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業務で生産管理システム導入に携わる際に、理想論だけでなく注意すべき点がきちんと記載されている。生産管理システムで何ができて、何ができないのか、少し引いた目線で考えられるようになりそう。以下、学んだ点。
・MRP(Material Requirements Planning)の機能は、計画は基本的に変わらないとするアメリカの大量生産を元に作られた思想で、受注生産が基本となる日本には合わないことが往々にしてあること。MRP生産管理システムが生産の邪魔をするという章は、批判的にMRPを捉えていて、実態が理解できたので良かった。
・どれだけ精緻に原価計算をやっても、その原価管理が利益増大には繋がらないこと。重要なのは、生産管理システムの導入を通して、会社の利益増大に貢献すること。
・生産管理システムが正常に動作するために、BOMや工程表、リードタイムなどのマスタ設定が重要なこと。
・単純に価格の安さだけで外注しても簡単には利益は上がらないこと。
・システムベンダーは、フィットアンドギャップをユーザー側にやらせた結果、そのギャップを全てカスタマイズに持っていく可能性があるので注意すべきこと。カスタマイズが多いと、アップデートが基本的になっている現代のシステムでは、メンテナンス工数がバカにならない。
・本の全体を通して、
①生産管理システムの主要機能(受注入力、生産計画、需要予測、工程計画、品番管理、部品表、工程管理、生産手配、資材手配、所要量展開、在庫引当、製造指示、実績収集、進捗管理、工程負荷調整、在庫管理、入出庫、原価計算、ロットトレース、技術情報管理)、
②生産管理方式(製番管理、欠品表管理、MRP、製造ロット番号管理、かんばん方式、流動数曲線管理、バッチ生産管理、プロセス生産管理)
③生産方式(ETO, MTO, ATO, MTS)
などを総復習ができた。