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まさに傑作ですよね。「盗んだ」と一言けろっと言った彼は幸せだったのだろうか、と、この話も切なさが記憶に残ります。
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この本を読んだのは20年以上前。性を超えた魂の恋愛だと思う。かなり後になって、ルグインが女性だと知りました。
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異星どうしの交流を計る「使節」の主人公が降り立ったのは、気温が常に氷点下の冬の惑星「ゲセン」。
雌雄同体のゲセン人たちの独特の文化、厳しい自然、ただ語り合うことしかできない主人公は、そこで愛とも友情とも言える絆を紡いでいきます。
とにかく冬の描写が圧巻です。戦闘もロボットも出てきませんが、切なくて奇麗なSFです。
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これは私がヨコシマに走る元凶だった気がする。ル グィンはブラッドベリと似て非なる魔法使いです。女史の作の中でこれが一番心に残ります。だからさー、じぶりはゲド戦記なんか手を出したらあかんよ・・・。重くしたいなら自作で。原付は軽いので行くべきと思うんだ。
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間違いなく傑作。ゲト戦記を中学生のときに読んだぶりの体験でしたが、より深いところでの他者とのつながりを実感できる醍醐味は、ほんとたまりません。
冬の惑星の風景がいまの季節に合っていてよかったです。
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心のバイブル。運のわるいほう(いいほう?)が妊娠すればいいのだ!とよく思うので、ゲセンの郷の習慣はとてもよさげに感じる。
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男性女性を問わずSFの書き手としての第一人者の一人、アーシュラ・ル・グィンの代表作。
光は暗闇の左手、暗闇は光の右手。生と死や男と女、対立する概念の和解への道は?
テーマは深遠だが、グィンが構築したゲセンと言う異文化、異質な土地、両性を行き来する原住民等々の設定は魅力にあふれ且つ確固としていて、テーマをより際立たせると同時に良質のエンターテイメントともなっている。
両立の難しい両者をうまく両立させた稀有の書である。
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アーシュラ・K・ル・グィンの本はどれも好きだが…特に思い出深い一冊。今は手元にないがまた読み返したい。
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宇宙連合(エクーメン)は、遥か昔に放棄した各植民惑星を訪れ、再び外交関係を築こうと使節を送った。
その1人として、惑星<冬>を訪れたゲンリー・アイと惑星ゲセンの人々の駆け引きと触れ合いを綴った話。
前半はゲセンの世界感の把握に時間がかかり、まさに「未知の世界」に取り残されたように感じる。ゲセンの人々から地球人を見たら逆にこのように感じるのかもしれないと想像した。
後半は前半のもやもやが一気に解消するような展開。
危機(二人だけで氷原を渡る旅)を共にしたゲンリーとゲセン人のエストラーベンの間に友愛が生まれる過程が、二人の視点でそれぞれ描かれていて、女性作家の細やかさを感じる。
時折、ゲセンの伝説や第一次調査隊の考察などが織り込まれ、それが物語りに奥行きを与えている。
だた、最後の展開が重く、いい作品ではあるが、再び読みたいかどうかは微妙だ。
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●古典的傑作として名高いSFなので、お勉強がてら読みました。こんなお話。↓
●銀河の端っこにある惑星に、宇宙人類平和機構的な組織から派遣された使節(※主人公)が、「うちの組織に入りませんか〜?」と勧誘するものの、そこの惑星の皆さんは「は?(゜Д゜)」程度のうっすい反応。そのうち、使節(※主人公)はその惑星の中にある国家間の争いにまんまと利用されることに。
そして、「とりあえず抹殺しとくか?」と判断された使節(※主人公)は、隣国で謀反人として処断されていた元首相と脱走し、寒くて死にそうになりながら、はるばる惑星の極地を横断する羽目になるのでありました・・・。←あながち間違ってはいない。ハズ。
●SF的ポイントとしては、その惑星の人々が両性体であることとか? そして、架空の惑星における自然や文化の描写はさすがです。さすが御大。
●しかし、読んでてしみじみ思ったのは、今更ですが「異文化間の相互理解は難しい」と言うこと。それでも元首相&使節は、限界状況の中でお互いに理解しようと努力し、友情を育んでいくのでした。や、バカにしたらあきまへん。ほんとにいい話なんだから。泣きこそしなかったが、胸に迫るもんがあった。友情だよなあ。いや、友愛?
そんな友情を味わいたい人に。←は?
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訳文の良さも無論あるのだろうが、一行ごとに開ける世界の鮮烈さに息が詰まるほど。壮烈にして凄絶。真冬になるたびに必ず読み返す。エストラーベンが「愛国心」について語る言葉は深く豊かだ。わたしのなかで特別な位置を一生保ち続けるであろう一冊。
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『ゲド戦記』のアーシュラ・ル・グィンの代表作と言ってもいいでしょう。
SFですが、それほどむつかしい設定は出てきません。
『ゲド戦記』でもそうですが、ル・グィンは人間心理や社会を描く作家だと思います。
子ども向けとは言えない気がします。
この作品で描かれているのはジェンダーや社会学です。
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SFと言う形を取っているが、文化、国、戦争、愛、友情を描いた作品
とりあえず、両性具有で発情期(ケメル)のみ性的接触をおこすなど人間と異なる文化性質を持つゲセン(戦争という概念がない!)と基本的には現代人類に近い主人公ゲンリーアイとの関係性が中心に描かれている。
その深すぎる世界観もさることながら、逃亡の旅の中で現地のゲセン人と友情を築くのだが、それは男女の友情でも男同士の友情でも人間同士の友情のどれにも当てはまらず、またすべてに当てはまる友情ではないかと読者に思わせる。
非常に素晴らしく面白いのだが、どこから勧めて良いかわからない
気になったら読むべき、ただのSFではない。
でもSFが嫌いだと導入で力尽きるかもしれない
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ル=グウィンの話は、その本の物語を楽しむためにあるのではなくその物語と自分の内面との対話というか、読んでどう感じたか、どう思ったかを深く読者に感じさせるものだ。語弊があるけど、私にとっては啓蒙的な作者である。
そんなわけで、物語との対話が上手くいかない時期、その中の主題が「自分の問題」になっていない時期には、読んでもよく分からなかったりする。
今回は、まだ時期が来ていないようです。
読んで思ったのだが、海外のファンタジー作家は、本当に厳しい自然の中での旅、その中での成長と、人間という存在への問いかけをよくする。
その中で、自然は絶対の存在、克服すべき存在として、厳しく、凍てついたものとして描かれる。
往々にして対話不可能。自然は環境であり、舞台であり、主人公たちの内面の背景となる。
それに比べて、東洋の作家は自然をより主体的な存在として、人格的に、優しく、そして身近なものとして描く。
もっと直接てきに主人公たちは、自然から語りかけられ、自然から啓示を受け、学び、成長する。
なんというか、自然との距離感が東洋の作家と西洋の作家ではかなり違うように思ったり。
(けど、指輪物語とかナルニアとかイギリスの作家はけっこう自然が身近だったりするし、よくわからん)
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うおう。表紙新装版にかわってるよー。
2006年読了しましたが、本屋に行ってみたらハヤカワ文庫フェアーをしていて、表紙が新しくなった『闇の左手』を見つけて、購入してきてしまった。
ル=グウィンの絶版本、もっと復活してほしいのと(表紙新しくなったらきっとまた買っちゃうなぁ)、未訳作品を出版してほしくてね。
2008.09.20.
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