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髄芽腫を患った二歳の少女の治療費を集めるため、募金活動を始めたヘイワード一家。彼らが主宰する劇団の人たちや友人たちも大々的に協力し、順調にいくかに思えた募金活動だが、そこにつけこむ怪しい輩が現れたり、協力する人たちの中でも意見の食い違いが出たりして、不協和音が目立ち始める。そして、やがて起こる事件。その謎を膨大な量のメールやテキストから読み解くミステリです。
まず、すべてがメールやテキストといった情報の断片からできているところが大きな特徴。もちろんそこには各人の主観が大きく関わっているため、事態を正確に把握するのはなかなかに困難です。誰も彼も思わせぶりなことばかり匂わせてるし。嘘つきばっかりだし。表面上和気藹々としていそうなグループの影に渦巻くどろどろな部分もまざまざと見えたりして、一筋縄ではいかない物語でした。誰も彼も信用ならないのに、さらにそのうえ自分を偽っている人やそもそも存在しない人までがいるって……!
やがて殺人事件も起こりますが、しかしこの事件の発覚がようやく読者に知らされるのはなんと455ページ! そこまで延々、読者はどんな事件があったのかまったく知らされない状態で読み進まなければなりませんが。これがまったく飽きないのです。人間関係のごたごたや疑惑だけで充分面白く読み進めました。もちろん真相が明らかになる終盤もまた一気読みです。
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最後の最後、笑うわ〜
このラストめちゃ好きです。
数年前に読んだ、歌野晶午の『ずっとあなたが好きでした』のラスト以来の私的ツボな〆です。
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厚い、読み始めると進みは早い、でも厚い。
謎解き段階で、あのときこの人が…といっても、厚過ぎて遡ってのチェックができないので、意外性はない展開。
ラストの懲りないやつは何なんだか。
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前半は関係者のメールがひたすら続くので読むのしんどかった!
で、後半の謎解きパートでは登場人物多いしメールの内容いちいち覚えてないので遡って読み返して、を繰り返すという。
電子書籍で読んだのでめちゃくちゃ面倒でした。これから読む人には紙版をお勧めします。
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これは面白い。最後の最後まで、裏切られない面白さだった。予備知識無しに読むべき。
しかし…怖っ…ってゾクっとさせられたのは、久しぶり。自分にもメールが来そうな錯覚をしてしまうかも。
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久々にワクワクするけどミステリーを読んだ。
フェミとシャーロットと一緒に謎解きをしてる感じがとても楽しい。メールのやり取りで物語が進んでいく構成は最初戸惑ったけど、キャラクターを掴んで行ったらグイグイ読めるようになった。
結局アフリカでどんなことがあったんだ、という謎は少し残りつつも、読後感はスッキリ。
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メールやテキストといった事件の資料のみで構成されており、読み手である自分も一緒に事件を推理する感が新体験だった。
かなり分厚い本だが、苦にならず読むことができた。
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登場人物の1人がどうも読んでいてイライラするキャラクターで、読み進めるのに苦労した。多分それも作者の筆の上手さで、翻訳家の手腕なのかなと思う。
SNSを読み進めることで事件の流れを追っていくのだけど、どこかしら古典的なミステリの雰囲気を感じた。
終わり方がちょっと不穏でそれがまたなんとも言えない。
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長い、事件はなかなか起こらない。
メールを羅列していく最近流行りの?スタイル
人物の外見などへの客観的な描写が無いのですごく読みにくい
結末はなるほど、でも長い
金持ち一家主宰の素人劇団の話
1500円+税、図書館で借りた
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この本はなんの予備知識も無く読んでとのこと…
確かにそうしなくては、この本の面白さの醍醐味は伝わらないだろう。それにしても700頁は長い!
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前半部分はあまりにもたくさんの登場人物と何だかよくわからない断片的な資料の山がしんどく読み進めるのに時間がかかったが、後半に事が起こり推理パートに入るととても面白く、グイグイ引き込まれた。
推理パートは、優秀な弁護士見習いコンビが謎解き挑戦状の出し主である弁護士へ向けて、資料に基づいて導かれるいくつかの仮説とその論拠を提出するという形式で進んでいき、仮説に至るまでの途中式もわりかし丁寧に書いてくれるので、謎解き音痴の自分にとっても分かりやすく親切で良かった。これがあるので、前半部もあまり肩肘張らずスルスル読んでしまっていいかも。
ラストがヤバすぎて笑ってしまった。最高。
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殺人が起こることは分かっている上で、えんえんとメールのやり取りが続いていく。
ポピーの病気のための募金が詐欺紛いの資金集めらしいことはすぐにわかるが、疑わしい状況が何ら変わらないのでいささか飽き始め、誰がなりすましだ存在しない人物だと考えながら読み進み、あっと驚く最後のイッシーベックの自白。
最後の新聞記事で少しホッとし、イッシーのメールでぞっとした。
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難病になったポピーのために劇団を立ち上げる話かと勘違いしていた。
地の文ではなくメールやチャットで進行していくから、人の使い分けてる仮面をまざまざと見せつけられる。肝心の事件もあっさりしていて、ミステリーというよりは人の善性ってなんなんだろうな……と思う。最後は本当にぞっとしたんだけど、こういう描き方は脚本とかやっていた人だからなのかな。
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本書は、オビによると各種ベストテンランキングで上位を取っており、また本年の集英社文庫ナツイチにも選ばれるなど、世評が非常に高い。
冒頭、法律事務所経営者の弁護士から部下に宛てて「何の予備知識もない状態で同封の書類を読んでもらうのが最善」とあるとおり、本書は一種の”読者への挑戦”ものである。書類を読み進めていく部下弁護士と同じように、読者も本書を読み進め推理をしていけば、真相に辿り着くことができるということ。
登場人物のやり取りはほとんどメールやテキストメッセージで示される。そういう時代と言えばそうだが、登場人物が多数いるし、送信者、受信者の関係も分かりづらく、最初のうちは正直読みづらかった。
それはともかく、通読しての感想としては、700頁近い分量のミステリーとしては、謎の魅力としてやや弱いのではないかという思い。登場人物のキャラクターの謎を面白く思うという楽しみ方もあるとは思うが、その点不満が残った。
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なんとなく読み始めたら止まらなくなった
5時間で読み終わった。
アガサクリスティーの作品や、宮部みゆきの『理由』を読んだ時と同じ感覚で読み進めてとても面白かった。
舞台はイギリスの街でアマチュア劇団を主催する一家の孫娘ポピーが難病にかかったことから始まる。ポピーの病を治すために、一家が大規模な募金活動を始めることで、物語が動き出す。
メールや手紙の形をとってたくさんの登場人物の心理描写や状況が描かれていくのが面白い。誰が死ぬのか?中心人物は誰なのか?明かされないままどんどん話が進んでいく。
人が死ぬのがかなり後半になってからなのに、中弛みを感じる部分は少なかったのは途中に散りばめられた謎の人物からのイタズラメールや登場人物の裏の顔を知る第三者からの電話などが挟み込まれていたからかもしれない!
最後には、ネットを全く使わずこれまで他人のメールの中にしか出てこなかった劇団の看板女優ヘレンが代理ミュンヒハウゼン症候群であることが明かされた。話の流れとして納得はできるが、最後は急足で物語をたたんでいるようだった。ヘレンの過去やポピー自身の話をもっと読みたかった。
また、途中差し込まれていたティッシュ医師の弟の件は結局有罪で活動家と言いながら現地の助けを求めてきた女性や子どもを傷つけていたことが後半になってわかる。話のメインではないし、"人は言葉の裏に別の世界をもてる"ということを伝えるためのストーリーだったんだろう。個人的に、弟のダンがどうして酷いことに手を染めたのか?家族にはどう誤魔化していたのか?裁判はどのように行われたのか?をもっと読みたかった。
特に感情移入したのが劇団にも職場にも馴染めないイザベラ(イッシー)だった。彼女の秘密としてローレンという架空の友達に罪をなすりつけたり、話し相手としてメールを送っていたことが明らかになる。それはとても孤独なことで、彼女は被害者なばかりではなく相手にストーキングまがいのことをしたり嘘をつく面もある。弁護士がイッシーのことをサバイバーと言ったことが忘れられない。壁を乗り越える力をつけてきたサバイバーと、全てから逃げることで自分を改善せずに壁の抜け道を探して生きてきたサバイバーの違いは大きい。
集団に馴染めないことを解決するために話を聞いてくれる人に執着したり、頼まれてもいないことを周りに確認せずどんどん進めてさらに人が離れていく様子は見ていて辛い。最終的に彼女がスポットライトを浴びるために、また、その地域で権力をもつ一家に貸しをつくるために自白までするほど彼女は何者かになりたかったんだろうと思う。
保釈後のメールでは、次は自分を助けてくれた司法修習生に執着し始めている。
これは自分にも言えることだが、何においても不器用でやることなすこと批判されると、人が気まぐれに褒めてくれたことや優しくしてくれたことを自分の気持ちと関係なく人生の指針にしてしまう。それは自分が無いことでもある。イッシーはかつてどんな子供時代を送ったんだろう。彼女には他人に執着しない人生を送って欲しい。