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あいかわらず「ヘイ! ヘイ! ヘイ! ヘーイッ!!」って感じの内容と文体。舞城節は健在のようです。
私にとって舞城王太郎さんは、ブンブン振り回す打率の低いホームランバッター。
三振やボテボテのゴロも多いが当たるとでかい!
だいたいは頭に「?」を載せながら読むことになるんですが、いかんせんデビュー作の「煙か土か食い物」のホームラン感が忘れられず、ついつい手に取ってしまう。
「淵の王」も悪くなかったし。
でも今回はボテボテのピーゴロだったかなぁ。
7篇の短編集。
「春嵐」と「縁起」が好き。
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あいも変わらず不可思議な設定とカタルシス(ときおりセンチメンタル)で大好き。
当初は「ID:INVADED」のスピンオフでしたけど、関係なく読める作品。
もう、この作者の文体が好きなので、それって声が好きな歌手みたいなもので曲はある程度なんでも……みたいなところではあるんだけどね。
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雷撃
p108-109
田舎だから信仰深いのか、神様的な話が重いのだ。
個人的には雷撃以降の4話がお気に入り。代替の視点切り替えは著者のシグネイチャーとも言える。そこで言う「お前」という呼び方は何かを示唆しているのではないか、隠喩、メタファーのように思てならなくて、何重もの意味でゾクゾクします。
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snsで知ったから読みたいと思っていたけど、想像以上にぶっ飛んでで、最初は完全に理解できなかったけど、何回か読んでいくうちに自分の中で少しずつ理解?することができた。
何回読んでもわからないところもあるけど、他にはない表現の仕方が好き。
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観念的なものが現実とも繋がっていて、つまり目の前の現実は用意されたものではなく、自分の脳内が用意したもの、という様なお話が多かった気がします。
そこをそのまま描いた小説はあまり見かけない気がしますが本作で語られている事も腑に落ちるというか、「あるある」の様な気分で共感してしまいました。確かに在るけど誰も規定していない事柄を規定してみせてくれるというのは小説の醍醐味だと感じます。
そして文体が独特で読んでいて痛快です。
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イマジネーションに溢れてるなあ。日常と非日常が境目無くつながっている。
■奏雨:タイトルと足首でピンときた
■狙撃:狙撃主の消える弾丸
■落下:引越先での落下音の正体と頼れるパパ
■代替:赤子の泣き声
■雷撃:石はペットか兄弟か恋人か神様か
■春嵐:犬のストーム大活躍
■縁起:胎内記憶。アレを豚の神殿て呼ぶのウケる
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「ろくでもない人間がいる。お前である。
くだらないことに執着して他人に迷惑をかける人間がいる。これもお前である。
何を触っても誰と関わっても、腐敗と不幸をもたらす人間がいる。まさしくお前である。」
SNSでバズっていた印象に残る書き出しがキッカケで手に取った本。短編集なので非常に読みやすく、内容もどこか現実離れで面白い。
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「代替」は『淵の王』からの擬似二人称シリーズに見えて、途中から語り手が対象に代替してしまうという話。『好き好き大好き超愛してる。』などポジティブなエナジー=リビドーに対する底なしの受容の話が多かった舞城作品の中で、今回は死に向かうエナジー=タナトスの承認の話であり、おーすごいことやってるぞと驚かされたし感動した。ということは心に楔を打ち付けるのは愛の受容のうちの愛ではなく受容の方だったということなのかもしれない。
全体的にあっさりした読み味の短編が多い中で特にあっさりしていて、語り手自身にも大した課題もなさそうで、兄カノとゆったり散歩を満喫するだけで終わる「春嵐」も良かった。
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舞城王太郎って感じ。この人の真似は誰にも出来ないんじゃなかろうか。発想とか。感想を言葉にするのも難しい。魅力を伝えるのには話の筋とかではないから。
奏雨。足切りという殺人鬼、ソウとはSAWという映画。
狙撃。スナイパーの撃った弾が悪人の体内にワープする話。
落下。マンションで飛び降り自殺の落下音が毎晩する怖い話。でも黒い影は皆の恐怖心から生まれた幻影。
雷撃。主人公には気を遣ってくれない石に執着される話。
代替。とんでもないクズい男の精神が入れ替わる話。成り代わった意識【俺】がその身体を殺す。
春嵐。ストームという犬と兄と兄カノが拉致事件に巻き込まれる。そこにはただ意思がある。
縁起。豚の神様に感謝しつつ挑んで家族を守った父親の話。