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『言い寄る』の続編であり、乃里子三部作の中編である本作は、恋人から夫婦となった男女の微妙な変化を細やかに描いている。
仕事や自由な時間といった、独身時代に持っていたものを徐々に手放していく中で、乃里子はある決心をする。
作者曰く、苦瓜のようなあと味がのこる小説とのことだが、私はむしろラブロマンスよりも好ましく思ったし共感できた。
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乃里子3部作。第2冊目。
乃里子さん33歳。
読後感、ぜんぜん良くない。
乃里子さんと剛との幸せな結婚生活が、だんだん暗雲立ちこめ、終焉を迎える様子を描いているのだが、
気持ちががさがさして、落ち着かない。
だーけーど、それでいて妙に心にひっかかるのは何!?
田辺聖子、なんなんだこの人は!
愛がだんだん冷めていく、寒々しい感じを、こんなに絶妙に書くなんて!
彼女の手腕が遺憾なく発揮された1冊だと思います!
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「男と女」を描いた作品だけに、
男と女では読後感は全然違うと思う。
自分は男だから、
やっぱり男のほうに感情移入して、
「女ってなんて勝手なんだ!」
と思ってしまう。
でも、女性心理ってそういう
「こっちがこれだけしてあげたから」
とかそういうことじゃないんだなってことを
勉強させられた。
文章の滑らかさや表現力は
さすが田辺聖子!
本の装丁もいい趣味してる!
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「言い寄る」の続編。
年下で明るく男前、大金持ちの御曹司、剛と結婚した乃里子。
でもシンデレラストーリーじゃないとこが、お聖さんらしいなぁ。
結婚はだましだまし…とか悲しいけど、なんとなく分かるような…。したことないけど。
剛と乃里子の新婚三年間の様子が面白くて、それだけにラスト泣きそうになりました。
山田詠美さんが『エイミーショウズ』の中で「お聖さんの作品の中でも特別好き」って言ってたのに同感。
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「言い寄る」の続き。
大好きな吾郎ちゃんに失恋、そしてまさかの親友・美々と吾郎ちゃんの結婚!目の前が真っ暗になって、涙が出てくる…そんな辛さを忘れさせるかのような結婚生活。
「私的生活」の乃里子は、なんとなくお人形さんな感じ。剛に可愛がられて、豪奢な暮らしをして、申し分ない生活、だけど苦しそうな乃里子。
ずーっと葛藤してたのかな、乃里子は。剛と楽しく「せっせっせ」をしながらも、ほんとは毎日ちょっとずつ苦しかったのかもしれない。
お人形みたいな乃里子を見てるのは途中、苦しかったわ。
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自由な女性が、自分の生き方を貫いたらこうなる、ってことでしょうか。。。
今ならありがちなのかもしれないけど、刊行当時はセンセーショナルだったんかな?と思う1冊。
結婚について考えさせられました。
やっぱ結婚って好きだけじゃできないのかな。。。
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「言い寄る」続編
乃里子と剛ちゃんの結婚生活
前作同様きれいな文章ですらすら読めます
次回作への余韻を感じさせる
苦瓜のようなちょっと切ないストーリー
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面白くて楽しくて切なくてすてきな小説だった。
もう30年前の小説なんだけど、古さを感じさせない恋愛小説。
さすが。
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「言い寄る」を読まず乃里子シリーズはこれから入りました。前作を知らずとも自然に作品世界に入れました。
甘甘が最後で激辛!
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『言い寄る』のときとは違った感じの切なさが残りました。
内容についてあれこれ考えたあとにあとがきを読んで、そこに『苦瓜のような後味』と書かれていたのには納得。
このまま終わるのか!?と思うと『苺をつぶしながら』を早く読みたくなりました。
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冷たい声。。
過去の経験を想い、身につまされます。
男女間の関係の盛り上がりから冷え込みまで、よく描かれていると思います。
夫婦間でも、演技は必要なんやなあ。
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「前とおんなじみたいになれない」
とてもよかった。
「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」と三部作のようですが、
本作から読んでしまった。
他のも是非よみたい。
別れ、というのは恋愛の大きなテーマですね。
何かが知らないうちに少しずつ広がって、何かを少しずつ忘れていって、
ある時、だめになってしまう。
すきだったのに、たのしかったのに、なぜだかわからないけれどもう前にはもどれない。
その流れが自然すぎてとても切ない。
乃里子と剛の日常のくだらない戯れの描写がとてもよかっただけに、せつないせつない。
せつない。
「お芝居と知らんかった人は、かなわんやろうなあ」
中杉氏、とてもよかった。
キャラクタもポジションも。
なかなかこんな、言ってしまえば「オトナ」なキャラクタ描けないと思う。
乃里子になびくでもなし、突き放すでもなし。
爽やかな人物像なのに、どこかつかめない。
絶妙な立ち位置。敢えてこの中杉氏を書いた田辺聖子すげえとしか言いようがない。
女性が安らぎを感じる男性、というのはどういう人でしょう。ね
中杉氏が乃里子に対してこれだけオトナでいられるのは、
そこに男女の関係がないから、生まれる余地がないから、だろう。
だけどラストの中杉氏は、どうだかわかりませんね。
行き詰まってしまったお芝居を終わらせた時、
それでもやっぱり哀しいわよ、とひとりで泣きながら、この本を読んでみたいなあと思った。
良い、と思う。
だましだまし。
ほんとうにいろんなことを、だましだましやってきているよ。
それがきっと当たり前に楽だから。
結局自分らしく、自由に生きることを乃里子は選んだのね。
自分らしさって何やねんなんて議論は置いておいてね。
こういうのをよむとつくづく自分の弱さを思い知らされて変なところでヘビーになってしまうま。
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ありありとわかる、乃里子と剛の夫婦描写にどきり。
嫌みのない乃里子の私生活、第二弾といったところ。
乃里子が情緒不安定だと、読んでる私も情緒不安定になっちゃう程度には、影響されちゃいました。
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『言い寄る』の続編。
主人公 万里子が結婚して3年経つ設定で、結婚相手が剛であることに冒頭、驚きました。
贅沢イコール幸福ではないこと、を問いているようですが、独身の時は結婚を、結婚したら自由を、と、ないモノねだり を求めている要素のほうが色濃く感じました。
ただ、主人公は奔放に生きていくほうが魅力的にうつるので、離婚した後の続編が楽しみです。
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これは何かの続編だったのですね。
読んでいる最中、もう剛の俗物さ加減や、自分勝手なところがたまらなく嫌で、なんという気持ち悪い男だ、としか思えませんでした。
マンション見せられて結婚すると言った乃里子もダメだけど、自分は好き勝手するくせに、妻が昔の友達と会うことにいい顔しなかったり、浮気してるの棚に上げてヤキモチ妬いたり。
ましてや暴力ふるった過去がある!?
あり得ない。
あまり楽しい気分で読める話ではありませんでした。
でも、その後の乃里子の続編があるのかな?
そっちは読んでみたいかも。
田辺さんのお話しなので、やっぱり文章はステキ。
時々こっちへ語りかけているような、乃里子のひとり言のような。だけどどうしても剛がダメ…。