紙の本
タイムリー
2022/10/29 22:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
定年目前で社外に在籍出向が決まっている自分にピッタリの本でした。グラフがもう少し
見やすかったらよかったです。
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年それぞれの状況に、応じた仕事参加とは。
2023/01/03 08:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
定年退職後は、定年後の本がやたらと目に付きますな。
もちろん私も、退職前数年は定年後に向けて手を打ち。
現在の、ノホホン人生を生きていますが。
本書の著者は、各年齢の実態調査のデーターを元に解説。
第一部では、総務省の出す「国勢調査」も参考に。
各年齢の就業率を元に、現在の日本社会の動向を書いています。
それによると、60歳の定年退職前後の主に男性の動きを洞察。
定年後も、自分のペースに合わせて仕事をしていると指摘。
定年前の正社員人生と、定年後の補助的仕事のストレス度に目を付け。
働か無ければ生活出来ない人も居るが、大半は自分のペースで働いているとの事。
第二部では、仮名ながら60歳70歳の実際をレポート。
多数の事例では、皆さんそれなりに満足して生きている。
第三部では、社会全体が少子社会に向かう日本で。
高齢の方々が、「小さな仕事」を続けて行き日本を支える提言を。
その為の、法的整備から消費者優位過ぎる国民の意識改革から。
国全体の流れを変えて、この国この国の民を守って行く方向性を。
最初のデーター解説は疲れましたが、後半はサクサクと読めましたね。
人生100年時代(無理な気が・・・)なそうな。
暗中模索、大切ですね。
紙の本
次は現役世代・将来世代への分析や議論も
2022/12/02 09:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在定年となった、あるいは、定年を迎えつつある正規雇用社員についての定年後の多くの仕事の状況や現状を分析している。多くを稼がなくてもやりがいをもって「小さな仕事」をしてゆくことが、満足感幸福感につながっているととらえている。
そこから、今の現役世代・将来世代のこと、またブルシットジョブではない「小さな仕事」への価値づけやその賃金のことなども展開している。こちらについては、材料や観点はよいと思うが、もう少し納得感がある詳しい議論を、次回展開してほしいと思った。
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あと一年半ほどで所謂「定年」という年齢に達します。私が社会人になってから多くの退職された先輩を見てきました。社会人になって私が結婚するくらい(1994)までの退職者とのお別れは楽しいものでした。大きな花束をもらって一旦はやりたいことに没頭する様ですが、すぐに飽きてしまって元の職場でアルバイトとして働いていた人も多かったです。
それから時代は経過して、今の会社に移りましたがしばらくは同様な状況が続いていたと思います。私も60歳になったらどうしようかなぁ、と考え始めた頃から何やら雲行きが怪しくなってきて「人生100年時代」とか「生涯現役」「再雇用」というフレーズが聞かれるようになってきました。
そして今年から正式に法律でも65歳まで働ける制度が義務化されました。私にとっては目まぐるしく変わった労働を取り巻く状況の中で、この本のタイトル「ほんとうの定年後」に惹かれるものがありました。この本には私の少し上の先輩たちの所謂定年後を迎えたのちの振る舞いが記されています。人それぞれ環境が異なるので、特定の人の生き方を真似するのは難しいとは思いますが、多くの方の事例を参考にして、私はどうすべきか考える良い材料となりました。
以下は気になったポイントです。
・定年を境に、月57万円から43万円程度に支出額が減る、60代後半で32万円、70代前半で30万、後半で26万円で安定する様になる(p20)
・定年後の家計を展望してわかることは、結果的には人生の最終期に持ち家を所有していることは、概ね良い選択となる(p21)高齢期に資産性のある住宅を所有しておくことは、自宅を担保に老後にかかる資金の借入を行う「リバースモーゲージ」による活用もできる(p24)
・仕事から引退した世帯の65ー69歳までの収入額は合計で月25万円、そのうち公的年金は19万円程度(p31)定年後は年金に加えて月10万円ほどの労働収入があれば家計は回る(p32)
・平均的な60代の家計が有する資産は、中央値で考えると、1500万円程度である(p46)
・2021年4月に施行された高年齢者雇用安定法では、現状義務化されている65歳までの雇用確保に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため企業の努力義務とされた(p55)現在の65歳までの雇用確保措置が義務化されたのは2013年であるが、65歳までの雇用が努力義務化されたのは、1990年であり完全義務化まで20年超要している(p56)
・厚生年金保険の支給開始年齢の引き上げは、定額では1994年、報酬比例は2000年であるが、実際に65歳の完全引き上げまで30年もの経過措置があった(p58)
・デスクワークに就く人は、1573万人と、全就業者のうちの4人に一人に過ぎない、デスクエワークとノンデスクワークが混在する中間職種は949万人いる(p103)
・定年後の仕事で大事なのは、1)さまざまな活動に関心が分散される、自分の人生の中でいくつかの居場所を持ち、そこでポートフォリオを組む、2)そのポートフォリオの中に仕事がしっ��りと組み込まれていること(p121)
・仕事に何を求めるかという観点で見た時、50代は大きな転機になる年齢である、人が仕事に対して意義を感じることがどうかは、50代を底にしたU字カーブを描く。定年以降に見出される就労感は、高齢になる程高まる価値観として「他者への貢献」「体を動かすこと」になる(p127)
・失われた数十年間と言われることもあるが、コンビニなどの小売店が全国に配店されて質の高い商品がいつでもどこでも買える様になった、インターネット上でボタンひとつで日本のどこに暮らしていても商品を自宅へ届けてもらえる、介護保険法施行(2000)以降、介護サービスは確実に広まっている(p148)
・定年後の仕事として望ましいのは、利害関係のない人たち、と「緩やかに」つながる仕事である(p211)つまり、1)健康的な生活リズムに資する過度なストレスがないこと、2)利害関係のない人たち、3)緩やかにつながること(p212)
・本当の定年後は、誰もがその時々の状態に合った「小さな仕事」に従事しながら、無理のない仕事と豊かな消費生活を両立している姿にある(p259)
2022年8月24日読了
2022年9月19日作成
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定年後、多くの人(半数程度)の人が70近くまで働いていて、その多くが、収入は少ないものの、労働時間も短く、それに満足していることを示した本。また、高年齢になれば、誰でも働き方を変えざるを得ないわけだが、それに伴う精神的なショックは、定年時ではなく、その前の役職定年の時の方が大きいことについても言及している。
精神面でも、肉体的な面からいっても、働き続けることが大事なのだなと思った。
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定年後の働き方について、各種データと就業者7人の事例から実態を明らかにし、少子高齢化が進む日本社会が目指すべきあり方にも言及する。
著者は、厚労省で社会保障制度の企画立案に携わったり、官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆を担当した経験がある。本書も多様なデータによる的確で安定感のある分析がなされ、説得力がある。
7人の人物に対しては、著者が実際にインタビューを行っており、等身大のリアルな姿が浮かび上がり興味深かった。
自分も60代後半なので、「小さな仕事」の意義、心地よい水準の仕事ができることなど頷ける内容が多かった。それを以下にメモしておく。
・高齢になっても、低下する体力や気力と向き合いながら、対人能力、対自己能力は持続でき向上させられる。
・定年後を境に「仕事満足度」が急上昇する。
・生活に身近な仕事、基礎的な仕事に従事する人がいなくれば、地域は立ち行かなくなる。
地域に根差した「小さな仕事」で働き続け、老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立する社会を目指すべき。
・過度な宅配サービスを見直すなど、働き手にやさしい労働環境を整えて初めて、歳を取ってまで働きたくないと考えている人たちを労働市場に呼び戻すことができる。
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参考になった。
定年後働くのは不幸なことではなさそうだ。収入はあった方がいいし、健康にもよい。
消費者より働く人優先の社会がこれからは必要との考えに目から鱗。
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定年後、豊かで自由に生きるにはどうすれば良いのか。
データと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」でした。
必要な年収はいくらか、本当に稼ぐべきは月にいくらか。
70代男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働いています。
知られざる定年後の仕事の実態、日本の経済の歪みを明らかにし、日本社会を救うのは、「小さな仕事」だと結論付けます。
実際に、定年前の仕事において、大きな仕事をうまく乗り越えたときの達成感を口にする声も多くあった。しかし、定年後の就業者の話を聞いていると、定年後においてはもはや人間関係に大きなストレスが伴う仕事の仕方を、人は望んでいないのではないかと感じるのである。
一方で、定年後に幸せに働き続けている人は、利害関係のない人たちとのつながりを持っていた。さらに、それはいつ解消しても構わないような緩やかなつながりであった。
ー 211ページ
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サラリーマンにとって、定年後にどんな仕事をするかは切実な問題だと思う。慣れ親しんだ組織を離れ、紹介や斡旋の有無はともかく、現役時代と違う仕事に就くのだから、気持ちの切り替えも必要だし、収入面も気になる。
そんな不安に対し、統計データや定年退職後に働いている人との面談を基に、平均的あるいは多くの人が歩むであろう定年後の仕事をリアルに紹介している。そして、そこでは、競争して組織内で成り上がるという考え方をリセットして、負担やストレスを小さくして、社会や周りの人の役に立つよう無理のない範囲で「小さな仕事」をする人が、現役時代より幸せに働く姿が見えてくる。
もちろん、収入は減る。しかし、支出も減少し、ある時点からは年金収入もある中で、無理して多く稼ぐ必要がない。そんな先人の姿を見ているうちに、不安が安心に変わっていく。
労働人口が減少していく日本社会で、消費者優位の社会から、働き手に優しい社会へと変わっていく必要があると著者はいう。「働き手による無理のない仕事と豊かな消費生活をどう両立させるかを考えていかなければならない」という著者の指摘は重要である。
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なるほど、いろいろなデータを用いて、定年後の収入だったり働き方だったりに、具体的な例を用いて示してくれている点は良かった。
そして、今後の日本人が、定年後、小さな仕事で働き続けていく上で、より適切な賃金を得られ、かつ、敬意を持って対してくれる社会を実現するためには、痛みも必要なのもその通りだろう。だから、著者にはそのためにはどういう施策が必要なのか、一つでも二つでも良いから示してほしかったかな。
自分ももういわゆる定年まではもう5年しかないから、当然、今の経済状況を考えれば、その年齢で働かないという選択肢は選べないだろう。
そして、この本のデータが、定年後はそれほど収入は必要ないという根拠が、貯蓄額や退職金にあるのなら、やはり全然安穏とはしていられないわけで、読む前よりむしろ不安感というか焦燥感は増してしまったようにも思えるが、一筋の光明はあるようにも思える。
今の自分を定年後の自分が振り返って、バカやろうという度合いを少なくするための方法を本当に、頭から煙が出るくらい、考えてそして一つでも多く実行して錯誤して、何かを見つけなければいけないなと、考えた三連休の中日の夕方…
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ワクワクしながら一気読み。
「キャリアにおける大きな転機は50歳近辺にある(p201)」
現在53歳。30年近くやってきた仕事にはやり甲斐を感じてるし、まだまだやりたいことがある。一方で、家計の教育負担がほぼなくなり、いくつかのコミュニティに参加するなかで、楽しみながら、かつ、何かに貢献できる生き方がないか考えてた。この点、本書の「「小さな仕事」が日本社会を救う」は大いに腹落ちした。
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40-50代の幸福感は低く、20代と60代以降は高くなる。体感的にわかっていることだけど、仕事やキャリアの角度からそれを検証できる。
近い将来、身近なサービス業で労働力不足からくる供給逼迫が起こる。東京だとコンビニ定員は大抵外国人留学生。日本人が受けたくない価格帯の仕事になっている。無人レジの導入は進むだろう。
これまでの日本社会は、高齢期に働かないでも豊かに暮らせるための社会保障制度をいかに充実させるかといえことに、政府も個人も腐心しすぎていたかもしれない。残念ながら今後の時代においては、働かないで豊かに暮らしたいという人々の願いの中に、持続的な解は見いだせない。
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保険の支出はそれほど多くない。月1.7万円。
10万円程度の労働収入があればよい。
早期退職勧奨は高年齢者雇用の負担感の表れ。好業績企業でも退職勧奨が行われ、新陳代謝が計られている。
70歳で就業率は45%=働くことは当たり前。
60代で管理職はほとんど存在しない。
アメリカで年齢差別がないのは、競争原理のもと、パフォーマンスの低下は解雇されるから。
1990年以降の成果主義も定着しなかった。
中高年の就職はハローワークの割合が高い。年収が低いのでビジネスになりにくい。
介護、販売、保安、運転、運搬、清掃などの現場仕事が人手不足。
ノンデスクワーカーは3000万人以上。労働者の多数を占める。
基礎力、専門力、その他体力気力、今ある仕事に価値を感じること。
仕事の価値は、他者への貢献、生活との調和、仕事からの体験、能力の発揮、体を動かすこと、高い収入や栄誉。
定年後、仕事からの体験は20代まで回復する。他者との交流の大事さに気づく。
定年後は現役時代の専門性を活かす仕事ではないケースが多い。健康的な生活リズムができて、無理なく働けて利害関係のない人たちと穏やかに触れられる仕事、がいい仕事。
定年制で新陳代謝が行われている。賃金の年功的な部分は少なくしなければならない。
労働供給制約社会が訪れる。高齢者は自らサービスは提供できなくても、必要としている。=労働力不足。
機械化、自動化のためには労働コストが高いほうが進展しやすい。
日本のサービスの質は高く賃金が低い。1500円程度まで上げたほうが機械化が進みやすい。機械化が進んでも労働力不足なので仕事はなくならない。
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定年後の仕事の実態を詳細なデータに基づいて分析、評価している。
それによると、50代に就労感が変わり、定年後は年収は下がり、仕事も小さな仕事で現場仕事になるが、それでも6割が仕事に満足し、幸福を感じているという。
データに基づいて分析しているから、実際そうなのだろうけど、本当にそうなのかなあ。体力、気力、能力が落ち、デスクワークの需要は少なくなり、積極的に就業しているというより、やむを得ず選択しているのでは?なんて疑問がわく。
さらに、幸せな定年後の生活とあるが、むしろ現状を肯定せざるを得ない悟った(諦めた)定年後の生活なのでは?なんて思ってしまう。
すごく説得力を持たせて書かれてある本なのに、肌感覚で違う!と反発心がわいてくるのは何故w
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ベストセラーであり、老後の生活に関心があったので読んでみた。
「沢山のデータを引っ張り出して、がんばったね。おつかれさま。もういいよ。」という思い。
これからどうすればいいのか。これからどのような日本にすべきかの考察があまりにも弱い。資料を集めまとめたことには敬意を表するが、単にそれだけ。