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読み応えあり。読後、ちょっと震えた。
桜木紫乃は女の大河ものがいい。「凍原」とか。
三世代の女たちの人生。
どうしたって百合江を応援してしまう。
こんな人生は昔だからなのか?
田舎の開拓時代の貧困がそうさせた人生なのか?
いや、現在でもこういうことは十分起こりうる。
こういう壮絶な人生を送った(送っている)人は現在でもいるに違いない。田舎か都市部かを問わず。
百合江の部屋にいたのは石黒なのか宗太郎なのか、読者はそこが気になって後半を読み進める。
ラストはちょっと芝居がかってるけどホッとする。
綾子がどうなったのか、みんな知っていたわけだから。
でも「ラブレス」というタイトルはどこから来てるのかなあ。
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読後の印象が嫌われ松子に似てる。行き当たりばったりで生きている姉と、人生を完全に計画通りに生きたい妹との対比?それとも貧困による負の連鎖の話?姉が天然なのかカマトトなのか分からないけど、父親の借金のせいで奉公に出され、夫の借金でまたタダ働きさせられ、娘も行方知れずになり、それでも気が狂わないのがかなり不思議。
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女三代記、赤朽葉家を思い出す。家族って1番近くて恥ずかしくてめんどくさいなと思った。最後の男がちょっとお前調子よすぎじゃないかなって思った。そして装丁とタイトル合ってない。でも面白かった。
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骨太な小説を読みたくて手にとった作品。期待どおりのガツンとした読み応えでよかった。
恵まれない家の子から、家出して旅芸人の仲間になって、実は歌の才能があって…と始まるひとりの女の長い人生を、幾度も貧乏と不幸が押し寄せる。ほんと、それはそれは壮絶な不幸続きなんだけど、不思議と暗い気持ちにならないのは、どんな境遇でも前を向いて戦っていくタフさに胸打たれるからだろう。戦っていくというか、ひどい目にあってもすとんと受け入れてしまうかんじというか。
旅するように、ホームを持たずに生きていく人生は共感できたし、自分の人生へのヒントをもらった気がするし。さわやかな読後感。
家族とのしがらみ、ほんとうに人の人生を苦しめるのは他人ではなくて自分を想ってくれる身内なんだなあという展開には胸が痛んだが、ずっと好きだった男との再会のシーンと、生き別れの娘、綾子の結末にはほんと救われたなあ。うん、よかったです。
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タイトルと装丁からは想像出来ない、かなり骨太な小説。桜木紫乃さんの他の作品も読んでみたくなりました。
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貧困の極みからの横暴・侮辱・屈辱の連続、この冷たく暗い家庭土壌にずるずると引きずり込まれる。読み着く先には、脈々とした強さと逞しさの水脈にぶち当たり、水温は少しずつ温かさを増しながら、ポッと高温に達して終らせる終章が印象的。柔と剛の姉妹・百合江と里美の生きざまを中心に、二人の母・娘たちの三代に通う血の繋がりは奥深い。
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おもしろかった。
綾子がいなくなったところで一度本を閉じなくてはならず、綾子がどうなったのか気になってしょうがなかった。最後にその後の綾子のことがわかるけれど、それでよかったとは思えない。
また、百合江の最期にその人物が会いに来るとは思わなかった。
ラストがよくわからない。この終わり方が納得できないのではなく、ついていけていない感覚。いつかもう一度読んでみよう。
しかし「ラブレス」というタイトルにひっかかる。作者はMy Bloody ValentineのLovelessを知っているのか?知っていてこのタイトルを付けたのなら、かなり挑戦的というか自信家というか。
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表紙とタイトルのイメージを裏切る骨太なストーリーだった。
女三代の大河小説だが、百合江の話がほぼ9割。
ただ懸命に生きるだけが、こんなに辛く報われないとは。
恋愛より、姉妹愛や親子愛がメインテーマに感じる。
大抵は「人や時代が悪いわけではない」と締めくくられそうだけど、出てきた男たちがどー見ても時代とか風土とか全く関係ない悪人ばかり。
ラストの男達がムシが良すぎて「お前、百合江は許してくれてると思ってない?」とどうしても言いたくなった。
だが、自分の人生を生き抜いた人に他人の評価などいらないとも思った。
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何が幸せかは本人が決める。
そして人生はいつもままならず、
曲がり角に何が待ってるかわかったもんじゃない。
でもこの手の話って、主人公が女だと
なんていうかおもしろみますよね。
土壇場での強さが際立つというか。
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何故だろう。一言で言えば、ただひたすらに辛い人生を歩んだ女性の話だったのに、もう一度読みなおしたいとさえ思うのは。
どうみたって幸せな人生だったとは思えないままで死を迎えるはずの最後のシーンでこんなにも涙が出そうになるのは、何故だろう。
流れるままに、でも決して流されているわけでなく、あるがままの人生を受け入れているのか。
何が良かったとも言えないけれど、間違いなく心に響いた作品だった。
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出産直後だからだろうか。泣けた。
そして本当に強い生き方を見た。本当の母の愛を見た。
そういうことでも、人は泣ける。
すごく良い小説を読むとこころがざわざわする。
人生がんばらないとね。
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「ラブレス」ってどういう意味なのだろう?
愛が無い、のか?
充分に愛に溢れていると人々が描かれている思ったが。
こういったある時代を生き抜く主人公の一生に焦点を当てた作品の形を「年代記小説」というのだと知りました。「風と共に去りぬ」みたいな形だそうです。
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カタカナのタイトルから想像した物語では全くなかった。一人の、貧しい北海道開拓畜産農家に生まれた女性の一生。教育が人間を人間たらしめるんだと思った。自分はどの女性に重なるだろうかと思いながら読んだ。ハギの幸せって、多少なりとも人間の尊厳が守られる生活をしている人間には、想像つかないところなんだろうなと思った。初作家さんだったが、別のもぜひ読みたい。
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謎の位牌を手に死の床につく百合江。彼女の生涯は、凄絶過ぎる一生だった。
人が人生を終えるとき、子供たちに伝えたいこと、語りたいこと、遺しておきたいことが必ずあると思う。百合江が握りしめた位牌にこめられた多くの、そして深いメッセージが胸を撃つ。
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桜木紫乃さん初読み。
主人公のただひたすらに生きる感が清々しい。
時代が飛んだり、登場人物のいろんな人を等しくクローズアップするからちょっとこんがらがりながら、でも楽しく読めました。
沢山のエピソードが盛り込まれててこれをまとめるのはすごいなーと思いました。
機会があればホテルローヤルも読んでみたい。