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リュシアンのトラウマの方向性にびっくり。
トラウマというか性癖というか。
そんな彼の全てを理解せずとも救ったエレナ、本当に聖女だ。
治療と称して毛布の上から、シーツの上からの触れ合いのシーンはコミカルでもあり、コメディな作品なのかなと和んでいたら、そうはならないこのレーベル。
邪悪な存在が身近に。
父王がもうとにかく吐き気を催す邪悪。
この王を倒さない限りは、主役二人にも、そしてエレナの兄にも未来はなかった。
ここで最後の剣を振るったのがリュシアンではなくエレナの兄だったことに、彼の成長を感じられた。
びくびくしていたのに、立派になって。
主役二人のキューピッド役でもあったし、彼も立派なメインキャラである。
その父王を完全に弑しての終わりでなかったのは、作者さまの優しさかなと思いつつ、でも「殺しの罪」を背負わずに望む未来を掴めたという点で読後感のよいラストだったと思う。
リュシアンも諸々克服できたし。
幸せなラストで本当によかった。