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第1章はタイトルの通り、印象派の名画を所蔵している国内美術館が紹介されています。それはためになりますが、ぐんと面白かったのは第2章の「画家別 この印象派の名画に会いに行く」の方。
これまで、印象派として、一緒くたにしていた個々の画家たちの特徴について、専門家2名が語っています。
作家一人ひとりの特徴を「ここがすごい!」というコーナーにして、作品と共に伝えているため、理解しやすいです。
第2章以降の方がずっとページ率が高く、こちらの方がこの本のメインなのではないかと思うほど。「絵ピソード」コーナーに、個々の画家の作品の見方が紹介されています。
モネの「睡蓮」は日本に22点所蔵されていることや、ピエール・ボナールは30年間妻マルトの裸婦像を描き続けたが、いつの時代の作品も、妻の姿は若い頃のままであるという点など、気が付いていなかった点がいろいろ。
単なる名画と美術館の紹介だけでなく、蛾かと作品のうんちくが語られており、知識が深まります。タイトルだけで判断した人にとっては、お値打ち感タップリの内容です。