投稿元:
レビューを見る
楽しめた。700ページ近い分厚さでも、だれずに読めた。リアルな動きではなく、メールやメッセージという現代的アイテムや供述書から読み解いていくというのが、目新しいかな。これらはすべて、自称であり本人の目線だけなわけで、ある意味では叙述物、かな。
ナンプレのような、パズルをはめ込んでいくような。
人物が多いので、何度も人物表を見て確認しないと(しても)混乱する。
よくこれを捌いて書いたな。
投稿元:
レビューを見る
疲れた、が最初の感想。登場人物のページにも栞を入れて、本文に出る度にめくってた。時々現実の感想。稀に現場の調書。メールのやり取りで構成される作品も時々見かけるが、挑戦的な作風も丁寧に人物を描き分ける事で成功してると思う。直後より1日後が作品の味わいがわかった(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
★5 全編メールやチャットのみで物語が進行する、鬼難パズル本格ミステリー #ポピーのためにできること
送信者:秋 件名:やっほー!
日時:2022年6月22日 23:58 宛先:全ブクログ会員
----------------------------------------------
ジャニス・ハレットのポピーのためにできることのレビューを書くわね。
最初はあらすじから、その後はレビューよ。
■あらすじ
街の名士であるヘイワード一家はアマチュア劇団を主宰していた。
次回公演のために芝居の準備を進めていたある日、主催者は孫娘のポピーが重病にかかっていると告白する。治療には高額の費用がかかるため、劇団員は一致団結して募金活動を始めるが、この活動を発端に不穏な空気が流れ始め…
■レビュー
面白いっ
お話の体裁としては、弁護士先生から若い2名の司法修習生に対して、課題が与えられるところから始まります。膨大なメール、文書といった証拠書類から、この劇団に何があったかを解き明かしていくスタイル。これはワクワクが止まらないですよっ
なので本書の文章ほとんどは、登場人物たちのメールやメッセンジャーのやり取りだけ進行していきます。大量の登場人物のメールを読み進めると、少しずつ関係性が見えてきます。
さらに中盤からは、何やら重要なことを隠しているような怪しい雰囲気が漂ってきます。メールだけではわからないリアルな裏の顔や行動をいろいろと妄想しちゃいます。
登場人物たちもめっちゃ魅力的な人ばっかり。
主従関係、性格の不一致、個性と個性がメール文の中で衝突しあっているさまは、端から見てると面白いというか、興味深いというか… なかなかえげつなかったです。
しかし正直このミステリーは難しい! ちゃんとロジカルに解けた人いるのかしら。
メールの行間を読み取って、リアルの行動を想像しながらロジカルに組み立てなければなりません。後半、課題を出した弁護士先生から数々のヒントが出されますが、それでも難しかったです。真相はかなり強烈でした。
なお物語の内容については、これから読む人の楽しみを奪ったしまうので、正直あまり語れないですが、1つだけ。
読み終わってから邦題タイトルをあらためて見たときの焦燥感。なんなのよ。
残念な点としては、はやり冗長なところ。延々とメールのやり取りを読むことになるので、途中派手な展開が少なく、どうしても長く感じてしまうんですよね。後半の回答編からは一気読みですが、実際700ページもあり、完読するのに4日もかかりました。
しかしながらミステリーとしての重厚感、こんな作品を世の中に出してやった感がスゴイ! これは今年の海外ミステリーランクの上位に入りそう。是非ミステリーマニアはチャレンジをしてほしい作品でした。
さてこんな長いレビューを最後まで読んでくれてありがとう! キスを送るね 秋 xxxx
投稿元:
レビューを見る
なんだかなあ。評価は分かれているようだが、私はこんな感じ。こんなチンケな話を700ページ近く読まされるとは。
投稿元:
レビューを見る
まさに21世紀のアガサ・クリスティー感!
ん?てなる箇所の仕込み方がかなり絶妙で素晴らしかった!
まるでポアロ気分を味わえるところも個人的に高評価。
ヘイスティングズやジャップと話してる時のポアロってこんな気分なんじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
“〈21世紀のアガサ・クリスティー〉・・だと・・?”
てな感じで、触れ込みに惹かれて手を出した本書。
イギリスのとある田舎町。地元の目有力者でアマチュア劇団も主宰するマーティン・ヘイワードから、彼の孫娘・ポピーが難病に罹ったことが告げられます。
高額な治療費を工面するために、劇団員たちが中心となって募金活動を開始しますが・・・。
いわゆる“地の文”がなく、関係者達がやりとりする、メールやメッセージ、チャットなどの“テキスト資料”のみで構成されています。
最初のうちは、多すぎる登場人物紹介のページを何度も見返しながら、“何を読まされているんだろう・・”と思っていましたが、ある程度関係性がつかめてくると、いつの間にか、やめられないとまらない“かっぱえびせんモード”でのめり込んでいました。
閉鎖的な町特有のヒエラルキーだったり、人によって言う事や態度が違うなど、メール等を読み込んでいくうちに、人間性や錯綜した利害関係が浮かび上がってくる様が見事で、こういうところが確かにクリスティー感あるかも、と思いました。
そうしてじわじわ不穏な雰囲気が続き、中盤を過ぎてからやっと(?)決定的な事件が起こるという展開です。
司法修習生による真相解明部分では、伏線確認の為に過去のメールを読み返しながら、一緒に謎解きをしている感覚も楽しかったです。
ただ犯人の意外性はそんなになかったかな。という印象です。
因みに、キャラではもうイッシーにつきる感じで、イッシーがイタい、ツラい・・そして、コワい!
ラストのメールには思わず戦慄しましたね・・・フェミ!逃げて!!
投稿元:
レビューを見る
全編通してメールやSNSなどの資料なのにクリスティってどういうことだろう?と思いながら読み進めていくと、なるほど…確かにクリスティ。
メールから浮かび上がる関係性や人間心理の描き方…というか捉え方?が見事で面白かった。
ただ、殺人事件が起こるまでが長い…まぁ構成的にそりゃそうなるよなとも思うけれども。あと登場人物が多い。数々のメールの裏の実際の出来事を推測しながら読むので結構疲れた。疲れるけど面白い。
色んな隠れた事情が垣間見えてくるんだけど…結局絡まりあって、もつれて…結果、人が死ぬっていうそれ自体がすごく…なんて言うか因果なもんだよなと。どれか一つでもピースが違ったら事件は起こらなかったのか?否か?
そういうことを考えてしまう構成だったな。
投稿元:
レビューを見る
[きみたちにはなんの予備知識もない状態で同封の書類を読んでもらうのが最善と考えている。さて、これを読んできみたちはどう考えるかな?]
冒頭、弁護士のタナーが実務修習生の2人に送ったこのメッセージから始まるこの物語。犯人探しミステリーであり読者への挑戦状でもある。書かれている大半が事件をめぐる関係者たちのメールやメモ、新聞記事やSNS投稿などで構成されていて、修習生2人と一緒になって事件を追っていく体験ができて本当に面白かったです。
ミステリー好きな方にはすごくオススメだと思いますd('∀'*)
投稿元:
レビューを見る
700ページ近い長編だけど、ストーンサークルに続きこれも一気読み。
ほとんどがメールやテキストメッセージで構成されているという珍しい一冊。最初は読みにくそうと思ったけど、いざ読み始めてみると全く苦にならなかった。
そしてなんと言っても最後の最後…!
そう来たか!という衝撃と怖さで震えました。
投稿元:
レビューを見る
少し間を開けて読んでいたのでところどころ誰が誰かとか、流れとかわからなくなってしまった。
メールやメッセージがだいたい時系列に並べられていたのはわかりやすかった。
それを読むのは何となく背徳的だが、これも仕事で、謎を解くためならば仕方ない。
投稿元:
レビューを見る
長いのは承知の上だったが、とにかく登場人物が多くて頭に入らない。おまけにテキストメールのやり取りだけからその人物像が決まらず、更に嘘と恣意的な隠しがある。じっくり時間かけて考えながら読む人にとっては楽しいのかも知らないが。昨年このミスの2位だったので手にとってみたが、自分にとってはウマが合わず。
投稿元:
レビューを見る
今年の読了一冊目
この本面白かった!
タナー弁護士から2人の法律関係者に事件の資料を渡すことから話ははじまります。
本書は資料のメールやメッセンジャーなどのやりとりで構成されていました。かなり凝っていました。
メールなどのやり取りだけでそれぞれの人物像や人間関係が浮き上がっていきます。
メールなどでここまで人は描けるんですね。
やりとりから何か不穏なことが起こっていそうなことはわかりますが、なかなか事件は起こらずいったい何が起こるのかが気になり読むのをやめられませんでした。
また、資料を読むことで読者も一緒に謎を解いていくことができますが、登場人物が多いので、特に謎解きをしたい場合はメモ必須です。
本書がデビュー作の作者ですが、第二作はすでに本国で刊行されているとのこと。こんごが楽しみな作家さんと出会えました。
一つ残念だったのはメールなどが縦書きだったこと。
やはりメールなどは横書きの方がリアリティはあったと思います。
投稿元:
レビューを見る
現代版クリスティーとの触れ込み。
解説は攻略本の霜月さん、訳者はホロヴィッツ担当の山田蘭さんなので、出版社としてそれなりの気合いの入れよう。
そして「このミス2023」では3位、「本格ミステリベスト10」では1位を獲得。
とある町の市井を実質的に牛耳り、アマチュア劇団を主宰する一族の長マーチン。
孫娘のポピーが難病と診断されたことにより未認可薬品を投与するための義援金プロジェクトが始まる。
アフリカ帰りのサムはきな臭さをかぎとり、個人的な忠告や調査をするのだが、どうにも探られて欲しくない事情がありそうな。。。
いや、確かにすごい一冊。
一部SNSでの相互やり取りがあるが、ほとんどがメールや書簡でのぶつ切りなやり取り、ものによっては相手からの返信すら記されていない一方向的な情報発信で書かれた前衛的試み。
そんなこんななので200ページくらいまで誰が誰だか、どんな立場の人物なのか全然頭に入ってこず、辛かった。
慣れてくるとメールという形式がもたらす行間への想像を掻き立てられる感じや、各登場人物達のあっちにはこういうけどこっちには別のことを言うという二枚舌ぶりのあからさまさが癖になり読む手が止まらなくなる。
が、とにかく長い。
全約700ページ。
不穏な出来事は進行している様子は感じ取れるが、進めど進めど事件らしい事件は起きない。
なので焦れて途中であきらめてしまう人もいるんじゃないかなぁと思うのだが、待ってましたとばかりに終盤発生する事件と読者への挑戦状的様相。
一気に解決編(ネタばらし)に持っていくのではなく、弁護士とその実習生(!?)達との演習的なやり取りの中でヒントを少しづつ与えながら解きほぐしていく感じもありそうでない感じで、犯人当てが好きな人はたまらないんじゃないだろうか(自分は例によって立ち止まって考えることなしにどんどん解答を貪りにいきましたw)。
いろんな人がいろんな思惑を持っていて、実は過去にあんなことがあって人生が交錯していてっていうのは確かにクリスティー的。
それをこの形式で表現したところが新しい。
投稿元:
レビューを見る
予想外の展開でとても面白い! ひたすらメールを読んでいる時にはどんな事件がここから起こるんだろう、事件はまだか事件はまだかとワクワクしながら読み進めることができる。 ただ登場人物が多くて最初大変。
投稿元:
レビューを見る
髄芽腫を患った二歳の少女の治療費を集めるため、募金活動を始めたヘイワード一家。彼らが主宰する劇団の人たちや友人たちも大々的に協力し、順調にいくかに思えた募金活動だが、そこにつけこむ怪しい輩が現れたり、協力する人たちの中でも意見の食い違いが出たりして、不協和音が目立ち始める。そして、やがて起こる事件。その謎を膨大な量のメールやテキストから読み解くミステリです。
まず、すべてがメールやテキストといった情報の断片からできているところが大きな特徴。もちろんそこには各人の主観が大きく関わっているため、事態を正確に把握するのはなかなかに困難です。誰も彼も思わせぶりなことばかり匂わせてるし。嘘つきばっかりだし。表面上和気藹々としていそうなグループの影に渦巻くどろどろな部分もまざまざと見えたりして、一筋縄ではいかない物語でした。誰も彼も信用ならないのに、さらにそのうえ自分を偽っている人やそもそも存在しない人までがいるって……!
やがて殺人事件も起こりますが、しかしこの事件の発覚がようやく読者に知らされるのはなんと455ページ! そこまで延々、読者はどんな事件があったのかまったく知らされない状態で読み進まなければなりませんが。これがまったく飽きないのです。人間関係のごたごたや疑惑だけで充分面白く読み進めました。もちろん真相が明らかになる終盤もまた一気読みです。