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紙の本

強かな中国共産党の謀略戦に暗澹たる思いが

2022/08/16 21:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る

表題にある「日中戦争」だが、これは昭和12年(1937)7月7日に起きた盧溝橋事件に端を発している。現代日本人は、この「日中戦争」を「侵略」と見ている。しかし、事は簡単に「侵略」として片が付くものではない。本書はインテリジェンスというキーワードで「日中戦争」を見たらばどうなるかという解説書だが、中国共産党の強かな諜報活動、プロパガンダの事実に戦慄を覚える。それも、日本だけではなく、イギリス、アメリカの諜報機関をも手玉にとっての謀略戦を展開していたのだ。
 この中国共産党の戦術を俯瞰しながら思い起こしたのは昭和12年(1937)7月29日の通州事件であった。この事件は在留邦人が中国国民党兵士、学生たちによって虐殺された事件だが、その実、国民党軍や学生集団に潜入した中国共産党が暗躍していたのではと思った。この事件については、最新刊の『新聞が伝えた通州事件1937~1945』(藤岡信勝編)に詳しい。
 更に、本書の第一章「足りなかった対中支援」だが、これはアメリカが中国国民党(蒋介石)に軍事支援を約束しながら容易に履行されなかった背景を述べている。ここで思い出したのは1942年(昭和17)に中国国民党支配下の中国河南省で300万人が餓死したことだ。蒋介石は虫害で飢餓に苦しむ同朋を見殺しにしたのだが、「同盟国」のアメリカからの物資は届いていない。蒋介石が救援を求めなかったからというが、求めても簡単には物資が届かない事を知っていたのだろう。皮肉なことに救援物資としての軍糧を放出したのは日本陸軍だった。この事実については最新刊『人間の条件1942』(劉震雲著、劉燕子訳)を一読されたい。
 全6章、230ページ余の本書を読了しだが、最終章214ページに記載される文章が重い。「アメリカの保守派、インテリジェンスの研究者たちは、アメリカ本国での反日宣伝活動、日米分断工作についてはあまり研究をしていない。(中略)アメリカのインテリジェンス研究の「欠陥」を理解したうえで、アメリカのインテリジェンス、近現代史研究の専門家に対して、日本側の視点、懸念を伝える作業が重要だと言えるのです。」
日本の自称保守と言われる方々は「日米同盟」を重視する。しかし、「同盟国」であるアメリカが外交戦略、戦術においての肝である日本についての研究が進んでいないのであれば、「同盟国」の意味はなさない。さすれば、自主独立の気概をもって生き残る術を日本は考えなければならないが、果たして、どれほどの日本人が危機感を抱いているだろうか。
本書を基に既存の日中関係の事件史を再読しなければならない。合点のいかなかった箇所の整合性が明らかになるだろう。
加えて、紛争回避のためのインテリジェンス機関が、いかに日本に必要であるか実感できるだろう。

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