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バレンタインデーに受け取った想いを返すホワイトデー、甘酸っぱいイベントも音楽バカの真琴に掛かれば素っ気ないイベントになってしまうのでは…?という懸念を他所に予想以上のホワイトデーが描かれていたような
一方で女の子達と向き合うイベントは真琴にとって自身の構成要素に音楽以外のどのようなものが含まれているか捉え直す機会となったのかな
ホワイトデーに何を送れば良いのか、そして何故姉の偽装恋人なんてしなければならないのか。音楽バカにとって余計な悩み事となる冒頭のエピソード
出掛け先でバンドメンバーに遭遇してしまうなんてラブコメとして定番展開の中で見えてくるのはホワイトデーに何を返すかという悩み事が近づく日々においても真琴がバンドメンバーの女の子達をバンドメンバーとして見ている点。硬派なのか超鈍感なのか。
でもそういった変わらなさこそ真琴らしい
本番は姉の補助も有って皆が想定していた以上のお返しが為されたようで
きっと彼女らも真琴がきちんと意味を把握した上で渡してきた、とまでは思わないだろうけど、それでも特別なお返しは特別
それにしても複数の女の子へ同時にマカロン渡すって凄い状況……
続く少女達との逢瀬は日常イベント味が強いエピソード。一応、マネージャーをどうするか?という課題こそあれ、大きな問題が存在しない日々の中で強調されるのはこれまでとこれからの少女達と真琴やバンドとの関係性かな
朱音が考えていたのはマネジメントの問題、PNOは真琴が始めたバンドだけに真琴の雑用部分が多い。だから朱音がしようとしたのは真琴から余計な重しを取り除こうとした行為
やっと本気になれる場所を手に入れた朱音からすると大切な友達が居るバンドはずっと存続させたい。だからそれが消えてしまうんじゃないかと不安に思ってしまうのか
ああして地元トークが出来るなら繋がりは消えないかもしれないけど、音楽バカの真琴にとっても同様の意味となるのか……
詩月が考えていたのは距離の問題か。今は同じ高校だし近場に住んでいるから一緒に活動できる。でも転校なんてしたら真琴達と離れ離れ。詩月がしようとしたのは余計な重しが降り掛からないようにした行為。だから父の不倫相手にも会いに行った
親が離婚した際にバンドの為に一人暮らしか華道の為に母についていくか。詩月にとってどちらも重きを為す要素。だからバンドに居る真琴に本気度が疑われてしまうかと詩月は懸念していたようだけど…
真琴の返しは良かったけど、口説いているようにしか聴こえない台詞だなぁ(笑)
伽耶が考えていたのは所属の問題か。これからも本格的に音楽活動を続けていくならどこかしらの事務所に所属した方がいい。それはバンドの重しを分散するような行為だけど、所属したらそれはそれで重しが現れるというのは難儀な話
伽耶がそういった点を気にしていたのは自身が気にしているからか。演技と音楽の両輪という意味では詩月と似た悩みだけど、未熟な伽耶はまだ自分の中でどちらに重きを為すべきかを決めきれなかった
真琴は伽耶にとって必要な答えを与えてやれた感じだね
凛子が考えていたのは練習場所の問題か。音楽に関わる者にとって大切な音を鳴らす場所、たった1つの場所にこだわっていれば今回のスタジオ改装のように不意に使えなくなる日が来るかもしれない。かと言って様々な宛てを作るのも重しとなる
シェアハウスさえ有ればバンドメンバーで住めるし一緒に練習も出来る。音楽をやる者にとって理想的な環境。そういったものを差し出して、更にはそこから続く未来にも目を向けている凛子の想いの深さを感じるようなエピソードだったよ……
そして肝心の真琴は……
彼の音楽はどのように開始したのか、どのように継続しているのか。これまでも美沙緒の存在が真琴を揺るがす場面は描かれてきた。それは彼にとって美沙緒が掛け替えの無い人物という証左。曲すら書けなくなるだなんて音楽バカである真琴の原動力に近いものに美沙緒はなっているという事か…
そんな状態だから普段なら心躍るような依頼も無味乾燥なものとして、気乗りしない話題として受け取ってしまうわけで
本作は真琴視点で描かれているから、真琴と同じように美沙緒の現状を心配する凛子達の心情はしかと描かれない。けど、気落ちした真琴に踏み込まないという形で配慮や心配がされてきた
でも考えてみれば、それは元教え子である凛子達の問題であって、会った事すらない伽耶にとっては全く無関係の問題なんだよね。おまけに美沙緒の音信不通で真琴が揺らいでいるという事はそれだけ真琴にとって美沙緒が大切な存在であると叩きつけているようなもの
伽耶は勇気を出して、そして挑むように真琴に音楽バカのなんたるかを叩き返したね
これまでの真琴は自分がやりたいとか、美沙緒に聴かせたいが為に音楽をしていたかもしれない。
伽耶が示した痛みの音楽。大切な存在が居なくなっても音楽にしがみついてやるというバカみたいな覚悟。これに応えられなかったら音楽バカなんて名乗れやしない
そうして結集した音楽の先にまさかの再会が待っているとは……
第1巻にて真琴達の前から姿を消しつつも、その存在感故にPNOの中核と等しい核を為してきた彼女。これで完全復活というわけではないようだけれど、それでも彼女が戻ってきたのは本作においてとても明るい話題となりそうだ
美沙緒が戻ってきて、伽耶も高校に入学した。PNOの未来含め何もかもが上手く回り始めそうな春先。これからも本作を読み続けられるという喜びや温かな春模様が幾つも描かれた巻だったよ
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ヒロインたちとの交流を描きつつ、真琴が落ち込み、でもライブになると音楽が疾走する。
お約束の展開を安心して読める。いい意味でマンネリ。
ライブ場面の言葉のチョイスが好き。
ムサオをもっと女装させて。
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姉のエピソードは面白かった。ヒロインたちが女装していても真琴を一瞬で見抜くのと、当たり前のように「姉妹」と呼ぶのが笑った。
そしてまさかの大学の先輩が姉ではなく真琴が目当てだったとは…。
ちょいちょい「バンドの話はしていない」というフレーズが出てくるのも面白かった。
花園先生が久しぶりに登場。PNO(特に真琴)の大きな心の支えになっていたんだなぁ。
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さっくり読了。ホワイトデー+卒業ライブ。1年生編のエピローグという感じですね。つぎは2年生編。どうなるかしら。あと、生徒会探偵キリカは続編どうなったのだろう。
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今回は音楽活動は控えめで、各ヒロインとの関係性を掘り下げる話がメインでした。いやードキドキしますね。あとお姉さんとの話もよかった。
華園先生の不在に落ち込む真琴に伽耶が詰め寄るシーンはグッときました。ただそれを受けて真琴がどう動いて結果どうなったかというところは、伽耶のあの迫真の言葉の割には無難に終わってしまった気もします。
まぁでもお馴染みのボケツッコミトークは小気味よく、演奏シーンの描写も素晴らしく、引き続き楽しませていただきました!100巻くらいまで読みたい。
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いやもう相変わらずサイコー。
めっちゃ愉しくて切なくて苦しくてその果てに解放される感情が堪らない。
うん、僕の好きな杉井光だ。
最初に姉に女装させられて連れ回されるエピソードからニヤニヤ笑いが止まらないんだけど、バンドメンバーそれぞれとのある意味デート的なエピソードにおける真の鈍感ぶりも国宝級で呆れる。
それでもそれぞれに大切な言葉が必ずあって胸に刺さった。
そしてやっぱり美沙緒先生絡みのお話は心臓がキュッと締め付けられる。
ようやくようやく先生の姿をもう一度見れた。
それだけでもうなんか胸が一杯になる。
もうこれで最終回でもいいんじゃないかと言うエピソードだったけど、まだ続くことを心から喜びたい。
彼と彼女たちの青春をもっともっと見ていたい!
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日本語歌詞の
曲を歌ってくれるから
詞は実際に描かれてないのに
描かれてない部分を感じて
聞こえてくるようです
物語に寄り添うように
引用されているわけではないのに
歌い手とタイトルだけしか描かれていないのに
伴奏のように
BGMのように
流れます
音楽が描かれてないのに
音楽が流れているように感じます
ほぼ最後の場面だからこそ
全体を包み込むように
優しいだけではない世界がここに