紙の本
参考になります
2022/11/28 14:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
分厚い本だけど、章割りがうまくされていて、読み進めやすかった。探索と深化の両方を進めていかない企業は、市場の変化や競合他社との競争でじり貧になる。成功している企業ほど、成功者の罠にはまって、不確定な探索を行えずに変化に対応できなくなるリスクがあるとの内容。それらを避けるためにリーダーシップや企業文化の醸成をいかに進めるかを説いている。参考になりました。
投稿元:
レビューを見る
2022/7/13
イノベーションのジレンマでも語られている通り、優良企業は持続的イノベーションができているからこそ、破壊的イノベーションができない。短期的視野に立ったときに破壊的イノベーションは市場規模が小さいにもかかわらず多くの投資を必要とするため合理的で優秀なマネージャーは破壊的イノベーションに手を出さない。本書のなかではサクセストラップとして語られている、持続的イノベーションと破壊的イノベーションでは必要とされる人材、スキル、KPI、プロセス、要するに組織能力すべてが全く違うのであり、持続的イノベーションを起こすための調整は破壊的イノベーションを阻害する調整でもある。
2つのイノベーションの両立の難しさの論理は引き継ぎつつ、既存事業をもつ優良企業が破壊的イノベーションを起こすためにどうすればよいのかという問いに対して、クリステンセンはスピンアウトすればよいという短い回答だったが、本書では既存事業の深化と新規事業の探索を両立させる両利きの経営をすることの重要性をといた。両者を適切に分離して新規事業が独自の意思決定と組織能力を培えるようにしつつ、既存事業の顧客、技術、バックオフィスといった資産にアクセスして単独のスタートアップに対する優位性を確保しなければならないからである。ここではstrategic positioningだけでなくorganization capabilityも重視されている点に留意したい、破壊的イノベーションができなかった企業はその重要性に気づかず戦略を持たなかったのではなく、戦略を持ちつつそれを実行するために適切な調整を行う組織能力を持たなかったためである点が強調されている。
両利きの経営の要点は下記4点である
①既存事業で培った資産を活用する新規事業戦略。これは既存事業と新規事業の協力を促すために必要
②経営陣の保護や支援。新規事業に対する投資とこれに関わるメンバーの評価・報酬を適切に与えないと既存事業は自分たちにとって邪魔な新規事業を潰してしまう
③組織的アーキテクチャ。CEO直下にするか経営ボード直下にすることで既存事業からは切り離しつつその協力は得られるようにすることが必要。探索フェーズ終了後も儀礼的な管理プロセスが続かないように投資、EXITに関する規律も必要。
④組織的アイデンティティ。グループで共有する価値観は①のロジカルな側面に対して、エモーショナルな側面で協力のために必要
またなにより両利きの経営の実践にはリーダーシップが必要である。下記の3点が重要
①リーダーは自ら戦略と両者を統合するアイデンティティを語り経営幹部を巻き込まなければならない、決して戦略だけを決めてその後を人任せにして成功することはできない。
②対立を明らかにしつつその葛藤を議論して建設的に乗り越えるようチームを導く必要がある。そうしないと重要なことから目を背け、儀礼的なアジェンダで時間を消費する会議が蔓延するようになる。
③深化と探索は本質的に異なるものであり、両者で求めることが違うことを理解して一貫して矛盾した対応を取り続ける必要がある
・カタログ販売から百貨店への移行に成功したがそこからカテゴリーごとのディスカウントショップやECに破壊されたシアーズ。
・フィルム市場の消滅と運命をともにしたコダックとヘルスケアやプリンター事業への移行に成功した富士フイルム。
・DVDの郵送からストリーミング配信企業に移行して成功したネットフリックスと、その存在を認知しながら軽視し、ビデオレンタルショップの衰退と運命をともにしたブロックバスター
・書籍コマースから総合コマース、物流、クラウド事業に移行したアマゾン、ハードからソフトウェア・サービスに移行したIBM、新聞・テレビからネット配信に移行したUSAトゥデイが成功事例として紹介されている
投稿元:
レビューを見る
アップデートした文化の章が刺さりました。
組織文化を体現できるリーダーにならないと新入社員にはついてこない。、
投稿元:
レビューを見る
久しぶりのザ・経営書。
イノベーションと言えば、クリステンセンさん世代(?)な私。有名な「イノベーションのジレンマ」を越えるには、クリステンセンさんの言うように新規事業担当を別組織にするだけじゃ既存の経営資源使えないじゃん?という問題意識から書かれている。
しかし、結局は別組織にして、上が仕組みや文化でしっかり繋いでねというように読める。
この手の経営書、以前は随分読み漁ったが、結局経営者次第じゃんと思えてしまって、しばらく遠ざかっていた。この本は訳が良いのか翻訳本にしては読みやすいし、事例も豊富で面白いんだが、やっぱり当時の感想を思い出した。学者さんが大企業を一括りにして語っている感が、マネジメント層ではない人間には刺さらないんだよなあ。。
投稿元:
レビューを見る
本書のエッセンスを一言にまとめると…探索と深化を両立させる「両利きの経営」がイノベーションを起こすには必要であり、トップのリーダーシップが重要、といったところか。某経営学の先生はクリステンセン氏のイノベーション理論を越えたと評している。確かにイノベーションのジレンマに対する処方箋ではあるのだろうけど、リーダーシップという属人性の強い要素に帰結しているので、誰にでもというわけにはいかないなというのが正直な感想。読み物としてはクリステンセン氏の本の方が面白いと思う。
投稿元:
レビューを見る
広く浅くアンテナを張らないとこれ一本の強みにしがみついていては生き残れない企業の姿が複数の例を用いて紹介されている。Amazonの発展の歴史など勉強になった。
投稿元:
レビューを見る
新設の組織文化の章を読みたくて手に取り、一気に読めた。事例は豊富であり、Amazonのケースは興味深い。
探索と深化の両立を最初から選択肢で外す企業は少ないだろう。しかし、リーダーシップが要であるということになるとそれはそうですよね、とはなる。個別性が強いようにも思えて、何となくモヤモヤしてしまった。
傍においておき、自分が壁にぶち当たった時にふと読み直すと感じ方が変わるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
前々から読もう読もうと思っていて、
積読状態だったんですが、
あれよあれよという間に年月が経ち、
気が付けば、増補改訂版が発売。
という訳で、増補改訂版も買うことになり、
ようやくこちらの本を読むことができました。
分厚い本の割には読みやすく(でも読むのに時間がかかった)、
たくさん選も引き、読んでみたらやっぱりスゴ本だったというオチです。
「両利きの経営」については、至る所で言われていることであり、
「もはやネット上本だけでまぁいいか」となると思うのですが、
やっぱり本家本元のこちらの本を読むことで、
自分の「両利きの経営」に対する理解度を格段に上げることができました。
こちらの本に感化された人は、
本の中にも出てくるAGCのケースをより詳細に記した
「両利きの組織をつくる」も是非、一緒に読んでもらいたいですね。
※両利きの組織をつくる
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4862762867#comment
経営者(を目指す人)なら、絶対に必読な本でしょう。
投稿元:
レビューを見る
両利きの経営の増補改訂版。事例がアップデートされ、入山さんと冨山さんの解説も増補されている。
両利きの経営は人口に膾炙した感があるが、その実行の難しさはあまり理解されていないように思う。単に深化と探索の両方を追えばいいというわけではなく、容易に深化の道に陥ってしまう組織の慣性=経路依存性を跳ね除け、探索の道を探るのか。また、単にアイディアを出せばいいというものではなく、それをいかにスケールされるのか。そこに力点がある。
そのためのフレームとして、既存・新規事業×既存・新規顧客のマトリクス、深化と探索、アイディエーション、インキュベーション、スケーリングを提示する。
膨大な事例とともに著者たちがポイントとしているのは、探索型組織をどこにつくるのかとスケーリング。
探索型は既存組織のリソースを活用しながら、一方で既存組織の枠組みからは離れて動けるようにしてあげる必要がある。なので、スピンアウトするのではなく、社内で別組織とするといったことが強調される。また、スケーリングの難しさは多くの紙幅が費やされている。実際、スタートアップとの連携やデザイン思考、リーンスタートアップなどの方法論によって、アイディエーションやインキュベーションに取り組んでいる企業は数多くあるが、スケーリングのタイミングで大体失敗している。スケーリングにあたっては、既存ビジネスから新規事業へのリソースの移転が必要だけれど、それ自体、そもそも既存事業側からしたら面白くない。さらに新規事業は簡単には収益化せず、短期的には既存ビジネスに投資した方が有効にみえるからだ。
そのために、経営がちゃんとコミットし新規事業を支援すること。一方で撤退の基準も決めておくこと。このあたりの具体的な事例が特にIBMとシスコの事例を使って説明される。
また、冨山さんの解説でも触れているがアイディエーションも自分たちで画期的なアイデアを考えないといけないという思考パターンにはまることも多く、どちらかというとパクるつもりで取り組む必要があるなど、学びは多い。
それにしてもアメリカの本らしく分厚い。そこだけが玉にきず。最後に冨山さんがちゃっかりIGPIの宣伝をしているのが笑えた。
投稿元:
レビューを見る
自社もまさに両利きの経営を求められる立場だが、自分が行なっているのは深化領域の取り組みだけである。管理部門ではあるが、深化にとどまらず、探索領域の取り組みを見出したい。
投稿元:
レビューを見る
両利き。つまり既存事業の深化と新規事業の探索。これらの両軸で事業拡大させていく。既存事業の成功体験が新規に悪作用したり、そのリソース配分やリーダーシップの在り方は単純ではない。時勢のタイミングや商材、競合にもよる。そうした難しさを事例を挙げながら解説。教科書のような本。
破壊的イノベーション、破壊的技術は、新しい顧客層の心をつかみ新しい製品やサービスを通じて新規市場を創造する。しかし合理的な経営者であれば収益性の悪い小規模でかつ不確実な市場に参入することについて、説得力のある論拠を示す事が難しい。コストダウンが命題の成熟事業で何とか競争しながら、空振る可能性のある新しいビジネスモデルを探索する必要がある。組織文化も違え、矛盾するようにも見えるが、これを成立させた後にティッピングポイントがある。
例えば、Netflix VSブロックバスターの事例。Netflixは新事業を成功させるために、既存事業とのカニバリゼーションも辞さなかった。郵送DVDレンタルの売り上げを犠牲にし、動画配信へ。
1848年創業の時計メーカーオメガは1960年代半ばに電子式時計のアイディアを探るためヌーシャテル大学に補助金を出した。研究者は電子式時計に必要な特許を取得しオメガに提供しようとしたが、オメガは申し出を断った。その後、その特許は日本の服部時計店、現セイコーホールディングスとライセンス契約。それからスイスの時計産業が崩壊し、800社が倒産。新しいCEOにニコラスハイエクが起用されてようやく持ち直しているが、こうした事例も紹介される。
大手航空会社と格安航空会社は、多くは大手が格安航空会社を買収したりLCCを設立するなどして共存態勢に入ったが、基本的な組織能力は同じながら顧客セグメントが異なっていたため、結果としてうまく運用できなかった。LCCの経営ではスピードと柔軟性が求められるがサービスは求められない。フルサービスの航空会社は逆。2つの組織では人材、指標、インセンティブ、文化のタイプが全く異なっている。結果的に対立や運営上の混乱が生じたケースもある。またLCCの低収益事業からのリターンを理解されなかったケースもある。
多くの企業では研究開発部門がアイディアを創出する業務を担っている。しかし多くの場合、既存の利益を維持しなければならないと言う考えから新しいものを開発するよりも、既存事業の改善に集中される。成熟事業のリソースをいかに新規事業に振り分けるか。情報共有のモチベーションも上がらない。至近、こうした課題につけんだ舶来のSFAがプラットフォーム利権を得ようと、日本のサラリーマン企業に侵食してきている。よくよく考えて導入すべきだろう。
投稿元:
レビューを見る
深化と探索の両方を行う際の難しいポイント、それに対して特にリーダーがどう対処するか、成功例失敗例について述べた本。
企業を継続して経営するためのリーダーシップの話が主だが、各社がどのような工夫をしているかが参考になった
投稿元:
レビューを見る
厚かったので「はじめに」に書かれているように 2、7、8 章だけ読んだ。イノベーションの種は徹底した顧客志向から出てくること、「両利き」の本質的な難しさ(目の前の儲かる事業に投資するほうが短期的にはメリットが大きい)、イノベーションをステップ毎に評価する仕組みが大事、ということを学んだかと。
投稿元:
レビューを見る
良いことを言ってるし、いろいろ調べた結果なので納得感もあるが、長い。もっと端的にまとめられると思う。
投稿元:
レビューを見る
解説 入山章栄
いま何よりも「両利きの経営」が求められている
本書の四つの価値と、増補改訂版の特徴
本書のポイントとなる重要理論の概説
両利きの経営
深化に偏った先にある、サクセストラップ
ダイナミック・ケイパビリティ
イノベーションストリーム
VSR(多様化・選択・維持)プロセス
各章の位置づけと注目ポイント
推薦の言葉 スティーブ・ブランク
日本の読者の皆さまへ
両利きの経営
はじめに
第Ⅰ部 基礎編 ディスラプションに向き合うリーダーシップ
第1章 イノベーションという難題
1 組織の進化を牽引するリーダーの存在
2 破壊的イノベーション論の限界
3 市場と組織能力で捉えるイノベーションストリーム
4 本書の構成
第2章 探索と深化
1 組織アラインメント 戦略との整合性をとる
2 イノベーションを阻むサクセストラップ
3 アマゾンの探索と深化のモデル
フェーズ1 書店からオンライン・スーパーストアへ(1994~2000年)
フェーズ2 オンライン・プラットフォーム(2001~05年)
フェーズ3 クラウドサービス・プロバイダになる(2006年以降)
4 探索と深化に向けた戦略と実行
結論
第3章 イノベーションストリームとのバランスを実現させる
1 シアーズ 成功からの凋落
成功のストーリー
失敗のストーリー
成功のパラドックス
2 ボール社 140年の成長軌跡
ブリキ缶から宇宙航空事業へ
ボール社はなぜ成功したのか
3 どうすれば時の試練に耐えて組織は存続できるのか
イノベーションストリーム
富士フイルムとコダックの比較
領域A 既存の組織能力、既存の市場
領域B 新しい組織能力、新しい市場
スイスの腕時計産業
カジノ運営企業
新聞社
領域C 新しい組織能力、既存の市場
ファイアストン
RCA
領域D 既存の組織能力、新しい市場
大手航空会社と格安航空会社
破壊的イノベーションとイノベーションのジレンマ
4 戦略的インサイトと戦略的実行
リーダーシップ
組織アラインメント
結論
第4章 競争優位/競争劣位としての組織文化
1 組織文化とは何か
2 規範が行動に及ぼす影響
3 組織文化と戦略を調和させる
4 リーダーはどのように文化を創出し、マネジメントするのか
5 組織文化の創出と変革のメカニズム
①リーダーの言動
②社会活動やセレモニーへの参加
③ストーリー、専門用語、シンボルを用いた明確なシグ��ル
④入念に設計された報酬制度
⑤整合性のとれた人事制度
6 組織文化と両利きの組織
結論
第Ⅱ部 実践編 イノベーションのジレンマを解決する
第5章 七つのイノベーションストーリー
1 両利きの経営の成功事例
USAトゥデイ 新聞を自己改革する
ネットワーク戦略を遂行する
USAトゥデイの事例から学べること
その後の展開
チバビジョン 探索に命運を懸ける
結果
チバビジョンの事例から学べること
その後の展開
フレックス スタートアップを育てる
深化で浮かび上がった課題
離れた場所での探索
フレックスの事例から学べること
その後の展開
ダヴィータ 新規事業に挑む
調剤薬局事業「ダヴィータRx」
ダヴィータの事例から学べること
その後の展開
HPのスキャナ部門 「準部門」という選択
主力のフラットベッド・スキャナ事業
迷走するポータブルスキャナ事業
仮想スタートアップ組織の立ち上げ
HPの事例から学べること
その後の展開
サイプレス・セミコンダクター 起業家連合を形成する
アイディア創出
スクリーニング
立ち上げ
マネジメント
卒業
結果
サイプレスの事例から学べること
その後の展開
AGC コモディティ化からの脱却
AGCの事例から学べること
その後の展開
2 七つのケースから抽出される強みと弱み
両利きならではの強み
両利きであるがゆえの弱み
3 リーダーに求められる三つの行動
第6章 実行面で成否を分ける紙一重の差
1 正しく実行する IBMの両利きの経営
IBMの進化 成功、失敗、そして成功
探索と深化 新たな事業機会
組織の進化と適合 EBOのプロセス
多様化 新しいEBOの設立
選択 実験を行う
上位層が積極的かつ頻繁に支援する
熱意のある最優秀人材をリーダーにする
規律ある全社横断的なアラインメントを行う
資源を別枠で確保して監視することで、早まった削減を避ける
行動を重要なマイルストーンと結びつける
クイックスタート、クイックストップ
維持 探索事業から成長事業への移行
ライフサイエンスEBOはなぜ成功したのか
その後の展開
2 「ほぼ」正しく実行する シスコの機能横断型組織
カウンシル・アンド・ボード
テレプレゼンスのひとまずの成功
その後の展開
結論
第7章 イノベーションの三つの規��
1 破壊的変化に適応する
2 アイディエーション 着想を表出させる
オープンイノベーション
コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)
デザイン思考
従業員の積極的な参加
3 インキュベーション 新たなアイディアを検証する
リーン・スタートアップ
ビジネスモデル・キャンパス
4 スケーリング 新規事業の成長
買収
パートナー
構築と活用
5 破壊的イノベーションに挑む
アマゾンのイノベーション
アイディエーション
インキュベーション
スケーリング
インテルのイノベーション
アイディエーション
インキュベーション
アクセラレート、スケール、変革
6 事例に学ぶ三つの規律のポイント
アイディエーションのポイント
インキュベーションのポイント
スケーリングのポイント
結論
第Ⅲ部 飛躍する 両利きの経営を徹底させる
第8章 両利きになるための四つの要件
1 両利きの成功事例に見られる共通項
2 戦略的意図 組織能力と資産を活用する
領域A 戦略的に重要ではなく、オペレーションとの関連性も低い
領域B オペレーション面での関連性はあるが、戦略的に重要ではない
領域C 戦略的に重要だが、現状の資産や組織能力が生かせない
領域D 戦略的に重要で、中核となる組織能力を生かせる
3 経営陣の関与と支援
4 両利きのアーキテクチャー
5 共通のアイデンティティ ビジョン、価値観、組織文化
6 なぜ四つの要素が必要なのか
第9章 両利きをドライブさせるリーダーシップと幹部チーム
1 困難な状況に加担するリーダー
ハヴァスのデイビッド・ジョーンズの場合
NASAのジェフ・デービスの場合
2 探索事業と深化事業を牽引する
マイシス 一貫して矛盾する
BTのベン・ヴェヴァイエン リーダーシップスタイルの刷新
ゼンサー・テクノロジーズのナタラジャン 懐疑的な幹部チームから庇護する
3 両利きの組織を導く 本業と探索事業のバランスをとる
第一原則 心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む
第二原則 どこに探索と深化との緊張関係を持たせるか、明確に選定する
第三原則 幹部チーム間の対立を回避せずに、向き合う
第四原則 意図的にユニットごとに異なる基準を課して「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する
第五原則 探索事業と深化事業に関する議論や意志決定の実践に時間を割く
4 幹部チームの皮肉と自己刷新
結論
第10章 成功し続けるために
1 戦略的刷新が適切かどうかを理解する
①業績のほとんどは、成長機会が限られた成熟期の戦略によるものか
②自社戦略の移行につながる製品、サービス、プロセスの機会はあるか
③中核市場の外部に機会(または脅威)はあるか
④その機会は、自社の中核となる組織能力やアイデンティティの脅威となるか
2 IBMの戦略的刷新(1999~2008年)
受け継がれてきたアイデンティティを見直し、更新する
戦略計画をつくり替える
戦略リーダーシップ・フォーラム
3 ハイアールの戦略的刷新(2004~14年)
4 戦略的刷新をリードする
①成長に向けて、感情移入のできる抱負を定める
②儀礼的な文書化された計画プロセスではなく、対話として戦略を扱う
③今後起こることを教えてくれる実験を通じて成長する
④リーダーシップコミュニティを刷新活動に巻き込む。少なくともトップ層からの圧力と同程度の圧力がボトムアップで生まれるようにする
⑤実行のための規律を持たせる。刷新は残業でこなせるほど甘くない
5 最初の問いに戻ろう
Stanford Business Books「Lead and Disrupt: How to Solve the Innovator's Dilemma」 2021年9月
第1版解説 冨山和彦
イノベーションの時代の経営に関する卓越した指南書
経営的リアリズム イノベーションは迷惑千万!?
両利きの経営とハイブリッド型経営
両利きの経営をいかに実現するか
第四次産業革命の時代を生き抜く知恵がここにある
東洋経済新報社「両利きの経営」 2019年2月
増補改訂版解説 冨山和彦
DX・GX時代の「両利きの経営2.0」の登場
コロナ危機によるDX革命の拡大・加速にあなたの会社はついていけるか?
サステナビリティ革命、GX革命は私たちをさらに窮地に駆り立てる
破壊的イノベーションを競争力、成長力に転化する組織能力の変容とは
日本企業が直面する二つの罠
経路依存症を打破し、本書を手に「両利きの経営」ジャーニーへ!