かなくてしんどいだろう。真に人間味が無く救いの無い時代小説は、木枯し紋次郎シリーズであろう。
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