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大林業家の孫に生まれ、愛情深いが専制的な祖父に振り回される少年・立海と、育児放棄にあった少女・耀子。二人は山深い屋敷で出会い。。。
少年少女の成長の物語です。
でも、これまで読んできた伊吹さんと少しイメージの違います。どこか重苦しく宿命という言葉が思い浮かびます。
しかしそんな中でも幼い二人が育てる友情は清々しく、登場時はお高く留まった感じの家庭教師の青井先生やおあんさん(照子)の二人を見る目の温かさも心地良く。
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ジュニア小説だというが、大人でも十分楽しめる。
大人の事情に左右される子供の不条理という普遍的なテーマだが、没落する地方の名家に集う人たちの情景も含めて、しっとりとした情緒が味わえる。
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先に返却期限の迫った「地の星」を読み始めて、
20ページほどで、
これは順番に読まないと!と思って大急ぎで購入。
アマゾンありがとう。
凄い良かった。すんばらしくよかった。
たった数ヶ月の出来事なのに、
かの地で過ごす子ども達にとっても、
周りの大人にとっても忘れられない日々であった
ということがよく伝わっってきた。
いろんな言葉に励まされ、
勇気づけられた。「
「自立(自分で立つこと)と自律(美しく生きること)」
「どうしてをどうしたら」
そして「やらまいか」
いい言葉。
大人の都合で子ども達が翻弄されるけれど、
きちんと見てくれている大人もいる。
大丈夫、リュウカイもヨウヨも
青井先生も。きっと大丈夫。
話の中に、時代のわかるテレビ番組(ドリフ)や音楽(オリビア)がでてきて、
するりとその時代にいけた。
男の子なのに女の子の格好をさせられている
リュウカイの話し方が可愛かった。
「俺」というのに「そうなのよ」なんて、時々出てしまうのが超可愛い。
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日本版「秘密の花園」か、「風待ちのひと」の小学生版か。
愛情に恵まれなかった小さな2人が、豊かな自然の中で出会い、よりそい、周りの大人たちをも変えていく。
舞台は広大なお屋敷だけど、凋落の兆しが見え隠れして、これから大人になっていく御曹司の彼は、疾風怒濤に巻き込まれていくのだろう。老耄な印象もある専制君主の父親からも、どうか、周りの大人たちがうまく守ってあげてほしい、そして、どうか、健やかに育っていってほしい、と願いながら終盤を読んでいたら・・・続編があるのですね。
日系人の乳母に育てられ、ちょっぴり不思議なかわいい言葉を話す彼が、どんなふうに育っていったのか、読みたいような読みたくないような。いい音をさせてソーセージを食べたとたん、戦闘モードに入り、全力で戦うところなど、思わずにんまりしてしまっただけに。
ところどころに、ドリフのひげダンスやら、おしゃれなテレコやら、およげたいやきくんやら、時代背景が読み込まれていたのは、楽しかった。
それから、素敵な服を着て、大好きな人と過ごした一瞬は、女性にとって一生の宝物ですよね。
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一時帰国の際、大阪で買ってきた本は8冊。
これが最後の1冊(涙)
伊吹有喜さんは大好きな作家さんの一人。
この『なでし子物語』は読みたいと思っていた一冊。
書店で「ポプラ文庫」の棚を探したけれど、見つからず。
店内のパソコンで検索すると在庫は3冊ある。
場所を確認すると、先ほど私が探した棚。
カウンターで尋ねてみると、文庫担当の人に電話連絡してくれた。
カウンター横で待つことに。
が…
かなり待っても書店員さんがやって来ない。
その後、友人と待ち合わせだったので、カウンターの方に「また来ます」と伝え、売り場を離れた。
ちょっと歩いたところで、「お客様~!」と後ろから大きな声が。
私のこと?と思って振り返ると、女性の書店員さんが走って追いかけてきた。
「お探しの本がありました!」
書店員さんの手には一冊の文庫本。
「フェアの最中で、違う場所に陳列していました」と。
手渡された本を見ると…、フェア用のカバーがかけられていた。
これは、わからないわ!
書店員さんが追いかけてきてくれたおかげで、手に入れることができた『なでし子物語』
書店では書店員さんたちは、本の陳列方法、フェア等々、様々な努力をされている。
今回は、出版社主導のフェア。
このカバーがかけられていたら、見逃してしまう。
書店員さんも探すのに時間がかかったわけだ。
それでも、私一人のために、探し回ってくれ、書店の外まで追いかけて来てくれた。
感謝、感謝だ!
父を亡くし、母の愛情を受けずに育った燿子を引き取ってくれたのは祖父だった。
祖父と暮らし始めた燿子は、裕福な家庭に生まれながらも自分の居場所がみつけられない立海と出会う。
幼い日、二人はお互いを思いやり、お互いを支えに生きていくのだが…
伊吹さんの本と出合ったのは【風待ちのひと】だった。
2011年、タイの洪水でバンコクに居ることができず、チョンブリのホテルに避難中に読んだだっけ…
自然の前では無力で、自分では何もできない焦りの気持ちがあった頃。
ただひたすら”風を待つ”
そんな時があってもいいよね…
そんなふうに勇気づけられた本だった。
やっぱり伊吹さんの本は良い。
『なでし子物語』の続編も読んでみよう。
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味わい深かった。結構ページ数はあるけれど、一気に読んだ。
主人公の一人である耀子は、私と同じ時代を生きている。だから余計に引き込まれるのかもしれない。ままならぬ時代と運命を懸命に生きる女性たちの姿が清々しい。
青井先生が特に好き。2018.8.12
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キラキラと優しく切なくとても素敵な本です。けっぱれ、がまだせ、やらまいか。自立と自律。心に残るキーワード。どんな小さな子でもみんな悩んで考えて。でもどんなに考えても誰からも何も応えてもらえなかったときは心を凍らすしかないと一人で抱えて。泣けてきました。
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将来子どもが出来たらもう一度読み返したい。そして、子どもにも読んでほしい。
親の愛情を受けられず、学校ではいじめられ、どこにも居場所が無かった子ども達の物語。
これ、続編もあるんだね。読みたい。
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自立と自律。もっと子供向けのお話かと思ったけど、大人が読んでも十分満足できる、読み応えのある本でした。
個人的には家庭教師の青井さんがすごく好きだったなー。
粘り強く教育していく姿に、震えました。
主人公の曜子、おあいさんと呼ばれている照子さん、千恵さん、そして立海のお母さん小夜。いろんな背景を抱えた女性たちが出てくるけど、やっぱり女は強い。
青井さんも、もちろん女性。
みんな、最初から強かったわけではなく、壁を乗り越えてきた感がかっこよかった。
親が近くにいなくても、その自身の身体が親からのプレゼントであり、繋がれてきたものなんだよ、という祖父からの言葉。あったかくて素敵でした。
曜子と立海が、これからどうなっていくのか。続編があるみたいなので、必ず読みたい❤︎
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普段読んでいるジャンルと違うが、読み進めるうちに、この世界に引き込まれた。
秘伝の書『リウのひみつ』、青井先生の教え『自立と自律』。小さな美しい石が散りばめられた物語だと思う。
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一歩足を踏み出す勇気をもらいました。
社会人1年目で、本当ならば研修とかがある中コロナの影響で全て中止。焦ってた自分を、おあんさんや青井先生、おじいちゃん、峰生の人たちが優しく包み込んでくれました。
さあさあみんな、やらまいか。
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父を亡くし、母に置き去りにされた少女。 耀子が祖父のもとに引き取られた。
そこの女主人、照子も夫に先立たれ一人息子とは疎遠になっている。
そして舅が他の女性との間にもうけた息子、立海。3人が同じ屋敷内に暮らすことで生まれる救い。
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大人の事情に翻弄されるふたりの子供たち。
ふたりのささやかな幸せがかなったと思うと、その矢先にくしゅっと大人の手でそれを潰されるようなシーンが何度もあり、その度に、切なく苦しい気持ちにされられます。
適度な距離感でふたりを見守るおあんさんこと照子と立海の教育係青井の存在が救い。
でもそのふたりの力も、さらに大きな力には及ばない。
可愛らしく微笑ましい子供たちの姿が愛おしく、だからこそ切ない。
自立と自律、前を向いて歩き始めた耀子の成長とその後を知るために、今回はこのままシリーズを続けて読む予定です。
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「良かったなぁ」しみじみとそう思える作品。
登場人物3人がそれぞれ自分だけの重荷を抱え周囲の人と関わりながら、少しずつ、静かに前に進んでいく。
読み進める程にどんどん物語に引きこまれていきました。
自分のことをグズでバカで何も出来ないと思い込んでいた不登校の耀子。でも決してグズじゃない。丁寧で言葉にするのに時間がかかるだけ。
青井先生の言葉が優しく心に沁みる。
そんなふうに受けとめて、言葉にするまで待ってあげられる大人が、今いったいどれだけいるだろう。
耀子が青井先生と出会えて本当に良かった。立海と耀子も出会えて良かった。
とても温かい物語。また読み返したい一冊です♪
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8月-20。4.0点。
田舎の名家、使用人の孫娘(母親が逃げ、学校でもいじめられていた)、跡取り(身体弱い)、跡取りの兄嫁(兄は死亡、屋敷の管理)の三人の物語。出会い、別れ、成長が詰まった、やさしい物語。
心に残る、いいお話。跡取り専属の家庭教師がとてもいい味を出していた。