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中学生の頃初めて読んだ時はちんぷんかんぷんで(当たり前か)
怖い話だ...くらいにしか思わなかったけど、
今自分が主人公の元子と同じくらいの年齢になり
これを読むと、人間の強欲さと女の情念となども分かって
ある意味で本当の怖さを感じました。
さすが、松本清張!!
手元に置いときたい1冊です。
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地味な銀行員の会社や社会への復讐劇。
銀行のお金を着服し、そのお金を元手に銀座の一等地のバーのオーナになった元子だったが・・・
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元銀行員の女が預金を横領し、その金でクラブを開く。
クラブを開いた後も夜の世界で知った情報を元に強請りを
企て順調に行くかに思えたが、最後にどんでん返しがある。
上下巻であるが、なかなか面白か
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ドラマを見てから、原作が気になり読んだ作品。
ドラマでも原作でも、元子の転身ぶりがかっこよくて惚れ惚れしてしまう。
そうやって元子に肩入れして読み進めて行くと、元子は大成功するものと信じてしまい、ラストはショック。
でも、そういうとこが松本清張の作品のパターンのような気がする。
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377P
初刷:昭和58年1月25日発行
(以下平成20年12月改版の情報)
印刷:錦明印刷(株)
製本:錦明印刷(株)
カバー装画:西口司郎
カバー装幀:多田和博
最初の一文:「『クラブ・燭台』は銀座の並木通りを土橋近くへ歩く横丁で、このへんに多いバア・ビルの一つにあった。」
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ハラハラして面白かったです。
松本清張は昔から好きな作家で、ミステリーの王道だと思っています。この作品はそうでもないですが、意外な真犯人が最後に出てきたりする、いわゆる大どんでん返しが得意の作家さんです。
驚くほど強かな女性が主人公です。時代は昭和50年代初頭なのに、今読んでも全く古臭くないんです。主人公は元銀行員で、巨額の横領をして、バーのママになり、その金持ち客を相手に次々と金を巻き上げる方策を考え、実行するのですが・・・。
まず、バーのママの話し方というのが、上品でとても参考になりました。でも、銀行員をやっていたような人が、接客業なんて次の日からできるのかしら?とは思いましたが。巨額横領事件の手口は、90年代の大和銀行ニューヨーク支店の話を思い出しました。チェック体制の甘さが抜け道になっているんですね。
この作者の人物描写はとても面白いです。若い作家にありがちな、美しい人というのがほとんど出てこず、皆どこかしら影があり、不気味なんです。強欲な油ぎったオヤジも、「ぬらぬらとしたなめくぢのような」といかにも気持ち悪そうな表現です。
それにしても、この本を読むと、いったい誰が悪者なんだろう?と最後に思いました。個人的には、女一人で頑張っている主人公にエールを送りたい気持ちでした。
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のっけから、銀座で見かけた不美人のホステスを、後日、千葉の銀行で偶然見つける、という相変わらずのご都合主義。
突然、ホステスとして雇ってくれとやってきた女が、これから恐喝しようとしている男が買い取ろうとしている料亭の中居であるという偶然も。
ユーモア小説か、と大笑いした。
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横領で得た金を元手に銀座にクラブを開店する元銀行員の女。ドラマを見ていないが、本を読んだ限りでは米倉涼子のイメージではない。どちらかと言うと、やり手で駆引きのうまそうな現行政刷新担当大臣がはまり役な気がする。
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引き込まれた。だいぶ前に読んだのに今でも深夜早朝のゴミ収集車にはいかがわしいゴミではと何故か胸騒ぎがする。
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ベテラン女子銀行員が銀座のバーのママに転身、その繁栄と没落を描いた作品。
銀行の架空預金口座、医師の脱税、裏口入学をめぐる予備校と政治家の関係といった不正を切り口に物語は展開する。
なんとも皮肉な結末を迎えるこの話は、ある意味、独身女性への教訓めいたものではないだろうか。
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前にドラマ化されたけど、そのときは興味なかった。
架空名義口座や、医学部の裏金入学とか、当時(?)問題になっていた社会問題が触れられている。
そして、それを逆手にとって自分の欲望を満たしていく主人公。
下巻はどうなるのやら楽しみ。
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ドロドロとした内容。
でも主人公である銀座のバーのママが男から金を巻き上げのし上がって行く姿には、してやったりと感情移入してしまう
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勤め先の銀行から横領した大金を資本に、銀座のままに転身した主人公。
銀座を舞台に夜の紳士たちを獲物に女性の欲望が渦巻く物語。
米倉涼子のドラマのイメージで読んでしまいました(^^;
でも内容は必死に自分の欲望を叶えようと奮闘する物語でした。
紳士を食い物にする夜の街と、その紳士に食われている一般市民。
なんか社会がいやんになる気持ちでした。
その中でそいつらを叩きのめそうとする主人公をついつい応援しちゃいます。
女の欲望の奥深さを知りたい方にオススメの作品です。
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男女の欲望が、
ネットリといやらしく絡みつく様が面白い。
しかしながら、
元子には、あまりソソられない。
あれ?
黒い腹の底が、
丸見えだと、
興醒めするのか?
オンナは怖い。
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松本清張作品はこれまで読んだことが無く、今年こそ読んでみようと手に取った作品。
著作はハードボイルドな社会派という印象が強く、まずはドラマ化され、女性が主人公のものならとっつきやすいかと思いましたが、予想以上のノワールな設定と展開にびっくり。
文章に甘さや隙が無く、常に張りつめているため、読む側も緊張し続けながら話を追っていく形になります。
清張ものはみんなこうなのでしょうか。息苦しく、圧倒されます。
はじめはバーの客の視点から始まりますが、いつしか主人公元子の視点に映って物語は進みます。
このヒロイン像には驚きました。
人を脅してゆすって巻きあげた横領金で銀座に君臨し、更なる機会を常に狙っています。
自分の悪事に全く反省をしないしたたかな彼女。なぜそれほどはったりが張れるのか。
強い女すぎて、まったく感情移入できません。
彼女がターゲットにする男性たちも、利用する女性たちも、それぞれに自分の欲望を最優先しているような人たちばかり。
腹黒い悪人ばかりの物語です。
誰もが冷徹に計算をし、損得勘定で動いている様を読み続けていると、気が抜けずにぐったりしてきます。
そもそも、元子が横領という犯罪に手を染めてまで夜の世界に飛び込んだ動機が薄くて伝わってきません。
銀行員からバーのママへの転身したのはなぜか?
堅実な職から華やかな水商売へ。資本金があるのなら、もっと手堅い商売がいくらでもあったと思いますが。
執筆当時は、銀座のバーのママの地位はすさまじく高いものだったのでしょうか。
逆にそれなら、下積みがほとんどないぼっと出の彼女がやっていける世界ではないように感じます。
コケティッシュでないため、女性としての魅力を感じない彼女。
基本、人間が好きな人でないと、相手に興味と好意が伝わらず、接客商売は務まらないと思います。
男性が好きではない彼女はママには不向き。どうにもクールで冷酷すぎるのです。
この類の話は、女性が手掛けた方がずっとリアルなものとなりそう。
その分、ドロドロも倍増しそうですが。
悪人の誰もが告発・検挙ギリギリの薄氷の上を歩いているようで、ひやひやしながら読んでいます。