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2023年2月20日時点で、GEの株価は83ドル。
すでにGEヘルスケアは分社化され、
2024年にエネルギー事業はGEベルノバに、
航空機事業はGEエアロスペースに分社化される。
コロナ禍では34ドルまで下落していたわけだから、
株価だけ見れば、いまのところスピン・オフ戦略は
うまくいっている。
経済再開で、ボーイングからのジェットエンジンの受注も
増えているようだ。
しかし今後は果たしてどうなるだろう。
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アメリカ人ジャーナリストにより、GEの歴代CEOを中心に経営幹部に取材した結果をまとめたもの。GEの盛衰を概略理解できた。ただし、GEの時々の経営実態がデータとしてわからないので、事業の成功・失敗の評価が人の意見の積み重ねでは説得力がない。どの会社のCEOもそうだが、人の評価には賛否両論があり、何らかの定量的なデータが示されないと個人的意見と判断せざるを得ない。残念な書籍。
「(GE誕生の聖地:ニューヨーク州スケネクタディ)この巨大な古い工業の本拠地は空洞化しはじめていた。GEの最盛期には4万人以上の男女が働いていたが、2017年にはその数は1/10になっていた」p6
「GEの生みの親は、トーマス・エジソンではなく、JPモルガンである。モルガンは資金力にものを言わせて、競合する複数の会社を合併させた。エジソンは、会社の財務状況が悪化していたため、買収に応じざるを得なかった。偉大な発明家は、GEの名前だけの初代取締役となり、宣伝のためのお飾りになった。しかも、エジソンが取締役の座にあった期間はほんのわずかだった。失敗に終わる鉱山開発に必要な資金を得るために、GE設立後数年で株を売却してしまい、その後急成長がもたらす利益をつかみそこねている」p20
「(ジャック・ウェルチ)意思決定は各事業に委ねたが、各事業のオペレーションには細かく目を光らせた。中間管理職には、長いメモを書くのをやめさせ、分厚い計画書を捨てさせた。「プラニングはいらないからプランを出せ」と繰り返した。ウェルチの支持者たちによれば、ウェルチはアウトソーシング、国の貿易政策、日本企業の台頭といった、グローバル企業の相貌を変えかねない大問題から目を離さない一方で、会社の隅々から細かい情報を引っ張ってきて系統立てる不思議な能力があったという」p27
「最盛期には、GEキャピタルはGEの総利益の半分以上を生み出していた。米国で最も有名な製造企業は、実質的には、米国で最も大きく、最も謎めいた銀行の一つになっていたのである」p29
「テレビに出るたびに株価のことを質問されて、イメルトは株価が経営者の成功を測る容赦のない基準であることを痛感した」p99
「政治でもビジネスでも「最高のキャラクターの候補者が勝つのではなく、最高の製品を持つ企業が勝つわけでもない。最もシンプルなストーリーを、わかりやすく語った者が勝つのだ」と(大統領選マケイン陣営の)シュミットは言った」p194
「(買収時の評価額)ディールを成立させるためにはブイグを納得させなければならないとイメルトやボルツが決めた後は、バンカーや法務担当の仕事は、妥当な額の計算ではなく、決められた額の正当化に変わった」p288
「ヨーロッパでは、タービン開発プログラムをヨーロッパに残せというベスタガーの要求に屈するかたちで、GEはアルストムの技術をアンサルドに譲渡した。その技術は、最終的には上海電気に渡ることになる」p335
「(大株主の取締役就任)取締役会に参加することでトライアンはGEを深く知ったが、証券取引法上のインサイダーに該当するため、取締役として得た未公開情報を(GE株売買に)利用することができなかった」p408
「自社株買いには賛否両論があり、経営陣に良い方策がないことの表れだと言う人もいれば、株主に現金を還元する第二の配当のようなものだと言う人もいる」p412
「フラナリーが取締役会の刷新と縮小を打ち出したとき、取締役会には現役のCEOまたはCEO経験者が6人いた。ほかに、投資信託大手バンガードグループの元社長、ニューヨーク大学ビジネススクールの学長、さらには証券取引委員会の元委員長などが名を連ねていた。17人の独立取締役は、現金、株、その他の特典を組み合わせて、年間30万ドル以上に相当する報酬を得ていた」p430
「(取締役の仕事)満足に答えられていない疑問や、定時すらされていない疑問を追求し、経営を監視し、致命的な放漫さから投資家を守るのが彼らの仕事なのだ」p455
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2023年18冊目。満足度★★★★☆
かつて、時価総額世界No.1、トリプルAの格付、NYダウ採用銘柄で最も長い歴史を誇ったエクセレント・カンパニー・GE
日本でも特にジャック・ウエルチ時代の経営について、賞賛するメディアが多かった
しかし、実はそのジャックの時代から水面化では内部崩壊を始めていて、日本の東芝で起きた粉飾紛いの経営が長年に行われており、かなり危うい経営実態にあったことが、本書を読めばよくわかる
米国企業を中心に株式投資をしている者として、改めて「個別」株式への投資のリスクの高さを再認識した
なお、海外のノンフィクションにありがちであるが、話がやや冗長なところがあり、約500ページ読むのは少し時間を要した
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読み物として面白い。
あのGEがここまで衰退するとは誰が思ったか。
時代と共にマネジメントの正解は変わっていくのに、人は変わらない
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某新聞の書評で知って読んでみました。約半分読んだところで挫折。
評価2.5
面白いポイントは
・コングロマリット(複業企業)がどんな感じで商売、仕事してるのか分かる
・GEが衰退した原因が分かる。例、極端な成果主義と現場へのプレッシャー、金融業への依存、小手先の会計操作など
難点は
・とにかく話が長い。無目的に読み続けられる代物ではないと感じた
・金融や会社の会計について多少知ってないと話が進むにつれてどんどんイメージしにくくなる
挫折したのでまだ全体を把握できてませんが、具体的な目標を持って挑まないと厳しいと思いました。
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ビジネスマンとして教科書的存在であったGEの栄光と凋落を描いた作品。特に製造業に携わる人には共感できるところも多いと思うので是非読んでほしい。
実態を伴っていなかったことは後々わかるのだが、GEの経営手腕は日系大手企業と比較して凄まじく先進的に感じた。それでも凋落するのがこの世の常。
この本を読んだ後、盛者必衰という言葉を思い出し平家物語を読み返したくなりました。
最後に海外のビジネス書なので、日本とはまた違ったオシャレな言い回しも多くてそこも面白い。
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理想の経営者・組織とされたGEの崩壊の経緯は日本と変わらないような気がする
Jウエルチ時代に仕込まれた歪が、日本的とも思える[白人]男性優位主義・会計操作で限界に達するまでが、結果から振り返って描かれる
こんな会社を称賛していた社会が日本より好調な日本には更に闇が?
この時GE買っとけば今なら...
経済誌が「浪速のJウエルチ」と称えた経営者の会社に勤務したものとしては感慨深い
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世界一とも言える大企業GEの内情が詳らかにされ、こんなことが起こっていたのかと感嘆も嘆息もさせられる。GEだからこそ変えられない社風や文化が悪い方向に進み誰にも止められなくなってしまった。
最高の製品を持つ企業が勝つわけでもなく、最もシンプルなストーリーを、わかりやすく語った者が勝つと言う言葉に深く考えさせられ、巻末の巨大化した組織の文化、意思決定、会計に関する詳細な洞察を与えられ、何らかのかたちでリーダーの役割を果たしている人であれば、この本から学べることは多いはずだ。と言う言葉には同意しかない。
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伝説の経営者ウェルチ時代からグレーな会計で成長してきたという点注目。それがイメルトの時代には持たなくなった。
取締役会をはじめとするガバナンスは大事。CEOはYESマンではなく自分に反対し、声を上げてくれる取締役をそろえるべき。
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日本法人の過去の一末端の従業員として、ここで書かれたGEの凋落を中で体験した。海の向こうのおひざ元で、こんな問題が起こっていようとは。詳細はこの本で知った。詳細を知るには、距離と、職務階層が低すぎた。とは言え、当時GEの問題はよくマスコミで取り上げられていた、ともあった。私もアンテナを高くしていたらアクセスできていたとも思った。中の人ほど中のことを知らない。
一言でいうと、greedy とarrogant. GEの経営はこの言葉で表されると思った。ウェルチが築いた圧倒的企業にあぐらをかぎつづけたImmeltとその取り巻き。経営に苦労したかもしれないが、真の経営はしていない、キャピタルという机上操作で作られるお金。GE神話に酔って「GEはすごいんだ、できるんだ」という刷り込み。
中にいた人間だから言える。そう、プレッシャーは相当きつかった。と同時に、エリート意識は高く、エリート層とそうでない層に社員ははっきり分けられた。社内カーストがつけられるとその覆しはまずない。秘密主義が敷かれ、秘密はエリート層にしかシェアされない。ますます分断は進む。しかしそれが良い会社運営だと上層部は思っていた。でも、全て化けの皮剥がれた。
Predix。ぶち上げられけど、いつしか消えた。Immeltの「やらかし」でたくさんの部門が閉鎖され人員削減の大ナタが振るわれた。その時去った内の一人が私。そんなずさんで傲慢な経営の結果、去ることを余儀なくされた人達。怒りが込み上げる。一方で、GEを去ったことでできた経験もある。長い人生、そんな事もあるさ、と思える私は良い。ただ、GEで正しいと徹底的に教え込まれたこと、身につけたビジネスパーソンシップは果たして正しかったのか?と、自分のキャリアで培ったことが正直わからなくなった。GE凋落の過程で行われた事全てが間違いであったはずはなかろう。「ストーリーを語る」というImmeltとコムストックが導入したビジネススタイルは、よりGEを親しみやすい会社にしただろう。そのストーリーの背後にたいしたこじつけと強烈なトップダウンから語られたのは間違っていたが。
この本は、GEの間違い点はたくさん示してくれる。一方で正しかった点は示してくれない。それを求めてはいけない。これはジャーナリストが客観的に取材したレポートであり、そこに価値がある。従業員としての振り返りは、自分でするしかないのだ。
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久々にすごく面白かった。時を全て読んでしまいました。
理由は事実をもとにしつつ、ある種の物語であるところ、人と人との関係性や思いなどが散りばめられていた。
事実と見てもよし、架空の物語と見るもよし、だとは思う。
ただ一つ難点を挙げるとするならば、時間軸が捉えづらかった。先の年に行ったり、戻ったりするところが分かりにくかった。
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アメリカを代表するコングロマリットGEの盛衰史。M&Aを通した多角化戦略は日本企業の大手メーカーでも見られる。メディア大手や映画コンテンツなど、工業とは離れた業態に手を出していたのだと本書で知った。金融と工業という2大柱は共存し得たのか、金融機能を活用した資本コストの低減は本当に有利に働いたのか考えさせられる。GEはコングロマリットとして巨大すぎるため取締役会ではガバナンスが効かなかった。モニタリングが不十分で自分達が運営する事業を網羅的に把握できていなかった。そこにリスクがあったと思われる。おそらくコングロマリットといえど近似する事業を3,4個保有するのが限界なのではないかと考えさせられた。また、株式こそ最大のコストで、常に配当を気にした経営していたのは意外だった
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読みでがあった。
巨大なコングロマリットの問題が全て入っていて、巨大企業の問題点のデパートといった感じだ。
日本の大企業の取締役会の緩さも考えさせられた。
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ジャックウェルチ公認のジェフイメルト期にフォーカスして世界的なコングロマリットがどう衰退したかを詳述する本。詳述なだけに読むのに体力がいる
日本ではここまでマーケットのプレッシャーで経営が動くことはないかもしれないが、腐敗していく経営陣の反面教師的なケースとして参考になる。
一時期やたら名経営者として持ち上げられていたジャックウェルチも、結果を見るとサステナブルではない目先の利益と株価を追うタイプの経営者だったんだなという印象。彼はこれからの時代にロールモデルになることはなさそう