投稿元:
レビューを見る
表題を含む全6話。
結婚、家族に関する物語だが、どれも興味深く入り込んでしまったほど。
どの話も重苦しさや悲しさを感じさせない不思議な気持ちになるのはなぜなんだろう…と。
それは、どこにも憎しみや悲しみをぶつけることをしていないから。
穏やかにふんわりと纏めているのが良かった。
投稿元:
レビューを見る
夫とはこうあるべき、妻とはこうあるべきみたいな柵を気にする日本の夫婦が多いと思うけど、恋愛には色んな形があって幸せはそれぞれ違うので縛られる必要はない。
と思う一方、ケンカしてた嫁と早く仲直りしたいなって思ってしまった有難い出会いでした。
投稿元:
レビューを見る
★3.5
するりと読める、日常でいて非日常。いい意味でずれた感じの登場人物達が憎めずゆるくて良い。ローゼンベルクは好ましいが、妻のつもりの白鳥の話はややイライラ。
投稿元:
レビューを見る
人の一生が記憶の積み重ねみたいなもので出来ているという点では「ローゼンブルクで恋をして」や表題作である「オリーブの実るころ」は正統派なストーリーに感じました。
一方、「ガリップ」は異色なお話。改めて表紙絵をみるとなんとそこにガリップがいるではありませんか! ほんわかしたイラストですがお話はちょっとダークな味わいがあって、”読んだ人のみぞ知る“な表紙ですね。
投稿元:
レビューを見る
夫婦、親子などの関係を描いた6編。
淡々としているのだが、ゾッとしたりドキッとしたりする話が多かったように思う。
「家猫」
元義母、元夫、元妻、現内縁妻それぞれの視点で語られる家族関係、夫婦関係。まるで『藪の中』のようで、本人が見たい風景が語られていく。義母や夫はともかく、元妻にしても彼女が一方的に被害者かどうかは分からない。
「ローゼンブルクで恋をして」
『全国の都道府県名をドイツ語にすると無駄にかっこいい』というブログ記事で変換したら『ローゼンブルク』とは?
父の『終活』をめぐる騒動なのだが、父と息子だから収まる話なのかなと思った。娘だったらまた違う感情になりそう。
「川端康成が死んだ日」
25Pほどの短い話だが、作中登場する川端康成が印象的。こんなことを言いそうだ。
ここに描かれる母親は子供たちからすれば身勝手極まりないのだろうが、それだけ追いつめられていたということだろう。そして川端康成がその母を救ったのかも知れない。
「ガリップ」
これは正直怖いだけだった。三者がそれぞれ肝心なところに踏み込まずにけん制し合っている。踏み込んでしまったらこの関係が崩れてしまうからなのだが、私なら耐えられない。この話を読んで表紙を見ると怖さ倍増。
「オリーブの実るころ」
唯一ホッとする話。ご近所に越してきた老人の過去。無茶をしてまで結ばれたかった女性とは結局結ばれず、だがずっと気にかけていた。
当事者の二人の潔さが素敵だった。そして老人の願いが通じて良かった。
「春成と冴子とファンさん」
結婚相手の、変わった父と母。本人が幸せならそれで良いし、父も母も息子のことを思っているし主人公との結婚を喜んでいるのでそこは安心できるのだが、今後の付き合いを考えると気遣いが大変そうだなと思ってしまった。
久しぶりに読んだ中島さん作品。中島さんらしいようでもあるし、もうすこしホッとする話が良かったようにも思う。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
家族のことや結婚、恋愛について等。
コハクチョウの話しがちょっとぞっとするような。
異種間に恋愛はありえるのか。
鳥というのはつがいを大事にする生き物なので「この相手だ」と思うととても愛情深いと聞くのでドキドキしてしまった。
最後のお話はちょっとしんみり。
投稿元:
レビューを見る
絵に描いたような理想の結婚生活。
将来の人生の在り方について、夢のように思い描いたことが誰しもあると思う。
夢見るだけなら構わない。
けれど理想と現実のギャップに、挫けてしまわなければ良いのだけれど。
短編集に出てくる6つの家族の有り様もまたそれぞれに独特で、どの家族もあまり他人には言えない事情を抱えている。
家族であることを終了させたり人生を終える"終活"もまた、家族や人の数だけ存在する。どれ一つとっても全く同じものはない。物事は始めることより終わらせることの方が、思いがずっと残るような気がする。
自分にとって初めは辛くて不幸に思えたことでも、長い人生を終える時、穏やかに笑って話せることができたら、人生はトントンじゃないだろうか。
胸がきゅっとなる切ない話やクスッと笑える話もあって、家族というものはその人の考え方一つで笑い話にも哀しい話にもできるものなのだ、と改めて思わせてくれる短編集だった。
特に『オリーブの実るころ』『春成と冴子とファンさん』が好き。
投稿元:
レビューを見る
幸せ…な人があんまり、いないというか、幸せとはっていうような、こう…。いろいろ考えたというよりはいろいろに腹が立ったというか…そんな本でした。最後にあの話が来ていてよかったなと思う。心から。
投稿元:
レビューを見る
短編集
読み終えた時は、面白かったと思ったんだけど
全部読み終えてからだと、印象に残るような話があまりなくて
白鳥と人間の三角関係の話は面白かったけど
ちょっと怖いし…
白鳥が人間(男)に恋して、男も白鳥を可愛がり親切にして一緒にご飯を食べたり
男が結婚して、奥さんが妊娠したけど白鳥の嫌がらせで階段の踊り場に突然現れ奥さんが驚いて階段から落ちて流産…
白鳥は偽妊娠してて、巣を作ったら奥さんに壊されたり玉子を隠されたりと
お互い、ライバル心が強く怖い
投稿元:
レビューを見る
こんなに可愛い表紙なのに、
内容がそこはかとなく不穏。
ファンタジーなのに生々しい。
でも、このザワザワが小説の醍醐味かな。
現実にあったら困る世界を
小説の中で疑似体験できるのがいい。
投稿元:
レビューを見る
小さいおうち以来二冊目。なんとなくほのぼのとしてそうで心にひっかかる。そんな作品集。川端康成の登場する短編はなぜ、どうして書かれたのか、おもしろい。
投稿元:
レビューを見る
短編6作品
家猫
ローゼンブルグで恋をして
川端康成が死んだ日
ガリップ
オリーブの実るころ
春成と冴子とファンさん
家猫はいろいろ面白かったです。作品の構成も価値観も。
ガリップは、鶴が出てきます。
表題のオリーブは、純愛?読後感良かった。
全作品とも恋愛、結婚、パートナーがテーマのようです。
投稿元:
レビューを見る
「家猫」「ローゼンブルクで恋をして」「川端康成が死んだ日」
「ガリップ」「オリーブの実るころ」「春成と冴子とファンさん」
結婚をテーマにした6話収録の短編集。
全話個性的で面白い。
メルヘンチックな装丁から、ほのぼのとした物語をイメージしていると良い意味で思い切り裏切られる。
1話目の『家猫』なんてまるでイヤミス。
家猫と化け猫に挟まれる自己中男。
家猫の正体には思わずニヤリ。
表紙のコハクチョウが登場する『ガリップ』も背筋がヒヤっとする。
妻VSコハクチョウと、コハクチョウを助けた夫。
その三角関係の行方を確認して欲しい。
投稿元:
レビューを見る
6話の短編集
中島京子さんの本が読みたくなって、図書館で気まぐれに手に取った本だったけど当たりでした。
どのお話もちょっと不思議でちょっとほろっとして、ちょっと笑える。
お気に入りは、ガリップ。
白鳥との三角関係は面白いんだけど切ない。
愛がテーマだけど、重すぎず軽すぎず。
中島さん好きです❤️
投稿元:
レビューを見る
さらっとして読みやすかった。ガリップはちょっと怖かった。
「オリーブの実るころ」が心に残った。どうしても結婚したくて、強行策に出た二人だが、居場所を突き止められ、引き剥がされたが、二人ともその後お互いを探そうとしなかったのが不思議。だが、二人ともお互いの幸せを願っていたんだろうなと思い、切ない思いとなった。